米アマゾン、キャンパス内や学生街にピックアップ拠点オープン

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■ネット通販最大手のアマゾンは9月20日、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校(CSULB)キャンパス内に商品引き渡しと返品を専用にした「アマゾン・アット・ザ・ビーチ(Amazon at the Beach)」をオープンした。アマゾン・アット・ザ・ビーチは受け取り用のアマゾン・ロッカーに返品用の宛先をプリントする端末、梱包用デスク、アシスタント受付カウンターを備えている。在庫は持たず、端末からの販売なども行っていない、商品ピックアップと返品に特化した70坪の施設だ。プライム会員や学割プライム会員「アマゾン・スチューデント・プライム(Amazon Student Prime)」は対象商品を午前中にオーダーすれば午後には受け取れる当日宅配サービスもあある。アマゾン会員やCSULBの生徒に関わらず、アマゾンのピックアップ場所として利用可能となっている。なお受け取りはすべてアマゾン・ロッカーで行い、常駐スタッフはロッカーの使い方や返品時でアドバイスを行うのみとなる。なお、ロッカー保存は最長15日間となっている。営業時間は平日午前9時~午後9時、土日は正午~午後9時となる。
アマゾンはCSULBのほか、これまでにインディアナ州ウェストラファイエットのパーデュー大学(KRCH Location&PMU Location)やマサチューセッツ大学アマースト校(Amazon@UMass)、カリフォルニア大学バークレー校(Amazon@ASUC Student Union)、カリフォルニア州立大学サンタバーバラ校(Amazon@IslaVista)、オハイオ州のシンシナティ大学(Amazon@Cincinnat)、ペンシルベニア州フィラデルフィアのペンシルベニア大学(Amazon@Penn)、カリフォルニア州立大学デービス校(Amazon@UCDavis)、テキサス大学オースティン校(Amazon@UTexas)、ジョージア工科大学(Amazon@GeorgiaTech)、オハイオ州アクロン大学(Amazon@Akron)、テキサス工科大学(Amazon@Lubbock)、コネチカット州マンスフィールドのコネチカット大学(Amazon@Storrs)、イリノイ大学シカゴ校(Amazon@UIC)、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(Amazon@Illinois)、ウィスコンシン大学マディソン校(Amazon@UWMadison)のキャンパスや学生街に受け取り・返品専用の拠点を15ヵ所展開(一部は年内オープン)している。
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カリフォルニア州立大学ロングビーチ校(CSULB)キャンパス内にある「アマゾン・アット・ザ・ビーチ(Amazon at the Beach)」のカウンター。学生アルバイトが一人常駐しているだけだ。ここでは注文品の受け渡しなどは行わない。返品の仕方等、利用者からの問い合わせに対応するだけだ。

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アマゾン・アット・ザ・ビーチの受け渡しのロッカー。注文番号を入力して指定されたロッカーボックスから注文品を受け取る。88個のロッカーボックスに返品用の返却口は一つのみとなる。

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端末では注文品検索や返品用ラベルのプリントアウト、ヘルプなど。この端末でオーダーすることはできない。

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注文品をロッカーで受け取る以上に便利な機能は、返品時の梱包をここでも行えることだ。返品時の箱や緩衝材、テープ等を自由に利用できるのだ。アメリカは返品大国。アマゾンも寛大な返品制度であり、商品が気に入らないという理由だけでもどんどん返品する。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ピックアップ・ポイントをキャンパス内で運営するため、アマゾンは大学側に売上高の1.5%を支払っていると言われています。売上高というのは、年会費49ドルの学割プライム会員「アマゾン・スチューデント・プライム」が購入した商品・サービスに、送付先がキャンパス内のジップコード(郵便番号)になっている商品です。一部に、学生街が宛先となる商品売上もコミッションの対象となるのです。シカゴ・トリビューン紙が報じたところによると、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の場合、売上が行かなくても、年間25万ドル!を保証しています。初年度のコミッション額は46.4万ドルと試算していて、4年後には60万ドルにもなるとの予測です。ウィスコンシン大学マディソン校でも年間10万ドルをコミッションとして保証しています。見方を変えれば、それだけ学生はアマゾンを利用している、もしくは利用する機会が増えることになります。

⇒少なくないコミッションを支払ってでもピックアップ・ポイントをキャンパス内に置く理由は、配達費の節約と(言葉は悪いですが)学生の餌付けになります。配達拠点を1か所に集中すればコストを抑えることができます。また、学生寮や学生アパートでは盗難も起こりやすく、ロッカーによる直接的な受け渡しでロスも防ぐことができるのです。1ヵ所で返品を受け取れるので送料も節約できます。学生のアマゾン漬けは秀逸な戦略です。アマゾンには学割となるプライム・スチューデントがあります。年会費は半額となる49ドル。無料の「2日間」配送やプライムビデオの見放題、音楽聞き放題のプライムミュージックなどの他、無料の当日配送もあります。キャンパス内のピックアップポイントでは、対象となる商品を午前中に注文すれば午後には受け取れます。参考書などは朝に注文して放課後にピックアップすればいいだけですから、習慣になります。若い頃から、利便性の高い買い物習慣が醸成されれば、アマゾンのマインドシェアが上がります。
自分の学生時代にアマゾンがなかったのが救いかもしれません、プライム会員ですが...

後藤文俊