Fashion Tech / Digital Communication Consultant, Adviser

コレクションもビジネスも多様化

あっという間に東コレもオフィシャルのスケジュールでは最終日となりました。後半戦はTokyo Fashion Award受賞者東京ニューエイジ卒業組の若手ブランドたちに、刺激を受けました。

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先シーズン、展示会で初めて拝見した「アキコアオキ(AKIKOAOKI)」。長年拝見させていただいているわけではないのに、シルエットやディテールなどに "AKIKO AOKIらしさ"というものをすぐに掴むことができる強さがある、昨今の東京では稀有な女性デザイナーではないでしょうか。それが理屈ではなく、単純に「着てみたい!」と思わせてくれる、今の時代感を纏えているのも強いなあ、などと。ショーを見た周囲の女性たちからも「気持ちが上がった!」「今すぐ欲しい!」というリアルな声がきかれました。

この判断をするのはさすがに時期尚早かもしれないけれど、Sacaiからmameへと続いた、日本人女性デザイナーの系譜に続いていくポテンシャルを持っているデザイナーのひとりなのではないかな......などとも。"何かと戦っているような、強烈な強さを感じる服(これは女性デザイナーだけが表現できる世界感だなあとも思うわけですが)"という意味でも、これらのブランドと何か通じるものがあるような......。展示会で実物を見るのも今から楽しみです。

>>AKIKOAOKI2017秋冬コレクション

さて、1日に何本もショーが開催されるファッションウィーク中は、全部拝見しようとすると、意外に(!?)体力と精神力を消耗してしまって夕方くらいにはグッタリしてしまうのですが、その日のトップバッターのショーが良いと、なんだか1日余計頑張れるような気がしたりするもの(笑)。

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最終日のトップバッター「ターク(TAAKK)」のショーは、ヒカリエホールのAとBの間にある通路を舞台に、先シーズンのKOCHEの再来か?といったような勢いのあるフロアショーを展開。基本的にはメンズ中心ですが、たまに登場するちょっとタッキーなウィメンズのルックが良い具合にアクセントになっていて◎。先シーズン展示会で拝見して印象的だったインド刺繍やニードルパンチなどといった凝った素材使いや元イッセイミヤケというバックグラウンドも相成って、やはり服作りがしっかりしているブランドはどんな演出のショーをやったとしても、安心して見ていられるなあと思う部分があります。そういう意味ではいつも個人的なスケジュールが合わずに見ることができていなかった「エトセンス(ETHOSENS)」も、勢いあるランウェイでも丁寧な服作りが感じることが出来て、好印象でした。

>>TAAKK2017秋冬コレクション

>>ETHOSENS2017秋冬コレクション

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ショーを拝見していても、合間合間に伺った展示会でデザイナーの方とお話していても、共通して感じることが1つ。数年前から徐々に現れはじめた傾向ではありますが、東京コレクション界隈と言われるようなデザイナーズブランドにおいては、各ブランドのビジネススキーム自体が、いよいよ多様化してきたな、と。ランウェイでコレクションを発表し、バイヤー及びプレス向けに展示会を開催し、小売店に商品を卸し、ある程度ビジネス規模が大きくなれば、オンリーショップを開き、その後パリなどの海外に出ていく、こんなステップを踏んでいくのが従来型の成功モデルであったのに対して、その流れにあえて乗らず、各々のブランドが各々のターゲットやコンセプトに適合した方法を模索しはじめています。ショーをやることが適しているブランドもあれば、展示会でバイヤー向けにどんどんと卸を開拓していくことができるブランドもあるでしょう、一方で展示会とはいえto Bの側面よりもto Cの側面を強く意識したブランドもあったり、(デザイナーズという括りには入れられないかしれませんが)EC専業のブランドも登場しています。

少し前は「ショーをやっておきながら、卸先が1つも無いなんて謎すぎる」なんて思ったものですが、卸以外の方法で届けたい人に届いていれば、それはそれで良い。固定概念に囚われず、ビジネスのやり方自体も多様化していっている点も、近年の面白い流れだなと思って私は見つめています。

来週は、今週ショーを行った多くのブランドが展示会を行っています。一般の方も入れる展示会も増えてきているので、記事などで興味を持ったブランドがあれば、みなさんも是非足を運んで、実際に手に触って見てみることをオススメします!

【市川渚の東コレレポート】
多様性が"東京らしさ"

市川渚