2020年度「第38回毎日ファッション大賞」の表彰式が11月18日の今日、恵比寿のEBiS303で開催された。大賞は「ビューティフルピープル(beautiful people)」を手掛ける熊切秀典、新人賞・資生堂奨励賞は「コトハヨコザワ(kotohayokozawa)」のデザイナー横澤琴葉、鯨岡阿美子賞はファッション甲子園実行委員会、話題賞は「ワークマンプラス(WORKMAN Plus)」が受賞。表彰式では横澤琴葉が、テキストレーターのはらだ有彩をゲストに迎えたトークショーとプレゼンテーションを行った。
熊切は、「コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)」のパタンナーを経て2007年にビューティフルピープルをスタート。2011年に初の旗艦店を青山に出店し、現在は東京や大阪、名古屋で計5つの直営店を展開している。東京ファッションウィークには2009年から参加しており、2017年にコレクション発表の場を東京からヨーロッパに変更。それ以降はパリファッションウィークに毎シーズン参加している。服の表地と裏地を接ぎ合わせる際に用いるどんでん始末や中綴じ始末に独自の方法を採用した「サイド シー(Side C)」が、型紙設計の常識を変えて新しい可能性を提示したと評価され、今回大賞に選ばれた。熊切は「ファッションの道を志すきっかけになった川久保玲さんが第1回の大賞を受賞した名誉ある賞をいただけて光栄」とコメント。3月にはパリでの新作発表に意欲的な姿勢を示しており、「もの作りを続ける中で、構造の可能性はまだまだあるなと感じている。面白い構造が見つかったので、皆さんが驚くようなコレクションを3月に披露できれば」と意気込みを語った。
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横澤は、日常で着られるものでありながらデザイン性が高いことや、コロナ禍に作品の残り布を使った「STAY HOME WEAR SET」を発表し、売上の20%を医療従事者に寄付するなど時代を反映させながら独自の立ち位置を確立していることなどが評価された。受賞について横澤は「今年1月に子どもを出産した際は、ファッションや仕事と関わることが難しいかもしれないと思っていたので、出産と同じ年に賞をいただけて嬉しい」と感想を述べた。プレゼンテーションでは、ブランド立ち上げ当初のアイテムや、未発表の新作などを組み合わせたルックを展開。2部構成で前半では寝癖が付いた髪型のモデルが登場し、外出自粛期間中をイメージした部屋着と外着をミックスさせたルックを披露した。後半は新型コロナウイルス感染拡大によって様々な活動に制限がかかる中で、ファッションを楽しむ様子を表現した。
このほか、話題賞を受賞したワークマンプラスの土屋哲雄専務取締役はビデオメッセージで「長年作業着を扱ってきており、ファッションではないと思っていたので、ファッション分野で栄えある賞をいただけたことは自信に繋がった」とコメント。鯨岡阿美子賞を受賞したファッション甲子園実行委員会の秋元哲委員 弘前市商工部長は「デザイン画の募集に参加してくれた全国の高校生に支えられてきた。今月下旬にオンラインでファッション甲子園を開催するが、コロナがいち早く収束し、また全国の高校生の作品をリアルイベントで見られることを願っている」と話した。
写真左から)横澤琴葉、熊切秀典、ファッション甲子園実行委員会委員 弘前市商工部長秋元哲
Image by: FASHIONSNAP
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