坂口健太郎
IMAGE by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
坂口健太郎が「プラダ(PRADA)」の本拠地へ—— 真冬を迎えたイタリア・ミラノで、2023年秋冬メンズコレクションを発表するファッションウィークが開催。俳優の坂口健太郎さんが、プラダのアンバサダーに就任してから初めて現地でショーを体験しました。プラダ本社で開催されたランウェイをはじめ、歴史とデザインの街ミラノで過ごした3日間をドキュメントします。
ミラノ滞在記: DAY 1
カメラを手にドゥオーモ広場へ
ミラノを訪れた人が必ず立ち寄るのがここ、ドゥオーモ広場。街の中心に位置し、荘厳な大聖堂を見上げれば、その存在感と繊細な装飾美に圧倒されます。
広場の中心でカメラを構える坂口さん。「実はカメラはまだ詳しくなくて」と話しながら、心が惹かれるまま自由にシャッターを切っていました。
Video by Kentaro Sakaguchi
初日のランチは、約200年の歴史がある老舗カフェ「マルケージ」のガレリア店へ。プラダグループとのつながりがあり、プラダ本店の2階に位置しています。坂口さんは、クラブハウスサンドのハムの美味しさに感動したそう。
招待状がヒントに?
ホテルの部屋には、翌日にショーを控えたプラダからの招待状が届いていました。箱の中身は、ふかふかのクッションと、肌触りの良いコットンのクッションカバー。これらが何かのヒントになるのでしょうか? 明日への期待が高まります。
ミラノ滞在記: DAY 2
プラダをまとってショー会場へ
1月15日。プラダのショーに出席するため、ホテルの部屋で身支度を整えます。坂口さんのこの日の装いは、スーパーファインウールのタートルネックセーターとスリムフィットのパンツ。そしてアイボリーカラーのドリズラージャケットをオーバーサイズで羽織って。シンプルながら絶妙なサイズバランスで、動いた時のシルエットが印象的なスタイルです。
ショー会場は、プラダの本拠地である「Fondazione Prada(プラダ財団)」。周辺には豪華な来場セレブリティらを一目見ようと、多くの観衆が集まっていました。ゲストが通るたびに、大きな歓声が上がります。
敷地内にある倉庫の一角がランウェイに。コンクリート剥き出しの壁と床、グレーのキューブ型の椅子と、無機質な空間が広がります。ランダムに照らされたスポットライトと低く迫った天井が、少しミステリアスな雰囲気。
各国のセレブリティと交流
続々とセレブリティやゲストらが到着し、フォトコールがスタート。会場内のあちらこちらでカメラのフラッシュが光り、華やかな雰囲気です。
坂口さんは、タイ人俳優ウィン(メータウィン・オーパッイアムカジョーン)さんとともに、プラダのアンバサダー同士のツーショットを撮影。韓国のアイドルグループ ENHYPENのメンバーらと交流し、メンバーの中で唯一の日本人で隣の席になったNI-KIさんとツーショットを撮影するなど、アジアのセレブリティらと親交を深めました。
ウィンとのツーショット
ミニマルでユニークな新作メンズコレクション
ショーのスタートと同時に、天井が少しずつ上昇。閉塞感のあった会場にシャンデリアのように輝くライトが出現し、ガラリと雰囲気を変えました。
素肌にまとうスリムフィットのスーツスタイルからスタートしたコレクションは、削ぎ落としたり誇張したりと、シルエットの変化が印象的。付け襟などのディテールや、カラーの組み合わせがモダンなスタイルに仕上げます。
コレクションタイトルは「LET’S TALK ABOUT CLOTHES(服について語ろう)」。ミウッチャ・プラダとラフ・シモンズの対話によって生み出された2023年秋冬メンズコレクションは、本質的でミニマルなデザインと、そのユニークなアレンジが際立ちました。
KENTARO'S BEST LOOK
LOOK 17「今回のショーのアイコンのようなアウター。白のビッグシルエットが素敵でした」(坂口)
Image by PRADA
フロントロウの坂口さんが気になったというホワイトのパファージャケットは、招待状として送られてきたクッションのようなボリューム感。クッションカバーのプリント地も、付け襟の素材としてコレクションルックに用いられていました。見事に伏線を回収する仕掛けです。
プラダのランウェイを初めて生で見た坂口さん。ファッションショーならではの高揚感とともに、刺激的な体験となりました。
ミラノ滞在記: DAY 3
新作コレクションを間近で
翌1月16日も、坂口さんの姿はFondazione Pradaにありました。ショーが行われた倉庫で開催されている、Re-See(リシー)と呼ばれる展示会に立ち寄ります。ランウェイに登場したばかりの新作ルックを、間近で見ることができるチャンス。
坂口さんが手に取った新作のトートバッグは、なんと水筒付き。様々なカラーやテクスチャー、実際に持った時の感覚などを確かめます。
プラダ財団のアートを見て体験
ここFondazione Pradaは、プラダの本拠地というだけではなく複合施設として開放されており、ミラノに訪れたら必ず立ち寄るべき名所のひとつ。
蒸留所をリノベーションし、レム・コールハース率いるOMAがデザインを手掛けた建築はそれぞれ異なる7棟で構成され、様々な空間と素材が混在しています。
広大なギャラリーとなっている館内は、見るだけではなく体験型の作品も多く設置。全身で現代アートに触れた坂口さんは、作品を鑑賞しながら「どんな人が作ったのだろう」と想像力をふくらませます。
歩き疲れたら、敷地内にある映画監督ウェス・アンダーソンが手掛けたカフェ「バー・ルーチェ」で一休み。まるで映画のワンシーンのような世界観に溶け込んでいきました。
夕暮れの街へ
この日の坂口さんの装いは、ラフなシルエットのカットソーとパンツに、あたたかそうなカルガンラムのファーブルゾン。「プラダ シンボル」のショルダーバッグを肩にかけ、夕暮れの街に繰り出します。
ドゥオーモから程近く、世界でも美しいアーケードと称されている「ガレリア(=ガレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレⅡ世)」へ。 色とりどりのモザイクタイルの床と、高さ55メートルの天蓋ドームを持ち、イタリアを代表する壮大な近代建築のひとつとされています。この十字型のアーケードの中央に、プラダの本店が位置しています。
ガレリアを散歩しながらスカラ座の方に足を向ければ、石畳の道にトラムが行き交うミラノならではの光景が広がります。旧式のトラムは木製の内装がレトロなムード。坂口さんは、あかりが灯り始めた街並みを車窓から眺めながら、ミラノでの滞在を振り返ります。
「ミラノの少し乾いた涼しい空気と、それぞれが自分たちの時間を大切にして楽しんでいる様子が、自分に合っている気がします。今回はプラダのファッションとアート、そしてイタリア料理も楽しみました。一番美味しかったのはチーズリゾット。トラムから見る雨上がりの街は、キラキラしていて素敵ですね」
スペシャルムービー
坂口健太郎 | KENTARO SAKAGUCHI
東京都出身の俳優。ドラマ「競争の番人」など出演作多数。2018年「64-ロクヨン- 前編/後編」で第40回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では主人公の愛息・北条泰時を演じた。行定勲監督が企画&プロデュースする映画「サイド バイ サイド 隣にいる人」は2023年4月公開予定。傷ついた人を癒やす主人公を演じる。
photo & movie: Koji Hirano
hair & make up: Rumi Hirose
composition & text: Chiemi Kominato(FASHIONSNAP)
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