【連載】「なぜ若者がファッション業界を目指さなくなったのか」VOL7:READY TO FASHION 石川義朗

READY TO FASHION代表 石川義朗 Photo by: FASHIONSNAP

 近年、日本のファッション教育機関が世界でも高い評価を受ける一方で、ファッション業界を目指す服飾系専門学生の数は年々減少し、現在約1万5,000人と教育現場としてはニッチなものになってきている。服飾系の学校ではなくサークルやプロジェクトでファッションに関わる学生は、ファッションをどう捉え、ファッション業界に何を思うのか。「なぜ若者がファッション業界を目指さなくなったのか」第7回目は「READY TO FASHION」共同設立者でマネージャーの石川義朗さん(立教大学 現代心理学部 映像身体学科在学)。

「READY TO FASHION」は、日本のファッション業界において"学生と産業を繋げる"をコンセプトに2014年に発足したプロジェクトチーム。メンバーはファッションを学ぶ学生や4年制総合大学に通う学生、一部社会人で構成されており、ファッションショーやトークセッションの開催、ウェブメディアの運営などを行っている。プロジェクトの共同設立者でマネージャーの石川さんは、立教大学5年生。現在大学を休学し「READY TO FASHION」を株式会社化して新たなサービスを始める準備を進めているという。

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ー「READY TO FASHION」を立ち上げた経緯を教えて下さい。

 2014年に、業界と学生の間にある課題を意識し、改善するため「学生と産業を繋げる」というコンセプトのもと学生を中心に立ち上げました。昨年3月にJFW(日本ファッションウィーク)の関連プロジェクトとしてファッション業界のエグゼクティブの方3人を招き、学生が疑問に思っていることを企業にぶつけるファッションディスカッションを第1弾として開催しました。定期的というよりも、学生や企業にヒアリングしながら都度プロジェクトを行っています。

ーファッションディスカッションでは、具体的にどのような疑問をぶつけたのでしょうか?

 主に就職に関する疑問です。今回のインタビューの趣旨にもあるように、ファッション業界に進もうとする若者が減っています。その理由として「低賃金」や「革新的なものが無い」といったことがあるかと考えますが、それ以外にも僕達学生が、実際に企業で働く人が何を考えているのかや、業界の内側のことを知らないということがあると思いました。例えば実際に「バイヤー」と聞いても、どんな仕事なのかイメージが湧きづらいとか。当日は「日本のファッション業界の地位、外資アパレルとの差」や、「大手ブランドと中小ブランドでのデザイナーの役割の違い」「デザイナーズブランド以外のアパレル企業が海外展開する必要性と可能性」「長期間にわたって変化していないアパレル産業のビジネススキーム」等に関する質問が学生からあがりました。

readytofashion_20161209_001.jpg学生と企業が本音をぶつけあうファッションディスカッションの様子

ー学生と企業を繋げたいと思ったきっかけはありますか?

 立ち上げ当時3年生だった僕は就活を前に、ファッション業界や広告業界などで悩んでいました。ファッション業界に進みたいという気持ちはあっても、どこか決めきれないところがあって。同じように悩んでいる学生はたくさんいるだろうなと感じたので、学生にもっと仕事や業界のことを知ってもらって、そしてファッション業界に進んでほしいと思ったことがきっかけですね。

ー「READY TO FASHION」のウェブマガジンでは若手に注目した記事も多く配信していますね。

 ファッション業界全体を何で元気にするのかを考えたとき、"人"で元気になるんだろうなと思いました。業界に進もうとしている人や業界を盛り上げている人を含めて、まずは若い人材からフィーチャーされたら良いなと思って取り上げいています。

ーこれまでに行ったプロジェクトの中で、最も手応えがあったのは?

 今年5月に開催した、若手クリエーターとファッションに興味のある学生や若者、企業の方々を呼んだ交流会「OPEN PARTY」は集客がありましたね。若手だけにフォーカスしたイベントだと興味を持ってもらうことが難しいのですが、交流から何か生まれるのではないかと思って開催しました。

ー石川さんがファッションに興味をもったきっかけは?

 もともとお洒落することには興味がありました。中学生の頃、背も低くて全然モテなかったので、ファッションを道具にちょっとでもモテようと思って(笑)。ファッションが好きで私服の高校に行ったのですが、みんなお洒落なんですよね。それで他の人との違いを出すために古着やブランドに詳しくなっていって、業界にも興味を持つようになりました。

ー服飾系の専門学校ではなく、なぜ4年制の総合大学に進学したのですか?

 高校生の頃からずっと事業を立ち上げたいと考えていたので、美大なども考えましたがクリエーティブをやりつつ経営学を学ぶため立教大学に進みました。

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