【2016年】プロが選ぶ、日本のファッション業界で影響力のある人

 多様化が進む国内ファッッションシーンにおいて、今最も影響力のある人物とは一体誰なのか?業界で働く現場のプロ達が選んだ、日本のトップランナー7名を公開。

今回のアンケートについて
デザイナーやバイヤー、プレスなど業界関係者238名に「いま日本のファッション業界で最も影響力があると思う人」と「なぜその人を選んだのか」についてアンケート調査を実施。

川久保玲(COMME des GARÇONS)

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Rei Kawakubo (Japanese, born 1942) for Comme des Garçons (Japanese, founded 1969), "Blue Witch," spring/summer 2016
画像: Courtesy of The Metropolitan Museum of Art, © Paolo Roversi

「コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)」の創始者。2017年はNYのメトロポリタン美術館コスチューム・インスティチュートが主催する特別展「Rei Kawakubo/Comme des Garçons(川久保玲 /コム デ ギャルソン)」が開催される。

なぜその人を選んだ?
・常にチャレンジを続けるクリエーティビティ・メッセージ性・世界に対する影響力・ビジネスの確かな視点など、総合的に見て、彼女を超えるクリエーターは、残念ながらまだ現れていないように思う。(編集者・記者)

・新しい時代の方向性をいつも出し続け、その存在やパワーがファッションへの共感や思い入れをつくりだしている日本のファッションの原点のような人だから。(パルコ/ミツカルストア 平松有吾)

・皆が発言の一つ一つに重みを持って受けとめるため。(Coohem 大江健)

・誰も川久保玲氏を超える仕事の仕方をしていないから。閉塞感の漂うファッションビジネスにおいて、創ること、売ること、新しい店のあり方を提示して、インディペンデントなデザイナーのビジネスを支えること。そうしたことで現状を打開しようとしているのと同時に、それをあくまでビジネスとして成立させていること。そう考えると、彼女が最も影響力を与えているように思います。(繊研新聞社編集局 小笠原拓郎)

・パリコレに日本人が多数参戦していますが、残念ながら、というか、当然ながら、というか、影響力で川久保さんに及ぶ人はいないことを改めて感じました。芸術性を強く打ち出した2017SSのウィメンズコレクション、テロ後のパリで平和の花を咲かせた2016AWのメンズコレクションなど、そのクリエーションも当然ですが、ファッション界の現在を積極的に取り込むドーバーストリートマーケットのセレクションや展開手法は、自身やコム デ ギャルソンという会社の枠を大きく超えた影響力を放っているのではないでしょうか。(朝日新聞社 後藤洋平)

藤原ヒロシ

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「フラグメントデザイン(fragment design)」や「ザ・パーキング 銀座」を手掛けるほか、京都精華大学ポピュラーカルチャー学部の客員教授も務めるなど、多彩な顔を持つ藤原ヒロシ氏。今年は「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」とのコラボレーションでも話題を集めた。

なぜその人を選んだ?
・昨今の90年代ブームの代表格として、また10年先をファッションとカルチャー、ミュージックの視点から編集する審美眼は、男性女性問わず、また国内だけではなく世界中に影響を与えていると思います。((株)ルドーム/EDIFICE MD/BUYER 大瀧北斗)

・カルチャー全般に造詣が深く、時代をリードする取り組みが業界で常に話題になっているため。(株式会社 高島屋 橋祐介)

・カリスマだから(その他)

・国内外というボーダーラインを飛び越えている、ラグジュアリーブランドとのコラボに気負いがない、そして圧倒的なレスポンス(実売)に繋げている。(編集者・記者)

・業界外の視点で常に新しいアイデアを実行しているから。(株式会社ジュン 代表取締役社長 佐々木進)

柳井正(ファーストリテイリング)

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「ユニクロ」を中心とした企業グループ持株会社であるファーストリテイリング代表取締役会長兼社長。世界長者番付「The World's Billionaires」の常連で、今年ユニクロはクリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)が手がける「ユニクロ ユー(Uniqlo U)」を立ち上げた。

なぜその人を選んだ?
・「影響力」という言葉に絞って考えると、ほかに浮かびません。業者を越えてスケールしているため。(編集者・記者)

・ユニクロが日本人の日常の服選びの基準を大きく変え続けていると思うので。(koso)

・良くも悪くも暮らしを支える大きな役割を担っていると思います。洋服のデザイン活動においても一つの線引きを与えているように思います。(デザイナー)

・単にファストファッションの筆頭という事でユニクロが牽引しているだけではなく、若者へのスタンダードの洋服として成り立ち、またCMやプロモーションに関しても世界的にも注目されている事を考えると日本の主軸を担う事として影響力があるかと思います。(その他)

・日本のファッション・シーンを変えた。GMSが衰えた理由のひとつはユニクロの台頭。(その他)

阿部千登勢(sacai)

mainichi-11-05-20151105_019-thumb-660x440-479867.jpg日本を代表するファッションブランドにまで成長した「サカイ(sacai)」。パリコレでのコレクション発表に加え、「NikeLab」とのカプセルコレクションを発表するなど精力的に活動しており、今年はブランド初となるバッグコレクションを発表。

なぜその人を選んだ?
・女性が着たいと思う服を最も体現してくれているブランド。フェミニンでもあり、最も今を表現している絶妙なバランス。(経営者)

・クリエーションとビジネス、両輪のバランスがとれている上に、グローバルな評価も高く、確実に、新世代デザイナーにとって、ロールモデル的存在となっている。(経営者)

・ブランドの目標になってるから。(プレス・PR)

・彼女のブランドがどんどんグローバル化していて、本当の意味で世界が注目していると思います。パリでコレクションを発表し、ヨーロッパ人にも認められているユニークなハイブリッドデザインでありつつ、自分のマーケットがアジアにあるということをしっかりと認識している印象でした。(経営者)

・これからの女性の生き方をブランドを通して発信している。(プレス・PR)

落合宏理(FACETASM)

facetasm-interview-20131028_021.jpg勢いづく「ファセッタズム(FACETASM)」デザイナーの落合宏理氏は、「第3回 LVMH Young Fashion Designers Prize(LVMHプライズ)」のファイナリストに日本人で初めて選出されたほか、2016年度「毎日ファッション大賞」の大賞を受賞した。

なぜその人を選んだ?
・LVMHでもファイナリストに、毎日ファッション大賞受賞と、国内のみならず世界からも注目される。また、今の東京のファッションを体現するブランドさんだと思います。(編集者・記者)

・2016年LVMHアワードのファイナリストにノミネートされた時、そんな中でも自分らしさを失わず、プレゼンスを認めさせた落合さんは、間違いなく日本のファッション業界の一番星。世界に初めて進出、旋風を巻き起こしたコム・デ・ギャルソン、ヨージ・ヤマモト、世界の壁を乗り越えたsacaiに続き、グローバルスタンスが標準、日本人デザイナーではなく、世界の注目デザイナーの1人というポジションは、日本にとって初めてでは無いでしょうか。すっかり次の世代になったことを痛感しました。(プレス・PR)

・最も旬で影響力のあるコレクションを発表するデザイナーだから。(その他)

ローラ

diesel_20160900_016-thumb-660x440-585092.jpgInstagramのフォロワーが390万を超えるローラさん。その影響力からタレント、モデルと活躍の場は多岐にわたり、今年は「ディーゼル(DIESEL)」の日本上陸30周年を記念したファッションショーにもモデルとしてフィナーレを飾った。

なぜその人を選んだ?
・ファッショ二スタ層、マス層ともにファンがいて、知名度が高く、またインターナショナルな活動もはじめていて、ポジショニングを確立できているため。(プレス・PR)

・情報の波及力だけでなく「モノも売れる」リアルにビジネスにも直結する。(DiFa 水谷博明)

・以前からおしゃれなインスタ投稿がニュースにまでなってそのおしゃれ人気は高かったと思いますが、最近は話題のハリウッド映画にも出たりとますます活躍されているなと思います。ローラさんがTVやCMで着けた弊社取り扱いジュエリーは問い合わせがすごいので、その注目度も肌で実感しています。(showroom SESSION 鈴木朋子)

・テレビをはじめとしたマスメディアにも多く出演し、知名度は若手では右に出るものがいないほどにも関わらず、自身のパーソナリティをしっかりと持ちセルフプロデュースを行っている。そして、ハイファッションからストリートに及ぶまで、ファッションブランドアイテムを着こなし、SNSでもしっかりアピール。自分のレベルを落とさずに、マスにまでしっかり影響力を与える点で素晴らしいと思う。ファッションだけではなく、料理や音楽などカルチャーにまで及んでいるところもまた魅力。(株式会社ピーチ・ジョン 東ひかる)

三宅一生(MIYAKE ISSEY)

aisseymiyake-03-15-16R-20160315_001-thumb-660x440-527281.jpg今年、約45年間の仕事を紹介する展覧会「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」を開催して話題を集めた三宅一生氏。会場ではジャンプスーツ「タトゥ」にはじまり、2016年製作のインスタレーション「Makig Things」まで、百数十点のウェアをはじめ映像作品やオブジェなどが展示された。

なぜその人を選んだ?
・企画、生産、流通の各段階で、産地をはじめとする日本のモノづくりに焦点が当たっている昨今、70年代から一貫して国内のモノづくりの現場を掘り起こし、共に成長してきた彼の業績は評価されてしかるべき。昨春の国立新美術館の個展が盛況だったこともその必要性を裏付けています。(その他)

・今世界に日本のファッションが進出できているのは彼の功績が大きいと思うので。(その他)

・ファッション業界人だけでなく、一般への浸透力が他のブランドには見られない気がする。ここまで老若男女から実際に着られていて広がりを持つブランドは希だと思うから。(編集者・記者)