「能オペラ」がパリへ、山縣良和デザインの衣装は往年のアイドルがモチーフに

デザイナー山縣良和と能アーティスト青木涼子
デザイナー山縣良和と能アーティスト青木涼子
画像: Junichi Takahashi

 「能」「現代音楽」「ファッション」がコラボレーションする「能オペラ Nopera AOI 葵上」が、来春パリの日本文化会館で公演される。作曲家の馬場法子が制作し、能アーティストの青木涼子が主演。12月14日に開催された白寿ホールの「アート×アート×アート」では演目一部を抜粋する形で初披露し、「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」を手がけるファッションデザイナー山縣良和が担当した衣装が公開となった。

 日本の伝統と最先端クリエーションが出会う「能オペラ Nopera AOI 葵上」について馬場法子は、能の繊細な所作とそれに伴う音に焦点を当てながら、視覚と聴覚が交差する音楽を制作したという。チューブや糸電話など、様々なものを楽器として使用し、言葉を使って謡う代わりに音で表現する全く新しい試みとなった。

 山縣良和が手がけた衣装は、能の「葵上」で着用する鱗文と油焔型の模様が織られたニットと、その上に羽織る表着は葵上の病床と六条御息所と光源氏の情事を象徴する布団が用いられた。その表と裏に刺繍されているのは中森明菜などに似たアイドル達で、それぞれ9つの顔の脇にはデコレーションされた携帯電話(=デコ電)が付けられている。演目には使用されない能面を服に投影させ、また「葵上」で象徴的な六条御息所の"怨念"を"往年のアイドル"に重ねたという。携帯電話は小道具として、発信音は曲の一部としても効果的に用いられた。全幕初演は、パリの日本文化会館で2016年4月22日~23日に予定されている。