上陸21年で撤退した「アメリカンアパレル」米国外の全事業休止へ

画像: FASHIONSNAP

 米ロサンゼルス発「アメリカンアパレル(American Apparel)」が12月18日21時をもって渋谷店を閉店し、日本市場から撤退した。一時は国内の店舗が売上高世界一を記録し根強いファンを抱えていたブランドが、なぜ上陸21年目にして撤退となったのか。

 アメリカンアパレルが上陸したのは1995年。原色を中心とした豊富なカラー展開とボディラインを強調するようなシルエット、そしてテリー・リチャードソンによる過激な広告でも話題を集めた。シティバッグやビーニー、テニススカートなど複数のヒット商品を生み出し、2012年12月期には売上高を6,350万ドルに伸ばして過去最高を記録。特に日本市場での人気が高く、渋谷のレディース館は世界で最も売れる店にまで成長した。世界的に業績が下降傾向にある中でも、日本国内の売り上げは他国と比較して良い方だったという。それでも撤退が決定したのは、米本社が抱える問題が影響している。

 アメリカンアパレルは、創始者でCEOを務めていたダブ・チャーニー(Dov Charney)を2014年に解雇。新CEOに就任したポーラ・シュナイダー(Paula Schneider)が率いる新体制のもと商品の入れ替えを実施した。10代後半から20代前半をターゲット層に据えていたが、新体制の導入後はより幅広い世代にリーチするため、トレンドを意識したデザインやシックな色合いのアイテムを強化。チョーカー付きトップスなど新たなヒット商品はあったものの、2012年頃のピーク時ほどの盛り上がりは見せず、2015年頃から徐々に低迷していた。今年11月には2度目となる破産を申請し、カナダの衣料品メーカー「ギルダンアクティブウェア(Gildan Activewear)」が買収に名乗りをあげている。買収は2017年第1四半期中には完了する見込みだ。

 米本社の運営体制が変わると同時に、米国外における事業は全て休止することになった。中国国内の店舗は12月末までに全て閉鎖する予定で、韓国からも年内に撤退する見通し。欧州とオーストラリアの店舗でも仕入れは既に終了しており、在庫が無くなり次第随時閉店となる。日本においては、アメ村店と渋谷店で閉店一週間前に"最後のパーティー"を開催。閉店を惜しむファンが多く詰めかけ、アメ村店ではパーティー当日に同店過去最高の売上を記録した。今後について、ギルダンアクティブウェアの日本法人で「アンヴィル(anvil)」や「ギルダン(GILDAN)」といったブランドを国内で展開しているギルダンブランズジャパンは、買収が完了した場合にアメリカンアパレルを日本で展開するか現時点では「わからない」(広報担当者)と答えている。しかし、海外展開の販路やノウハウを持つメーカーが親会社になれば、ブランドの立て直しによって再上陸の可能性もあるかもしれない。