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プロダクトアウトとマーケットイン、重要なのは両者のバランス

 会うと、こちらまで元気になる取材相手がいる。最近では、あるニットデザイナーとテキスタイルメーカーの社長▼有力セレクトショップなどが主販路のデザイナーは休止していた欧州販売を再開する。「円高だし、欧州経済は厳しいし、大丈夫?」と聞くと、「そんなことじゃないんですよね。以前の顧客から、もう買えないの?商品見たいんだけどって言われてうれしかった」。ニーズがあると踏んだ▼「格好良くて機能的なゴルフウェアはありそうでない」と今秋冬はスポーツラインを立ち上げた。こだわりを喜々として説明してくれる。「楽しそうですね」と言うと「そりゃそうですよ。自分が着たい服を作るためにデザイナーになったんです。どんな服が売れるかはわからないけれど欲しい服ならいくらでも作れます」▼テキスタイルメーカー社長は「面白い素材を作らないと、やっている意味がない。無難なものなんて誰も興味ないでしょ」と新素材を次々と開発する▼欲しい商品、面白い物作りに集中する2人をみると、売れる商品作りの難しさを感じる。売れる、売れないは自分でコントロールできないからだ。プロダクトアウト型は駄目だと言われて久しいが、果たしてそうか。プロダクトアウトとマーケットイン型、重要なのは両者のバランス。ちなみに、両社の業績は堅調だ。 (2016/09/22)