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「コト」消費の一歩先とは?

「コト」消費への移行がますます進んでいる。日本ショッピングセンター協会が調査したテナントの業種別構成比の変化を見ると、顕著だ。16年に開業したSCの全テナント数に占める物販店の比率は56・2%で、15年の66%に比べて大きく減った。一方、飲食店は22・6%(15年は16・7%)、サービス業が21・2%(同17・3%)に上昇した▼衣料品を中心にモノがなかなか売れず、新しい「買い場」としてECが浸透する中で、カフェを含めた飲食店の充実のほか、アミューズメント施設などの導入によって買い物以外の〝時間消費〟機能を強化するSCが増えている。同調査にはイベントを行う共用部は含まれず、物販店の中には食物販も入るから、衣料品・雑貨を主体とした物販店の比率は実際はもっと低い▼物販店でもカフェを併設したり、イベントスペースを設けるなど時間消費機能を強めるテナントがファッションを含めて増えている。SCでは飲食、食物販とコスメ・生活雑貨、ファッションを同じフロアに配置し、成果を上げている施設もある。SC、テナントともにコト消費対応は今後もさらに進むだろう▼問題はコト提案をいかにモノ消費に結び付けるかだ。パルコの牧山浩三社長は「コトを売ることは誰もが考える。これからはコトを通じてモノが動くという〝一歩先〟に進まなければならない」と強調する。17年は業界全体がその知恵を絞り、実行する年だ。 (2016/12/28)