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縫製工場や振り屋、仕事のスタンスはどうあるべきか?

 ある縫製工場に振り屋が来た。「うちを使ってください」という営業だ。工場オーナーは取引をする前に「あなたの仕事に対するスタンスは?」と問うてみた。

 すると「私はどんな仕事でもノーと言いません。絶対受けます。それが私の仕事に対する姿勢です」と振り屋は元気良く答えた。オーナーは「帰ってくれ」と即刻追い返したという。取材で聞いた話だが、縫製工場関係者なら「よくぞ言ってくれた」とほくそ笑むかも知れない。

 振り屋が仕事を断らない。つまり、発注元のアパレルメーカー、商社、小売店の仕事を、採算や納期を度外視して何でもかんでも受けるということだ。その仕事は振り屋から縫製工場に渡る。「こんな低単価、短納期の仕事受けられない」「縫製業界をつぶす気か」。のどまで出かかった言葉を飲み込んでミシンを踏む。国内はそんな工場ばかりだ。

 「振り屋が〝堰〟になって欲しい」と先のオーナー。振り屋は共存共栄の精神を、工場は不採算の仕事を断れるぐらいの強みをそれぞれもって欲しい。(森) (2017/01/06)