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ウォルマート通期売上高が過去最高、サブスクでEC好調

ウォルマート通期売上高が過去最高、サブスクでEC好調

在米28年のアメリカン流通コンサルタント
激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

■チェーンストア最大手ウォルマートが20日に発表した2025年1月期決算で通期の売上高が過去最高を記録した。

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顧客化する富裕層がサブスクリプション「ウォルマート・プラス(Walmart+)」に加入しEC事業を押し上げ、さらにマーケットプレイスも成長を後押しした。

第4四半期(11月~1月期)の会員費等を含む総売上高は前年同期比4.1%増となる1,805.5億ドルとなった。

純利益は前年同期の54.5億ドルから4.4%減少し52.5億ドルと減益となった。

グローバルのEコマース販売はカーブサイド・ピックアップに宅配のネットスーパーにマーケットプレイスの成長が牽引し前年比で16%の増加だった。

 売上全体の7割近くを占める国内のスーパーセンターやディスカウントストアなどウォルマートUSの売上高は年収10万ドル以上の高所得者層を集客し顧客化していることで1,235億ドルと5.9%の前年同期比5.9%の増加となった。

ウォルマートUSの既存店・売上高前年同期比(ガソリン販売は除外)は4.6%の増加となった。これにより2014年8月~10月期から42四半期連続で前年を上回っている。

前年同期は4.3%の増加だった。内訳は客数を示すトランザクション(処理件数)が富裕層客が増え2.8%の増加し、客単価は1.8%の増加となっている。

ネットスーパーを含めEコマース売上高は、前年同期から20%の増加となった。EC売上高は前年同期で20%の増加となり、11四半期連続して二桁成長となっている。

ウォルマート・マーケットプレイスの出品企業が50%も拡大していることで広告代理店事業「ウォルマート・コネクト(Walmart Connect)」売上も前年同期比で24%増加した。

 メンバーシップ・ホールセール・クラブのサムズクラブでは売上高(ガソリン販売は除く)が208億ドルとなり前年同期比1.4%の増加となった。

既存店ベース(ガソリン販売は除外)は6.8%の増加となっている。既存店の内訳は客数が5.4%の増加で客単価は1.3%の増加だ。

サムズクラブのEC売上高は宅配サービスが牽引していることで前年同期比で24%の増加となった。

ネット販売にスマホレジであるスキャン&ゴー(Scan & Go)など、会員のデジタル普及率が過去最高となった。

 2025年1月期通期の総売上高(会員費含む)は前年比5.1%増となる6,810.0億ドル(約102兆円)となった。純利益は同25.3%の大幅増加となる194.4億ドルだった。

国内広告代理店事業部「ウォルマート・コネクト(Walmart Connect)」を含むグローバル広告事業の年間売上は前年比で27%増となり、44億ドル(6,600億円)のビジネスに成長している。

ウォルマート第4四半期(11月~1月期)

総売上・前年同期比:4.1%増

既存店・売上高前年同期比: 4.6%増(ウォルマートUS)

ウォルマート店舗数(2025年1月31日)

 アメリカ国内店舗数:5,205店

 スーパーセンター:3,559店

 ネイバーフッドマーケット:671店

 ディスカウントストア:355店

 小型店:20店

 サムズクラブ:600店

 海外店:5,566店

 総店舗数:10,771店

トップ画像:昨年のブラックフライデー。ウォルマートの通期売上高は過去最高の100兆円強となっている。

ネットスーパーを含めEコマース売上高は、前年同期から20%の増加となった。EC売上高は前年同期で20%の増加となり、11四半期連続して二桁成長となっている。なお2022年Q1(正確には2023年度第1四半期)は1%の微増だが、前年同期は37%増、その前は74%増とコロナ禍の反動だ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ウォルマートの売り場を視察して最も顕著な変化はピッカーです。ネットスーパー注文で注文品をピッキングするスタッフ、ピッカーが売り場で目立ちます。場所によっては売り場の通路ごとに作業しているのではないかというぐらい多いです。それもそのはず、ウォルマートのネットスーパーは直近決算で前年同期比20%の増加となり、11四半期連続して二桁成長となっています。100兆円企業のビジネスで20%の成長が11四半期続いているというのは、まさに熱狂状態です。今回の決算発表で、ちょっと気になったのはウォルマートのビジネスの定義。「人主導でテクノロジー駆動のオムニチャネル・リテーラー」(people-led, technology-powered omni-channel retailer)」は同じ。ただこの文章の最後が直近で「お客様のモバイル・デバイスを通じて(through their mobile devices)」と挿入されています。つまりスマートフォンでの買い物を提供していると強調しているのです。これが年次報告書にあるビジネス定義にまで反映されるのかがポイントです。

 "スマホなくしてウォルマートなし"というぐらい、ウォルマートはアプリに注力しているということです。何度も強調するようにウォルマート・アプリはウォルマートの武器になっているのですよ。

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