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スマホアプリでの買い物体験が必須に? 米大手小売チェーンを視察

■"米国で行う流通視察ではスマートフォンを使わない研修に絶対、参加してはいけない"。

■"米国で行う流通視察ではスマートフォンを使わない研修に絶対、参加してはいけない"。

スマホアプリでの買い物体験が必須に? 米大手小売チェーンを視察

■"米国で行う流通視察ではスマートフォンを使わない研修に絶対、参加してはいけない"。

在米28年のアメリカン流通コンサルタント
激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

日本でもスマートフォン所有率が97%になり、約2割の人が複数台を所有している。職場や学校、移動中の車から電車まで毎日、必ずスマートフォンを使っている人を目にする。

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毎日3~4時間使うだけでなく、目が覚めてから就寝の直前までずーと使い続けている人も珍しくない。

スマートフォンが現代のライフスタイルに浸透していることなどわざわざ強調する必要もないほど必需品になっている。

このスマートフォンに米国の大手小売チェーンが自分たちの売り場を置きたいと思うのは当然だ。

売り場という"縛り"から開放し、いつでもどこでもシームレスに買い物をしてもらうことで顧客の囲い込みを図っている。

チェーンストア最大手のウォルマートでは「アダプティブ・リテール(Adaptive Retail)」を戦略にして顧客の生涯価値の最大化を狙っている。

アダプティブとは適応という意味であり、環境に適応して進化するように多様化する顧客のライフスタイルなどに順応している。

単身世帯や共働き世帯、子育て世帯やシニア世帯など買い物の仕方は個々のライフステージによって大きく異なる。

個々人の信条や価値観によっても買い物の方法は異なる場合もあるのだ。

つまり買い物の仕方のパーソナライゼーションが必要になっており、ウォルマートは多様化する顧客のニーズやウォンツに適応できる小売りを構築しているのだ。

パーソナライゼーションの中心にあるのがスマートフォンであり、ストアアプリが多様化する買い物に適応するツールになる。

ストアアプリをドライバーシートに喩えれば、クルマのシートは運転手の背丈に合わせて、前後にスライドさせでき、高さを上下し、背もたれの角度も自由に変えられる。

快適に運転できるようシートがヒーターになったりクーラーにもなる。最先端は道路の状況に応じて運転者をシートの空気圧でサポートまでする。

ウォルマートは店舗販売からカーブサイド・ピックアップや宅配サービスのネットスーパーだけでなく、留守宅の冷蔵庫への直配にドローンを使ったクイックコマース等、様々な手段を駆使し顧客にシームレスに適応しようとしているのだ。

買い物のパーソナライゼーションの中心になるのがストアアプリとなる。

"ポケットに入る売り場""手のひらにのる売り場"を使いやすくするためウォルマートは1ヶ月間で最大10回もバージョンアップするほどだ。

既存店ベースを10年連続して伸長した、名経営者のダグ・マクミランCEOも「お客様には常に店内でアプリを開いてもらいたい(We would like to have the customers open our app in the store all the time)」と強調したほどだ。

ウォルマート・アプリはネットスーパーに最適化しているだけでなく、AR試着やテレビ・家具のAR配置シミュレーション、キャッシュレス決済のウォルマート・ペイに返品しない返金、さらに生成AIを応用した検索やサジェスチョンなど買い物に便利な機能が満載となる。

傘下のサムズクラブでは3人に一人の割合でスキャン&ゴーで買い物をしていることで、このアプリ機能に広告までつけようとしている。

 ウォルマートでは直近の四半期決算でネットスーパーを含め国内のEC売上高が前年同期比で21%の増加となった。

EC売上高は12四半期連続して二桁成長しながら、初の黒字化を達成したのだ。

 日本の流通より10~20年先を行くアメリカではスマートフォンを使ったネットスーパー買い物実習が必須となる。

スマートフォンを使わない、使えない研修は絶対に参加してはいけない。スマートフォンを身体の一部のように使う若い社員なら「今どきスマホを使わない米国流通視察はありえない」とクレームが上がるはずだ。

万が一、実習でスマートフォンを使わない米国研修があるのなら"騙されている"と思ったほうがいい。

売り場で必ずピッカーを目にするのに、ネットスーパーを体験しないのは視察としてはムダだ。

商品構成グラフの作成や料理対決、筆記テスト、繰り返される店長インタビューは研修をミスリードしている兆候なのだ。アダプティブ・リテールをごまかされている。

 "米国で行う流通視察ではスマートフォンを使わない研修に絶対、参加してはいけない"

トップ画像:ピッカーを見ない売り場はないほどウォルマートのネットスーパーは熱狂している。しかも黒字化を達成した。米国流通視察ではスマートフォン・アプリをつかった実習が必須だ。反論は認めない。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。哲学者ルソーの言葉に「わたしたちは無知によって道に迷うことはない。自分が知っていると信じることによって迷うのだ」があります。私を含めて人間は根本的に変化を嫌います。特に年齢が上がれば上がるほど新しいことに対しては抵抗してます。そして人には認知バイアスがあります。さらに油断があります。人は「明日も同じような日が続く」と認知に歪みをもって思い込みながら油断してしまうのです。認知バイアスに「正常性バイアス」があります。予期せぬ事態に直面した際に現実を過小評価したり、楽観視したりして「自分だけは大丈夫」と思い込んでしまう油断です。油断により、危機的な状況を事前に察知し回避できた、という日常に起こる「ヒヤリ・ハット」に気づきにくくなります。微小だからこそ変化に気付けないことでもあります。それが大きな事故・事件・ネガティブな大イベントに結びつきます。いわゆるハインリッヒの法則です。自分の思考や行動を疑うということは非常に難しい知的行為だなと最近つくづく思います。
 どこかで「自分は大丈夫」ということを思いこんでいます。言うほど変化は容易くないを実感しますね。

最終更新日:

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■"米国で行う流通視察ではスマートフォンを使わない研修に絶対、参加してはいけない"。

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