「グッチ（GUCCI）」や「サンローラン（SAINT LAURENT）」「バレンシアガ（BALENCIAGA）」「ボッテガ・ヴェネタ（BOTTEGA VENETA）」などを擁するケリング（Kering）の新たなCEOに、フランスの自動車メーカー ルノー（Renault）のルカ・デメオ（Luca de Meo）氏が着任すると、現地メディアのフィガロ紙が報じた。

　デメオ氏は約30年にわたり自動車業界でキャリアを積んできた。ルノーではカルロス・ゴーン（Carlos Ghosn）元CEOの後任として5年間にわたりトップを務め、経営体制の立て直しを図った。ルノーは現地時間6月15日、同氏が「自動車業界以外の新たな挑戦に取り組む」としてCEOを7月15日付で退任すると正式に発表。また、先週にはケリングが会長職とCEO職を分離し、現会長兼CEOのフランソワ＝アンリ・ピノー（François-Henri Pinault）氏がCEO職から離れると海外メディアが報道しており、デメオ氏の“ケリング行き”は濃厚という見方が強い。

　ケリングの2024年の通期業績（2024年1月〜12月）は、売上高が前年比12％減の171億9400万ユーロ（約2兆7314億円）、純利益は同62％減の11億3300万ユーロ（約1799億円）だった。業績低迷を受け、株価も下落している状況だ。グループの中でも特に売り上げを落としているグッチでは、今年3月に新アーティスティックディレクターに就任したデムナ（Demna）による新体制でブランドの立て直しを急いでいる。

　フランソワ＝アンリ・ピノー氏は、ケリングの前身で父フランソワ・ピノー氏が創業したピノー・グループに1987年に入社。2005年にケリングの会長兼CEOに着任した。海外メディアの報道によると同氏は会長職に留任する予定だという。

※1ユーロ＝158円（通期決算の発表があった2025年2月時点）

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