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チェーンストア先進国・アメリカにおける流通研修 PDCAを回しカリキュラムを変革

在米28年のアメリカン流通コンサルタント
激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

■流通コンサルタントの筆者はピアノやギターを演奏した動画をYouTubeにアップしている。ギターは10歳から弾き始め、ピアノは全くの初心者で30歳から始めた。

楽器演奏の習得には絶え間ない練習が欠かせないが、とくに重要なのは練習にPDCAサイクルを取り入れることだ。

目標設定(Plan)を行い、計画に基づいて練習を実行(Do)し、結果を評価(Check)しながら、改善点を見つけては次の練習に活かす(Action)という流れを永遠に繰り返す。

言い換えれば楽器が上達できないのはPDCAを効率的かつストイックに回せていないからだ。

よくギター初心者の中年男性が経済的に余裕があるからと比較的高級なギターを購入するものの結局、練習をしなくなってギターが飾り物になってしまう。

これはシステマチックにPDCAを回して練習していないのが原因だ。

演奏のPDCAのPlanは1日の練習時間や場所を決める。IF-THEN設定では例えば夕食後に必ず1時間練習すると意思決定するのだ。

Doでは練習する曲やパートを具体的に決め、苦手なフレーズや技術的な問題を明確にする。集中して難しいフレーズの練習に取り組むのだ。

そしてここから重要になるのだが、振り返りとなるCheckでは練習後もしくは1週間ごとに上達の進捗状況を自己評価する。演奏を録音して客観的に聴いてみるのも良い手だろう。

そしてActionでは評価に基づいて、練習内容や計画を改善していく。

評価項目となるチェックではあらかじめ設定しておいたKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)で各段階の進捗状況を数値に落とし込んで、アクションの改善に生かしていく。

例えば「該当フレーズをゆっくりでいいから確実に弾けるようにする」という具合だ。

弾けるようになれば「オンテンポでBPM(Beats Per Minute)の"60"から練習する」のだ。

筆者は気が遠くなるほど評価と改善を細かく反復していた。

PDCAをストイックに高速回転させていたからこそショパンやリスト、さらに世界的に有名なジャズピアニスト、小曽根真さんの難易度の高い曲を弾けるようになったのだ。

 筆者のPDCAは自分の習慣化やライフスタイルだけでなくコンサルティングにも使われている。

コンサルティングをワークショップ・スタイルに変革し、実践&体験型に昇華しているのが証だ。

例えば初日の研修ではどうしても緊張気味となる。海外研修のセミナーとなれば、参加者はガチガチに構えてしまい、心や身体をこわばらせてしまう。

そこでぎこちない雰囲気を和ませるためのアイスブレイクとしてウォルマートの研修トレーニング・アプリ「スパークシティ(Spark City)」をやってもらっている。

過度な緊張は思考の妨げとなるため、ウォルマート研修センターでも使用されているリアルなシミュレーターを試してもらうのだ。

スパークシティはウォルマート・スーパーセンター内でのバックルームや売り場で在庫管理や接客、商品補充等をしながら、売り場で起こる緊急事態に対処し、ポイントを得るというもの。

ウォルマートの部門マネージャーが毎日行っている業務をゲーム感覚で学べるようになっている。

参加者からは「よくできていて面白い」「ゲーム感覚で仕事を覚えられる」「いつまでもやっていられる」とアイスブレイク以上に場が盛り上がることになる。

これまで様々なCA(チェック&アクション)で仮説検証してたどり着いた研修前の最適解となっている。

 その次に再びクライアントにタブレットを渡してネットスーパーの買い物をしてもらう。

ウォルマートのネットスーパーといってもウォルマート・アプリを起動する前、「ショッパブル・レシピ(Shoppable Recipe)」機能から学んでいく実習だ。

ショッパブル・レシピとは動画レシピサイトの「テイスティ(Tasty)」にある食材を簡単に注文できる機能だ。

テイスティ・アプリで気に入ったレシピでは、必要な食材をウォルマートのショッピングカートにワンタップで入るようになっている。

シームレスでフリクションレスな機能に参加者誰もが感動する。

この演習につづいてウォルマートの個人最適化されたバーチャル売り場である「マイアイテム(My Items)」で注文品をカートに乗せていく。

このワークショップも研修PDCAで得たカリキュラムなのだ。自分でアプリを操作しながらネットスーパー体験するので、粒度の高い「フリクションレス(やりにくさのなさ)」を肌感覚で理解できるのだ。

 つまり当社の実践!流通DXワークショップ研修は、30年以上もPDCAを回してきたことで米国流通業と同様に変化し続けている。

筆者がコンサルティングに時間をかけてPDCAを数えきれないほど回したことで他社がまねのできないレベルにもなっている。

他のコンサルタントが筆者のフォローさえできないのは他社に丸投げしているのが原因だ。

つまりギターの練習で喩えれば、自分でPDCAを回さず練習後のチェック&アクションもやらないことを意味する。

振り返りがなく改善がないから、DXが進むアメリカ小売業で店を見て回るだけになってしまうのだ。

 チェーンストア先進国のアメリカで研修する場合、かならずPDCAを回してカリキュラムも変革していかなければならないということだ。

トップ画像:小曽根真さんの「フライト」を弾く筆者。1万時間以上にPDCAを何度も回転させて技術を上達させたのだ。PDCAは当社のコンサルティングにも"無意識に"応用されている。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ビジネス書のベストセラーに累計で20万部以上売れた「鬼速PDCA」があります。今年3月には同じ著者によって「超鬼速PDCA」が発売されています。どちらも読んだ感想は「PDCAを高速で回転させて、成果を出す凄い人が世の中にはいる!」「素晴らしい」というものでした。で、ハッと気づいたんですよ。自分は無意識のうちにPDCAを習慣化しビルトインしていると。「30の手習い」で始めたピアノ演奏がまさにPDCAです。規則正しく辛抱強くPDCAを常に回して練習しない限り、小曽根さんの曲なんか絶対に弾けません。どれぐらい回すかというと、文字通りヘロヘロになるほどです。3~4時間も集中して練習すれば、横になること以外はできなくなります。で、寝入りもよくて朝まで爆睡できます。言い換えればそれぐらい脳を使うということ。で、PDCAは自分のコンサルティングに無意識で応用し回っていたのです。で、他者が追い付けないほどの研修の内容になっているのです。米国在住なのでデーモンスピードPDCA(笑)!

 流通研修なのにロボタクシーに乗車するカリキュラムがあるほどですから"鬼"視察と言っていいかもしれません...

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