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AI時代の経営戦略 現場で起こっている3つの大きな変化

AI時代の経営戦略 現場で起こっている3つの大きな変化

サンフランシスコ発デザイン会社の公式ブログ
btrax

サンフランシスコを拠点に、僕たちは長年「デザイン×ビジネス×テクノロジー」の交差点を歩いてきた。

いま、その交差点にAIという巨大な車線が増えた。それに合わせ、経営は大幅なアップデートが必要になってきている。

そう、これまで日本でも重要とされてきた、デザイン思考、そしてデザイン経営の文脈を引き継ぎつつ、プロダクトとブランドの捉え方を大幅に再設計するタイミングなのである。

デザイン経営の土台を“いま”に合わせて捉え直す必然性

日本ではデザイン思考→デザイン経営の流れで、「ユーザー価値の高いプロダクトづくり」と「一貫したブランド構築」が2本柱として語られてきた。

これは今も正しいが、AI時代ではもう一段階深いレイヤーに踏み込む必要がある。

まずは意思決定スピード。これまで意思決定のプロセスが爆速になり、日次→分単位”への移行が起きる。それができない経営はあっという間に時代遅れとなる。

次に、プロダクトはデータで学び続ける“生き物”になる。これまでの “リーン型” プロダクト設計に加え、AIによるデータ収集と体験改善により、使えば使うほど心地よい” ユーザー体験が実現可能になる。

そして、ブランドはキャンペーンの集合ではなく、複数のチャンネルを活用した体験の一貫性をリアルタイムに調律するブランド運用体制そのものになる。

ちょっと概念的になってしまったので、もう少し具体的に噛み砕いてみよう。

AIを活用した経営 – 3つの大きな変化

では、実際に経営の現場でどのような変化が起こっているのか?僕がサンフランシスコのスタートアップ起業家たちとディスカッションした内容と自身の経験を元にすると、具体的には下記の3つの大きな変化が訪れている。

・AIツールを活用しまくることで、制作・運用の効率と品質を一段引き上げるプロダクトづくり

・AI実装を前提にしたUXデザインプロセスを導入し、“AIが入って当たり前” の設計に作り替える

・AIエンジンに認知されるブランディング戦略を敷き、検索だけでなく生成AIの文脈でも選ばれる状態を作る

下記にこの3つのポイントをもう少し深掘りしてみる。

1. AIツールを活用しまくる: 効率とクオリティを“同時に”上げる設計

面倒な作業をAIに任せ、人は判断と仕上げに集中する。これで作業時間は短く、仕上がりはむしろ良くなる。皆さんも日常的にメールの下書きやリサーチ等にChatGPTなどのAIツールを活用しているだろう。

一方で、AIの一番の問題は「なんでもできちゃう」こと。

そう、なんでもできちゃいすぎて、結局どこでAIに任せ、どこを人間の仕事として担保したら良いかわからない。もしくは、AIに全てを頼り、アウトプットの詳細確認を怠ったことで、逆にクオリティが下がる例も少なくない。

では、経営者として、「何」を「自分で」するべきなのか?

大まかにいうと、「なぜ」やるか。「どう」やるか。そして、「何を優先して」やるかの判断は、人間が下し、実行部分をAIに手伝わせる経営手法が、今のところ最も効率とクオリティのバランスが良いと考えられる。

世の中では「Agentec AI」と呼ばれる、AIエージェントを活用して人材削減をしてる企業のニュースが流れてきたりもするが、その域に達するまでにやるべきことは山ほどある。

2. AI実装を前提にしたUXデザインプロセス: AIと繋ががることで得られるUX/CX設計

YouTubeで動画を見てたら、次から次へと自分の好みの動画がトップ画面に表示される。Netflixが自分の好みの映画を理解してくれてる。インスタの検索画面が、興味のある内容で埋め尽くされる。

おそらく皆さんも体験したことあるのではないか?

これは、もちろんユーザーの好みを理解するAIエンジンが実装されていることで実現できる体験だ。既存のサービスがAIの繋がったことで、ユーザーの体験 (UX) が爆上がりする。デジタルの世界では、この変化が爆速で進んでいる。

もう一つの身近な例としては、みんな大好きなメルカリのAI実装事例が興味深い。

メルカリで商品の画像をアップロードすると、AIがその画像を認識し、AIアシストが商品情報の文章を書いてくれる。これにより、ユーザーが全て自分で書く手間が省かれ、体験の大幅な向上が実現される。

AIアシストが商品説明文を書いてくれるメルカリの事例

この「AIと繋がることで顧客体験が爆上がり」するのは、何もデジタルの世界だけではない。オフライン体験でも十分実現可能だ。

例えば、温泉旅館がAIを活用することで、顧客サービス向上が可能になる。宿泊客の趣味嗜好を事前にAIに教えてもらい、そのお客さんの好みの柄の浴衣、嫌いな食べ物を避けたメニュー、希望する観光ルート作成など、極パーソナライズされた体験を提供することで、顧客満足度を上げることができる。

3. AIエンジンに認知されるブランディング: “人間だけでなくAIにも伝わる” 本物のブランドを作る

日常的にAIツールを活用した人たちが口を揃えて言っているのは「検索エンジンを使わなくなった」。そう、これまでは「ググる」ことがネットへの入り口だったのが、ChatGPTなどのAIツールに置き換わり始めている。

何かのリサーチをする際に「まずは検索から」だったのが、「AIに聞いてみよう」になってきている。

例えば、銀座でおすすめのお寿司屋さんを探す場合でも、Googleに「銀座、お寿司屋、おすすめ」と入力していたのが、ChatGPTに「銀座でおすすめのお寿司屋さんを10つ教えて。ユーザーの評価が高い順番に」などと入力し、より「総合的」な情報を得る時代になった。

重要なのは、この「総合的」という部分。

そう、これまでの検索エンジンありきの情報収集手法では、その結果は食べログやグルナビなどの大手サイトか、個人の感想を書いたブログ、そしてリスティング広告が表示されていた。

これは、かなり「一元的」な結果で、かなりバイアスのかかった結果になりかねない。そして、SEOに強いサイトが上位に表示されるので、予算やテクニックありきの認知拡大だった。

一方で、同じ質問をAIにすると、上記のサイトだけではなく、ネット上にある膨大な情報と、他のユーザーからのインプット、場合によってはオフラインから得られる情報も全て考慮した結果が表示される。それも、それぞれのお寿司屋さんの特徴や価格帯などの詳細も含めて。

これは、ブランド側から見るも、「総合的な」ブランド構築のプロセスが求められる。特に、人々がそのブランドに対してどう語っているか、という、ブランディングの基本部分がまた重要なファクターになる。

ブランドはスローガンやキャンペーンの総和ではなく、体験を一貫させる運用システムそのものである。

経営側からすると、ブランドストーリーの構築や、ビジョンの明確化、そして世の中の人たちにどのように捉えられるかの設計が、今まで以上に超重要事項になっていく。

AIの時代のデザイン経営は: AIで作り、AI前提で設計し、AIにも伝わるブランドにする

アメリカ西海岸ではすでに起こっているAIによる産業革命。この変化は、経営者として大きなチャンスでもあるが、乗り遅れてしまうと、会社ごと消滅しかねない危機にもなりかねない。

これまで、デザイン思考やデザイン経営を導入してきた企業も、次の「アップデート」が求められる。

具体的に行わなければならないのは

・AIツールを活用しまくる:反復作業をAIに寄せ、チームは判断と創造に集中し、キャパシティーとクオリティーを上げていく。

・AI実装前提でUXを設計する:すべての商品やサービスがAIと繋がり、ユーザー体験を向上させる前提でUXデザインを行う。

・AIに認知されるブランドにする:SEOや広告キャンペーンだけではない、総合的なブランド構築を行う。

この3点。これらが噛み合えば、意思決定の速度体験の一貫性が同時に上がり、“経営の数字” が確実に変わる。実は、派手なPoCではなく、淡々と回る運用の地力が勝敗を分ける。

我々btraxも、「AI時代のデザイン会社」として、デザインプロセス、UX/CXデザイン、そして、AI時代の総合的なブランディングサービスの提供をどこよりも爆速で進めている。

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