
伊勢丹のロゴ
Image by: FASHIONSNAP

伊勢丹のロゴ
Image by: FASHIONSNAP
三越伊勢丹ホールディングスが、2025年度(2025年4月〜2026年3月)の国内百貨店の総額売上高の通期予想を50億円下方修正した。昨今のチャイナリスクの影響を鑑みたもので、1兆1487億円(前年比99.7%)の着地となる見通しだ。
ADVERTISING
50億円引き下げたのは、三越伊勢丹グループ国内百貨店の海外顧客売上の通期予想。同社の国内百貨店事業のインバウンド比率は約12%で、海外顧客売上のうち約半数は中国・香港が占める。2025年11月に高市早苗首相が台湾有事に言及し、それを契機に中国側が日本への渡航自粛を要請する動きがあり、その影響も背景に、同社の2025年10月〜12月のインバウンド売り上げにおける中国・香港のシェアは約44%に低下。同期間におけるその他地域の総額売上高が前年同期比98%だったのに対し、中国・香港の総額売上高は同89%と低調だった。2026年1月〜3月も引き続き国際情勢による影響を受けるものとし、計画を見直した。
中国・香港の海外顧客売上高の落ち込みは、国内顧客とその他海外地域からの売り上げでカバーする方針。2025年4月〜12月の国内顧客による国内百貨店総額売上高は前年同期比101.6%の7481億円だった。個人外商を軸に商品のバイヤーなど社内連携を強化させることで顧客とのつながりが深まっており、「MI W メンバー(三越伊勢丹アプリにエムアイカードの会員情報を連携した会員)」および年間購買額300万円以上の国内顧客の総額売上高は前年同期比110%を超えて推移した。足元ではラグジュアリーブランドや宝飾品のほか、「~パリ発、チョコレートの祭典~サロン・デュ・ショコラ 2026」といった催事を通じて若年層の新規客の獲得も実現できているという。国内百貨店総額売上高の大半が国内顧客によるものであることから、取締役執行役常務 経営戦略領域管掌CFOの牧野欣功氏は中国・香港による売上減を悲観しない姿勢を示した。
海外顧客売上に関しては、足元では台湾やタイ、アメリカといった地域からの購買が増えているという。背景として、昨年3月にリリースした海外顧客向けアプリ「MITSUKOSHI ISETAN JAPAN」が寄与。会員数はWeChatと合わせ70万人に到達しており、REWARDS(クーポン)機能を一部で開始したところ、客単価が向上しているという。また、海外外商にも力を入れており、2025年4月~12月における海外外商顧客のみの総扱い高は前年同期比144%と好調に推移。10月、11月、12月においては前年同月比で2倍を超える売上が継続した。海外外商は団体客ではなく個人客を相手に商売するため、「CRMを通じてお客さまとのつながりを深めていくことで、国際情勢のボラティリティ(変動)による影響をヘッジできる」(牧野氏)と見解を示している。
2026年1月〜3月の見通しとしては、国内百貨店の合計総額売上高は2956億円(前年同期比103.3%)で、国内顧客の総額売上高は2601億円(同106.0%)、海外顧客の総額売上高は356億円(同87.1%)を見込む。2月は春節の影響を受けそうだが、牧野氏は全体への影響は限定的としている。また、「中国だけに頼らない多様なポートフォリオ」を形成できる契機と捉え、アプリや海外外商と活用し他国とのつながりを強化することで、2、3月のインバウンド構成比は「55%がその他の国、45%が中国・香港という構成になるだろう」と話した。同3ヶ月間における中国・香港の売上高は前年同期比70%を予想する一方で、中国・香港以外の売上高は同110%を見込む。
最終更新日:
ADVERTISING
RELATED ARTICLE














