
資生堂が、AIを活用して化粧品原料の生分解性評価法の開発と、安全性情報認別システムを開発した。
ADVERTISING
資生堂は、「Sustainability Innovation:循環型の価値づくり」といった研究アプローチのもと、2020年から化粧品原料の生分解性評価に着手し、国際基準に基づいた試験法をベースに評価研究を進めてきた。しかし、従来の評価方法では、時間とコストがかかることや、結果が評価者の経験に左右されるといった課題があった。
これを受け、独立行政法人製品評価技術基盤機構(ナイト)の協力により、化学構造をもとに成分の生分解性をAIで予測し、その結果を活用して原料の生分解性を評価する方法を開発。経済産業省の委託事業で化審法向けに整備された「分解性AI-QSAR」をベースに、化粧品成分の実測データを蓄積・比較しながらモデルを最適化した。これにより、高度な専門知識や網羅的な試験を必要とせず、化粧品原料の生分解性を迅速に評価できるようになったという。
加えて、化粧品原料の安全性評価に必要な情報を迅速に識別するシステムを開発した。資生堂は、1963年に安全性の研究部門を設立して以来、60年以上にわたり安全性評価法の研究を続けており、2003年からはAIを活用した研究にも取り組んでいる。安全性評価では、文献などの既存情報の調査・検証、毒性を予測する試験、ヒト試験による最終確認の工程を経るが、特に情報調査には高度な専門知識と多くの時間を要し、情報不足によって原料活用が難しくなることが課題となっていた。
今回開発したシステムは、反復投与毒性や皮膚感作性などの評価項目に関する重要な情報の抽出を迅速化し、文書の関連度を識別することを可能にするもの。これにより、属人的なばらつきや見落としのリスクを低減し、高度な専門知識を有する人材が安全性の最終判断に集中できる体制づくりにつながる。さらに今回の開発によって、これまで情報不足により使用を控えていた原料の活用が可能となり、化粧品の新たなイノベーション創出が期待できるという。
最終更新日:


AIを活用し環境問題およびヒトへの安全性に対する対応強化
Image by: 資生堂

生分解性評価を行うAI-QSARの予測イメージ図
Image by: 資生堂

安全性評価に役立つAIモデルの概念図
Image by: 資生堂
ADVERTISING
RELATED ARTICLE
















