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ゲランの香水と日本酒IWAのハーモニー 2人の重鎮が語る共通点と違い

Video by: FASHIONSNAP

大自然の中に存在感がありながらも、静かに佇むIWA

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大自然の中に静かに佇む酒蔵IWAでトークセッション

 日本酒IWAを創立した醸造家リシャー ル・ジョフロワ氏とティエリー・ワッサー氏は長い友人関係の2人。今回、緑豊かな大自然が広がるIWAの酒蔵(富山県立山町白岩)でトークセッションが行われ、共通点や相違点のほか、日本酒「IWA 5」の利酒や、フレグランスで使われるブルガリアンローズの産地による違いが解説された。

■リシャール・ジョフロワ
 仏・シャンパーニュ地方で生まれる。ドンペリニヨンの5代目醸造最高責任者として28年にわたってメゾンを率いた。1991年以降、数え切れないほど来日し、日本酒との衝撃的な出合いを果たすとともに、その度、人々や文化への愛が掻き立てられていった。2018年に富山県に酒造会社「株式会社白岩」を設立、2014年4月に隈研吾氏建築のIWA酒蔵を完成させる。自らの蔵で伝統的な酒造りを行うと同時に、日本酒にとって画期的な手法である高度なアッサンブラージュ技法を用いてIWA 5を生み出す。

リシャール・ジョフロワ(以下、ジョフロワ):日本酒はお米から、香水のメインは花々と、農産物からできているという共通点がありますね。

 IWAは日本酒においてアンビション(野望)があります。私は約30年、何度も日本に訪れ日本酒に感銘を受けました。フランス人として日本産の酒を作り、そして日本から海外に日本酒を広めたい。日本の酒蔵に生まれ育ち日本酒を作る人と同じようにはできないけど、伝統的な造り方を守りながらチャレンジした日本酒を作りたいと思ったんです。ゲランはどうでしょうか?

IWAの酒蔵は近代的な佇まい

Imaged by FASHIONSNAP

ティエリー・ワッサー(以下、ワッサー):ゲランのアンビションは200年の歴史から生み出されています。過去200年の間、3000以上ある原材料を探すため世界中を旅して希少な原材料を見つけてきました。そういった原材料ももちろんですが、19世紀初頭から常に新しい発明品を作ってきました。例えば、リップスティックを世界で初めて作ったのはゲランです。経験を通してイノベーションを起こす、これがゲランです。

ジョフロワ:IWAも伝統と結びつけているということでは同じだと思います。IWAは日本では日本酒業界を揺るがす存在と思われがちですが、貢献したいという強い想いがあります。日本酒を世界へ。その革新の中心となるのが、アッサンブラージュ(通常、日本酒の製造では行われない複数の原酒を組み合わせブレンドすること)です。

Imaged by FASHIONSNAP

「IWA 5」アッサンブラージュ1〜3を飲み比べ

 会場に集まった人たちの前に置かれた3つのグラス。それぞれのグラスに異なる年に造られた日本酒IWA 5が注がれ、それを利き酒しながら話を聞いた。

ジョフロワ:日本酒IWA 5は造られた年ごとにアッサンブラージュを絶妙に進化させ、あえて違う味わいにしています。No.1は2018年〜、No.2は2019年〜、No.3は2020年〜造ったもので、No.1を基準とすると、No.2はよりまろやかで優しい味わい、No.3はより濃く深みのある味わいです。

ワッサー:数ヶ月前にパリでIWA 5を飲みましたが、素晴らしお酒でした。調香師である私は、香りがとても興味深い。1〜3のアッサンブラージュの間には、それぞれの物語があり、それぞれに個性があると感じました。日本酒を作る上で、気候や土地は影響するのでしょうか?

ジョフロワ:日本酒の場合、プロセスの方が土地や原材料より大きな意味があると思います。ゲランの場合は継続しながらもバリエーションを変えないのでしょうか?違うものを作ることはダメですか?

ワッサー:IWAは毎回驚きを求められると思いますが、香水は違います。同じ香水であれば、毎回同じものを作らないといけません。例えばゲランの「シャリマー」が毎回、違う香りではダメですよね。それではシャリマーを好きでいてくれるお客さまに対して失礼に当たります。だからオーケストラを率いるように音調を作っていかないといけません。

4つのブルガリアンローズの違い

 香水に原材料としてよく使用されるバラには、ブルガリアをはじめ、フランス、イランなどの産地がある。その同じ産地でも農家それぞれで香りは変わるとワッサー氏。その違いを“読み解き”、同じ香りを作り出している。今回、薔薇の谷と呼ばれる場所にある、4つの村で作られたブルガリアンローズの香りを比較した。

ワッサー:まずバラの栽培は土壌や気候に大きく左右されます。1kgの香水のエッセンスを作るのに、3500kgの花が必要ですが、2022年は猛暑で4000kgの花を使ってやっと1kgのエッセンスを抽出しました。

 4つの村のブルガリアンローズのエッセンスは、1つは濃厚で楽しさを感じる香り、2つ目は力強さを感じます。3つ目は閉ざされたようなクールでそしてスパイシーさもあります。しかし4つ目は、痩せ細ったような印象であまり使いたくないと感じます。年により1〜3が手に入らなければ、4を使って調整してバランスを取って同じ香りを作り出さないといけません。さらに言えば、香りは付けていると時間とともに香りが変化していく。それを意識した調香、つまり2日後、5日後の香りまでを考えて香りを造り出しています。

ジョフロワ:ブルガリア産以外は使用しないのですか?

ワッサー:イランのダマクスローズ、アフリカ北部やフランス産のセンティフォリアは素晴らしいと思います。ただ3代目調香師のジャック・ゲランの時代から使っているのはブルガリア産ですね。

ゲランとIWAのこれから

ジョフロワ:1200年続く酒造りにおいて、アッサンブラージュへの挑戦を続けていきます。今後、アッサンブラージュ技法を取り入れる日本酒が出てくると思いますが、そうなると時代は変わってくるのではないでしょうか。日本酒を世界へ。アンビションを突き進めます。

ワッサー:抽出や蒸留などいろいろな方法がある中で、現代社会では生物多様性や二酸化炭素排出量の配慮などサステナブルを意識することも重要となっています。製造方法を調整しながら最高の香水を作り出していきたいと思います。

俳優 桜田通も香りの奥深さに感銘

 トークセッションには俳優の桜田通も参加し、ゲランと日本酒IWAを魅力を堪能した。

「フレグランスと日本酒は造る過程は違いがあると思いますが、でも目指しているところは近いんだと感じました。香りは変化すると思っていましたが、2日後、5日後までを根底に調香されているのには驚いたんですが、改めて開発者の方々の話を聞くことができ、刺激的でしたし大変勉強になりました。これまでゲランはとても好きな香りで、それをまとうことで元気になったり、癒やされたり…。悲しい時や一方で楽しい時も香りで気分を落ち着かせたり高めたり。そういう誰かの生活に寄り添っていくという意味では、俳優の仕事も同じだと思います」。
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