ルカ・マリアーノ（Luca Magliano）が手掛けるイタリア発のブランド「マリアーノ（MAGLIANO）」の2025年春夏コレクションは、同氏のはかない記憶を考古学的観点で呼び起こし、実像と虚像の間で生まれるファンタジーを衣服で表現。コートはタオルと一体化し、パンツは水着やイブニングウェアに見せるなど、クラシックをベースにコンテンポラリーな身体との融合を図ってきた同ブランドならではの試みがみられた。また、プレスリリースには「むかしむかし、あるところに…小さな読者の皆さんは、『王様がいたんだ!』と一斉に言うでしょう。いいえ、子どもたち、そうではありません。むかしむかし、一本の木の棒がありました」という「ピノッキオの冒険」の冒頭の一節を引用。通常の童話とは違う、木の棒が不思議な存在となって動き出す奇妙な物語が始まることを予感させるこの一節は、ルカ・マリアーノの反抗心に通ずるものがあり、「今シーズンのヒーローはピノッキオだ」という同氏の言葉にも表れている。ピノッキオはインビテーションにも描かれたほか、ニットベストにもあしらわれた。