イタリア発「スンネイ（SUNNEI）」の2025年秋冬コレクションは、ファッションがレトリックに覆われ、縮小化していく現在の潮流に対して、「別の道がある」と声高に宣言。露骨なまでに「売買」というファッションの本質を、ショーで体現した。

　スンネイの直営店近くにある路地で行われたショーでモデルたちは、まるで買い物客のように両手にショッパーを持ってランウェイをウォーキング。「ファッションのリアリズムを見せる時なのかもしれない」と、直接的に売買を形としてみせた。アイテムはスンネイらしいグリーンカラーのハーフジップニットにはじまり、ダウンベストや胸の輪郭を描いたフェルト地のプルオーバー、変形タックのパンツなどで構成。ショーが終わると、来場者はスンネイの直営店を通過することを義務付けられ、否応なしに「買うか、それとも去るか」の選択を迫る演出も。見失われがちな「売り買い」という営みの力強さこそがファッションの原点だとし、"ファッションのリアリズム"を極めてシンプルに表現した。