「トム ブラウン（THOM BROWNE）」が、2026年春夏コレクションショーをカール・ラガーフェルド（Karl Lagerfeld）が住んでいた18世紀の邸宅、オテル・ド・メゾンで開催した。「…こんにちは、地球人…」というメッセージから始まったショーは、日常と未知の境界を探求。1706年から3000年まで時空を超えた物語の中で、地球人と宇宙からの来訪者が交錯する情景が表現された。

　コレクションの核であるテーラリングは、伝統的な仕立てを強化・解体することで独自のプロポーションを生み出し、特にスポーツコートは、前側にひねったラグラン風ショルダーを特徴とする新たなシルエットへと進化。強調されたショルダーラインは前方へ押し出され、ウエストは内側に湾曲し、裾には構造的なフレアが施された。膝上スカートは広がりのあるプリーツと柔らかなドレープが特徴で、ドロップウエストにベルトを着用。ブランドのアイコンであるクリケットセーターは、シュリンクさせたクロップド丈へと再解釈された。素材では、レップストライプ織や刺繍といったトム ブラウンの過去20年のアーカイヴを活用。ツイードとシアサッカーがスターリングシルバーのグロメットやリングと合わせられ、セルビッジパッチワークとスパンコールを施したチュールはまるで宇宙からの信号のように幻想的にきらめいた。