気温-17度、男女別の最適な服装とは？

　衣類の保温性の目安になる数値である「クロー値」を基準に、気温が−17度のときに快適に過ごせるコーディネートを紹介します。

クロー値とは：衣類の保温性の目安になる数値。人間は皮膚の表面温度が約33℃＝室温が約30℃であるときが一番快適であると言われており、気温が20度のときに皮膚の表面温度を33度にするために必要なクロー値が1.11です。気温が0℃のときは3.33クロー、気温が−20℃のときは5.56クロー分のアイテムを着用すれば快適な皮膚温度が得られる計算になります。

このページでは、独自に算出したクロー値をもとにアイテムを選び、それぞれの気温のときに快適でいられるコーディネートを紹介します。あくまでも数値上で導き出されたコーディネートですので、参考としてご利用ください。クロー値の詳細はこちら。

気温−17度になるのはどんな場所のどんなとき？

陸別（北海道・1月下旬）：平均最低気温が−17度前後、夜明け前の放射冷却が顕著で、乾燥した冷気が長時間残ります。
ヤクーツク（ロシア・1月）：月平均気温がおよそ−17度、シベリア高気圧の影響で晴天率は高く、風が弱い日は地表付近に冷気が滞留しやすいです。
ノリリスク（ロシア・2月）：月平均気温がおよそ−17度で、最低気温が−30℃近くまで下がる日もあります。シベリア高気圧下で晴天率は高いものの、吹く風は鋭く体感温度を大きく下げます。
アスタナ（カザフスタン・1月）：平均最低気温が−17度ほど、乾燥した大陸性寒気が支配的で、風が吹くと体感温度がさらに低下します。
フェアバンクス（アメリカ・アラスカ州・12月）：月平均気温は−17度前後、内陸性の冷気が強く、無風状態になると薄い氷霧が発生しやすいです。

　気温が−17度のときに快適に過ごせるクロー値は「5.22」です。合計クロー値が「5.22」になるコーディネートを紹介します。

※以下で紹介する各アイテムのクロー値は、FASHIONSNAPが独自に算出しています。コーディネート例は、そのクロー値に基づき組んだ参考例の一つとしてご覧ください。

【ウィメンズ編】気温−17度の時のコーディネート

　アウターにはB-3シアリングフライトジャケット。頑強なレザーが厳冬の強風を遮断し、ムートンライニングが放熱を最小限に抑えます。ミドルにフェアアイルセーターを重ね、厚手の起毛ウールが空気層を蓄積して保温力を強化。肌面には「アイスブレーカー（icebreaker）」オアシス ロングスリーブTシャツを仕込み、優れた吸湿速乾性で汗冷えを防止。下半身はマキシスカートにスパッツを重ねて気密性を向上し、厚手ハイソックスとブーツで雪面の冷気を遮断。レザー手袋が手先の熱放散を抑制します。

コーディネートのクロー値詳細：B-3（3.5クロー）＋フェアアイルセーター（0.37クロー）＋アイスブレーカーオアシス ロングスリーブTシャツ（0.6クロー）＋マキシスカート（0.25クロー）＋スパッツ（0.15クロー）＋ハイソックス（厚手）（0.06クロー）＋ブーツ（0.1クロー）＋手袋（レザー）（0.11クロー）＋その他下着など（0.08クロー）

【メンズ編】気温−17度の時のコーディネート

　B-7アークティックパーカの重厚なムートンライニングが体温を閉じ込めます。インナーのECWCSレベル1ベースレイヤーで吸汗速乾性を確保し、その上に「パタゴニア（Patagonia）」R1フリースを挟み軽量な断熱層を構築。下半身はデニムパンツでカジュアルさを添え、スニーカーで軽快な歩行性を担保します。厚手手袋とニット帽、さらに首元にスカーフで末端からの放熱を防止します。

コーディネートのクロー値詳細：B-7（4クロー）＋パタゴニア R1フリース（0.5クロー）＋ECWCS レベル1 ベースレイヤー（0.3クロー）＋デニムパンツ（0.22クロー）＋靴下（ふくらはぎ丈）（0.03クロー）＋スニーカー（0.02クロー）＋スカーフ（0.01クロー）＋ニット帽（0.04クロー）＋手袋（厚手）（0.05クロー）＋その他下着など（0.05クロー）

■気温別の最適な服装
28度｜27度｜26度｜25度｜24度｜ 23度｜22度｜21度｜20度｜19度｜18度｜17度｜16度｜15度｜14度｜13度｜12度｜11度｜10度｜9度｜8度｜7度｜6度｜5度｜4度｜3度｜2度｜1度｜0度｜-1度｜-2度｜-3度｜-4度｜-5度｜-6度｜-7度｜-8度｜-9度｜-10度｜-11度｜-12度 ｜13度｜-14度｜-15度｜-16度 ｜-17度｜-18度｜-19度｜-20度

　コーディネートの参考になるストリートスナップはこちらから。