気温-20度、男女別の最適な服装とは？

　衣類の保温性の目安になる数値である「クロー値」を基準に、気温が−20度のときに快適に過ごせるコーディネートを紹介します。

クロー値とは：衣類の保温性の目安になる数値。人間は皮膚の表面温度が約33℃＝室温が約30℃であるときが一番快適であると言われており、気温が20度のときに皮膚の表面温度を33度にするために必要なクロー値が1.11です。気温が0℃のときは3.33クロー、気温が−20℃のときは5.56クロー分のアイテムを着用すれば快適な皮膚温度が得られる計算になります。

このページでは、独自に算出したクロー値をもとにアイテムを選び、それぞれの気温のときに快適でいられるコーディネートを紹介します。あくまでも数値上で導き出されたコーディネートですので、参考としてご利用ください。クロー値の詳細はこちら。

気温−20度になるのはどんな場所のどんなとき？

名寄（北海道・2月上旬）：平均最低気温がおよそ−20度、夜明け前の放射冷却が強く、晴天時にはさらに気温が下がりやすいです。
ハルビン（中国・黒竜江省・1月）：平均最低気温が−20度程度、シベリアからの寒気が流入し、乾いた冷気が長期間居座ります。
ロングイェールビーン（ノルウェー・スヴァールバル諸島・2月）：月平均気温が−20度近く、極夜明け直後の時期で日射量が少なく、冷え込みが持続します。
カンゲルルススアーク（グリーンランド・1月）：平均気温は−20度前後で、内陸に位置し降水量は少なく、晴天率が高い一方で放射冷却が顕著です。
デナリ国立公園・ワンダーレイク周辺（アメリカ・アラスカ州・12月）：標高約600〜700 mの地点で平均最低気温が−20度、山岳地帯特有の乾燥した冷気と微風が相まって体感的にはさらに厳しい寒さとなります。

　気温が−20度のときに快適に過ごせるクロー値は「5.56」です。合計クロー値が「5.56」になるコーディネートを紹介します。

※以下で紹介する各アイテムのクロー値は、FASHIONSNAPが独自に算出しています。コーディネート例は、そのクロー値に基づき組んだ参考例の一つとしてご覧ください。

【ウィメンズ編】気温−20度の時のコーディネート

　アウターにオットセイ毛皮のアラスカンコートの頑強なレザーが極寒の風雪を遮断、ライニングが暖気を閉じ込めます。肌面に「アイスブレーカー（icebreaker）」オアシス ロングスリーブTシャツで汗冷えを抑え、中間層に「パタゴニア（Patagonia）」R1フリースジャケットを重ねることで空気層を増やし保温性を向上。ボトムはECWCSレベル7エクストリームコールドトラウザーがプリマロフト中綿で下半身を包み、立体裁断が動きを妨げません。足元は「ネオス（NEOS）」のオーバーシューズが防水性と防寒性を両立し、ニット帽とレザー手袋で頭部と手先の熱放散を抑制する極寒地対応レイヤリングです。

コーディネートのクロー値詳細：アラスカンコート（0.71クロー）＋パタゴニア R1フリースジャケット（0.5クロー）＋アイスブレーカーオアシス ロングスリーブTシャツ（0.6クロー）＋ECWCS レベル7 エクストリームコールドトラウザー（1クロー）＋スパッツ（0.15クロー）＋ハイソックス（厚手）（0.06クロー）＋NEOS Overshoe Navigator 5 オーバーシューズ（2.3クロー）＋ニット帽（0.04クロー）＋手袋（レザー）（0.11クロー）＋その他下着など（0.09クロー）

【メンズ編】気温−20度の時のコーディネート

　B-7アークティックパーカが冷気を遮断しつつ、ムートンの保温層で体温を確実にキープします。肌側にはパタゴニアのキャプリーン・サーマルウェイトインナーを仕込み汗冷えを防止。その上から起毛感のあるネルシャツを重ね、空気層を蓄えて適度な通気も確保します。下半身はECWCSレベル5ソフトシェルパンツが、撥水性とストレッチ性でアクティブ感をプラスします。

コーディネートのクロー値詳細：B-7（4クロー）＋ネルシャツ（0.35クロー）＋パタゴニア キャプリーン・サーマルウェイトインナー（0.7クロー）＋ECWCS レベル5 ソフトシェルパンツ（0.3クロー）＋ハイソックス（厚手）（0.06クロー）＋ブーツ（0.1クロー）＋その他下着など（0.05クロー）

■気温別の最適な服装
28度｜27度｜26度｜25度｜24度｜ 23度｜22度｜21度｜20度｜19度｜18度｜17度｜16度｜15度｜14度｜13度｜12度｜11度｜10度｜9度｜8度｜7度｜6度｜5度｜4度｜3度｜2度｜1度｜0度｜-1度｜-2度｜-3度｜-4度｜-5度｜-6度｜-7度｜-8度｜-9度｜-10度｜-11度｜-12度 ｜13度｜-14度｜-15度｜-16度 ｜-17度｜-18度｜-19度｜-20度

コーディネートの参考になるストリートスナップはこちらから。