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大人の責任と遊び心の在処
米倉涼子&玉木宏
in LANVIN COLLECTION

美しさと心地よさを兼ね備えたデザインでファッションを自由にしてきたジャンヌ・ランバン。
そのクリエイションを受け継ぎ、ラグジュアリーな素材と美しいカッティング、繊細なディテールで表現する「LANVIN COLLECTION」に、表現者 米倉涼子と玉木宏が出会う。

上質でモダン、そして洗練されたアイテムを軽やかに着こなす2人は、どのような美学を持って日々に向き合い、そして服を着るのか。

彼らが抱く理想の大人像、そして「目指すもの」を尋ねると、両者に共通する「日々を楽しみ、前進する」という揺るぎない姿勢が見えてきた。
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人生は、「貪欲」より「楽しく」
闘病を経て 米倉涼子の現在

── 米倉さんといえば、「誰もが憧れるかっこいい大人の女性」というイメージが強いと思いますが、ご自身にとってのロールモデルや「憧れの大人像」があれば教えてください。
 子どもの頃は、漠然と「キャリアウーマン」というイメージがありました。夢というより、ただそれが自分の“形”だと思っていたんです。でも、ここ20年くらい素敵だなと思っているのは、自分のヴィジョンを持ち、大人になって起こる色々な浮き沈みを受け入れ乗り越えようとしている人。「貪欲」というより、「楽しく」人生をエンジョイしたいというヴィジョンを持っている人たちに憧れています。普段からそういう人たちと一緒にいて、いつも刺激をもらっています。
── 前向きな姿勢の通り、海外進出や事務所立ち上げなど、新しいことにも積極的に挑戦されている米倉さんですが、その原動力は何なのでしょうか。
 原動力がどこから来るのか、なんてことは考えていないのかもしれません。やりたいと直感的に思ったことに対して、一歩踏み出せるかどうかは、その時の気持ちと体調次第。ここ数年は病気*の影響で全然ダメでしたが、「今ならいけそう」と思って、最近はファッションの仕事もさせていただいています。今日の撮影もすごく楽しくて「いい日が過ごせたな、幸せだな」と思うし、そういうふうに「いい日が“過ごせそう”だな」と思うところに足を向けていきたいと思っているだけ。理想とか目標が具体的にあるわけじゃなくて、インスピレーションのままに生きています。
*注:米倉は2019年に脳脊髄液減少症を発症している。
── インスピレーションはどのような瞬間に?
 本当、ふとした時にです。ただでさえ、人って我慢することが多いじゃないですか。「やらなきゃいけないこと」とか、「大人としてこうあるべき」みたいなもので不自由な思いをすることは必ずある。だからこそ、自分が心からやりたいと思ったことは、実現したいんです。
── 闘病を経て、価値観に変化はありましたか?
 疲れることや辛いことなど、身体に様々な異常が出てくることって、きっと誰しもあることだと思うんです。だから、それで自分を責めるのではなくて、その状態の中でその時の自分にできることを考えるようにしました。今までは、目の前のやりたいことに対して限界以上に無理をしてしまいがちだったけれど、今では自分に対して厳しくなりすぎず「できない時はそれでもいいか」と思えるようになりました。それに、だいぶ人にも優しくなったかな(笑)。
── そういった変化は「ファッション」に対しても?
 「自分に厳しくなりすぎず」とは言っても、せっかくならこれからも楽しく洋服が着られたらいいなと思っています。今まで大切にしてきた洋服をこれからも大切に着続けられるよう、維持していきたいなと考えています。
── 今日着用されたベロアオールインワンは、LANVINのセカンドラインである「LANVIN COLLECTION」の新作です。 
 ずっと触っていたいくらい本当に肌触りが良くて、とても気に入りました。オールインワンでサイズがぴったりなものを見つけるのが珍しいので、個人的にも購入したいくらいです。
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自分に厳しくなりすぎず
「できない時はそれでもいいか」と
思えるようになりました。
自分に厳しくなりすぎず
「できない時はそれでもいいか」と思えるようになりました。
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── ご自身が服を選ぶ際のこだわりは?
 ブランド名やロゴの主張が激しいものではなくて、肌触りや着心地が良くリラックス感があって上質なものが好きです。自分の身体に合っているサイズやシルエットのものを見つけると、つい大人買いしちゃいます。
── LANVINは今年135周年を迎えました。着用いただいたLANVIN COLLECTIONは、そんなLANVINがパリで培った精神を詰め込んだコレクションです。歴史や風格を感じる洋服が似合う大人になるために、若い読者へアドバイスをお願いします。
 私が聞きたいくらい(笑)。今は、人それぞれのスタイルが許容されつつある時代だと思います。でも、ブランドに関わる多くの方々が丁寧に、大切に作り上げてきた歴史やそのエッセンスを感じる洋服を着る時は、服に見合うちゃんとバランスが取れた身体でありたい。今回着させていただいたアイテムにもとても刺激を受けました。背筋が伸びる服を着て出かける機会を大事にしたり、カジュアルなものからドレスまで色々な洋服を楽しめる自分でありたいと思っています。
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ストレッチベロアオールインワン(受注生産) 35万2000円(税込)/LANVIN COLLECTION
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妥協のない誰かと高めあう楽しさ
玉木宏の継続と挑戦

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── 「憧れの大人」として名前が挙がる機会が多いと思いますが、玉木さん自身が憧れる「大人像」を教えてください。
 隙がない、何でもできる人。「この人、こんなこともできるんだ」という意外性も含めて、それをうまく見せられる人はすごく素敵だなと思います。何事も語るには経験が必要だと思いますし、私ももっと知識を付け、様々な経験を積めたらと考えています。
 身近な良い先輩たちは、遊びも一生懸命。そして当然仕事も一生懸命。遊び心がないと良い仕事はできないと思うし、私もそういったバランス感覚を持っていたいです。
── アクションシーンの練習も兼ねて、日々柔術の稽古に勤しんでいるとか。何事も継続するというのは大変なことでもありますが、何がモチベーションになっていますか?
 柔道は格闘技なので、試合には勝ち負けがあるし、勝負には練習をしなければ勝てません。基本的に練習が好きではないのですが、練習をしなければ成果は得られないんです。
 でもやはり、何事も楽しい時間がないと継続はできないと思うので、何か楽しい瞬間や、楽しいことを見つけるのがすごく大事だなと思っています。もちろん練習で「新しいことを学ぶ」ということ自体も楽しいことではあるんですが、何より私にとっては「一緒に練習をする仲間との出会い」が大きなモチベーションです。周囲にも、同じように練習頻度が高い人たちが多いので、感化されることも多いですし、周囲の人と波長が合っていることも、続けられている理由の一つかもしれません。
*注:玉木はプライベートでブラジリアン柔術に打ち込み、2023年にはラスベガスで開催された世界大会に出場した。
 結局は仕事もそうですけど、すべては「人と人で何かを作り上げること」だと思います。「誰かがいるから」稽古に行きたいと思うこともあるし、撮影現場でも若手の人たちが緊張していたらほぐしてあげなければと思います。自分だけでなく、周囲の人にとっても良い環境であるように、とは心がけています。
── プロとしてより良い仕事をするためには、ストイックな日々と経験の積み重ねの一方で、全く新しいことにチャレンジすることも?
 演技や撮影など、世に出るものにどういったものが求められているか経験上わかることもあるのですが、ただ同じようなことをなんとなくでやってしまうのは良いことではないと思っていて。毎回何か新しいスパイスを入れて、「難しい」と感じながらもどうアウトプットしていくか。そういうチャレンジをしないと、学びはないのかなと思います。ただ、やはり経験が助けてくれることも当然たくさんあるので、経験を活かした上でプラスアルファでいかにチャレンジができるか、という感じです。
── 最近1番「難しかった」ことを教えてください。
 まだ解禁前の作品ですが、いわゆる「新しいもの」を撮るためにみんなで試行錯誤、トライをして形を作っていくことの“心地が良さ”を痛感した現場がありました。もちろん撮影中は大変なのですが、限られた時間の中でより良いものを出すために妥協しないことはとても大事。毎回何か新しい挑戦をして、自分が「難しい」と思いながらアウトプットすることが必要だと感じています。
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毎回何か新しい挑戦をして、
自分が「難しい」と思いながら
アウトプットする。
毎回何か新しい挑戦をして、
自分が「難しい」と思いながらアウトプットする。
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──  135年という歴史を持つLANVINのように、歴史のあるブランドの洋服が似合う大人になるために、若い読者へアドバイスをお願いします。
 20代前半から半ば頃は私も、格式高いアイテムを着た時、どうしてもそこに似合う自分になっていないなという気分になっていました。でも、フォーマルなものは年齢とともに不思議と似合うようになってくるんだと思います。一方、フォーマルだけになると面白くないので、カジュアルダウンしてみたり色々と遊んでみたり。思えば、若い頃はカジュアルかフォーマルかのどちらかに偏りがちだったかもしれません、無理して大人っぽく見せようとしたり。そういう意味では、洋服を自由に選べる年代になり、ファッションが楽しくなりましたね。
──  今回着用されたのは、LANVINのセカンドライン「LANVIN COLLECTION」の新作アイテムです。シックなジャケットは袖口の赤いロゴパッチがアクセントになっており、LANVIN135周年柄の総柄ボウブラウスを合わせて、エレガントながら遊び心もあり、とてもお似合いでした。
 総柄のボウブラウスは、単体で見るとインパクトがあるので新鮮な挑戦でしたが、着てみると案外しっくりくる遊び心のある1枚でした。フォーマルながら抜け感もあり、心地良いスタイリングでしたね。
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“アーネスト”ジャケット 10万4500円、テーパードスラックス 4万9500円、ボウブラウス(135周年限定商品) 4万9500円(いずれも税込)/LANVIN COLLECTION
米倉涼子 Ryoko Yonekura

1975年8月1日生まれ。神奈川県出身。
1993年からモデルとして活動をスタート、1999年からは俳優として活躍する。
ドラマ「松本清張・黒革の手帖」、「交渉人~NEGOTIATOR~」、「ドクターX~外科医・大門未知子~」など様々な作品で主演を務める。また、ブロードウェイミュージカル「CHICAGO」に主人公ロキシー・ハート役として2012年、2017年、2019年と3度のNYブロードウェイ公演に出演を果たす。2012年より7シリーズに渡りテレビ朝日系列で放送されている連続ドラマ「ドクターX」の映画化が決定。2024年12月6日公開。

玉木宏 Hiroshi Tamaki

1980年1月14日生まれ。愛知県出身。
1998年から俳優として活動。趣味はカメラ、特技は水泳。
映画「ウォーターボーイズ」やNHK連続テレビ小説「こころ」で注目を集める。近年は、映画「ゴールデンカムイ」などの話題作に多数出演している。今後の出演作は、10月6日放送・配信開始のWOWOW連続ドラマ「ゴールデンカムイ -北海道刺青囚人争奪戦-」、11月1日公開の映画「十一人の賊軍」など。
Shooting for Ryoko Yonekura

photography: Takanori Okuwaki
styling: Miyuki Uesugi(SENSE OF HUMOUR)
hair: KENICHI(SENSE OF HUMOUR)
makeup: Haruka Tazaki


Shooting for Hiroshi Tamaki

photography: Takanori Okuwaki
styling: Kentaro Ueno
hair&makeup: Yukiya Watabe(riLLa)


web design: Maho Nishikawa


FASHIONSNAP
cording: Tadashi Hirohata
casting: Takashi Sasai
text & edit: Chikako Hashimoto
project management: Hideya Yokoi
direction: Mina Jokoji
produce: Miki Takahashi
2024.10.1
お問い合わせ先
ウィメンズ
ランバン コレクション
TEL:0120-370-877
OFFICIAL SITE
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メンズ
ランバン コレクション 表参道店
TEL:03-3486-5858
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