先行セール、フライングセール、うっかりセール?早期化する値下げ合戦

前倒しセールの数々
前倒しセールの数々

 百貨店の夏バーゲンセールは今年も開始タイミングが2つに分かれたが、実はファッションビルやセレクトショップでは、もっと早くからセールを始める傾向が強まっている。「うっかりPREセール」や「フライングセール」など、時期を間違ってしまったかのようなネーミングでスタートを大幅に前倒し。百貨店バーゲンの需要を先食いしてしまうかのような先行セールを、6月10日以前から仕掛けるところが相次いでいる。マガシークやアマゾンジャパンなどのネット通販大手も時期を繰り上げていて、今やバーゲンは梅雨時に最初のピークを迎えるようになってきた。(文:ファッションジャーナリスト 宮田理江

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 百貨店セールは大きく分けて、6月28日に足並みをそろえた大半のグループと、約3週間遅い7月17日から始める最大手の三越伊勢丹ホールディングス系の2波でこの夏も進む。しかし、6月28日は決して本当の意味での「第1陣」ではない。百貨店グループに属さない専門店系ファッションビルではさらに2週間も早い6月10日頃からセールに踏み切っていた。"ゲリラバーゲン"は、絶妙のタイミングで開催された。


 例えば、大阪の梅田や神戸の三宮にビルを構える、ダイエーグループのファッションビル「OPA(オーパ)」。正式な夏バーゲンのスタートは6月27日だったが、約2週間も早い6月14〜16日の3日間、オーパカードの会員限定で「プレセール」を打った。割引率は30〜70%と、ショップごとに幅があったが、筆者が訪れた心斎橋ではバーゲン本番並みの70%オフを打ち出すショップも見受けられた。

 「バーゲン前にお得をGET!」とうたう、明らかなフライング実施だ。会員向けメール媒体で告知し、秘かに集客を図った。当日もオーパカードを必ず会計時に提示する必要があり、たとえ会員でも、提示しないと割引が受けられない仕組み。知らずに買い物をした客には「今、この場で会員になれば、セール価格でお買い求めになれます」と、レジで登録を促した。


 同様に時期を前倒ししたセールはセレクトショップ業界にも広がっている。ベイクルーズグループの「フライングセール」は6月20日にスタート。こちらも公式告知で「セール前にセール価格で買えてしまう、なんとも夢のような先行セール」とうたった。セール価格で買うには特別なクーポンが必要で、その入手方法もネット上でこっそり公開された。UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)はオンラインショップ限定で6月7日から春夏商品プレセールを開催。BEAMS(ビームス)もほぼ同時期の6月6日から「店内一部セール」を仕掛けた。


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magaseek「うっかりPREセール」より


 まるで開催時期を誤って勘違いしてしまったかのように装う確信犯型のプレセールも相次いだ。ファッション通販サイト「magaseek(マガシーク)」は6月7日から、「うっかりPREセール」を始めた。手違いで早くスタートしてしまったと言いたげな演出だが、もちろん予定通りの前倒しだ。その後、6月末の百貨店セール第1陣が始まる時期には、「しっかりセール」と名前を変えてさらに踏み込んだセールに移行。巧みな2段階集客を成功させた。

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