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今年の流通業界注目キーワード「オムニチャネルリテイリング」とは?

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ファッション流通コンサルタント ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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 1月4日の日経MJ一面に「どこでもストア お客のそばへ」という特集記事が掲載されていました。

 さすが日経MJ、今年一年、最も話題になるだろう流通業のビジネストレンドを正月特別編集の特集記事にもってきましたね。

 テーマは、ずばり、オムニチャネルリテイリング(Omni Channel Retailing) 。 

 要は、ブランドやストアブランドが リアル店舗、ウェブストア、SNS・・・顧客とのあらゆる接点(オムニチャネル)を持ち、それらを統合して、統一感のある、より快適な買い物体験を顧客に提供しようという概念。 

 昨年、流通先進国 アメリカの小売業界で最も話題になっていたキーワードのひとつです。日本のメディアですと、ダイヤモンドやチェーンストアエイジや繊研新聞が頻繁に取り上げていましたので、私もずっと気になっていたところでした。

 今年はいよいよ日本で話題になるのではないでしょうか?

 このオムニチャネルについて、リアル店舗を持つ小売業が顧客に近づくステージで考えるとこんなイメージになります。

 1)シングルチャネル  リアル店舗のみで販売

 2)マルチチャネル   ウェブストアとSNSは立ち上るが
               リアル店舗とは別々に運営

 3)クロスチャネル   顧客側はリアル店舗とウェブストアとSNSは
               ひとつの同じブランドとして見て、使い分ける

 4)オムニチャネル   ブランド側がリアル店舗とウェブストアとSNSの
               顧客情報買い物体験を統合して統一の商品、
               サービスを提供し、統一のマーケティングを実施する。
  
  ※ マルチは複数、オムニは全部という意味 

 Eコマースの売上が伸びる昨今、Eコマースが店舗の売上を翻弄しているかのようなメディアの報道が多いですが・・・

 小売業がEコマースを業者任せにせず、主導権を持ってこれに取り組めば、ある意味 リアル店舗の復権につながる話なのですよね。

 このオムニチャネルリテイリングという概念、正直 現段階では、IT企業が中心になって、マーケティング先行的な部分も否めないです。素敵な概念ですが・・・やろうと思ったら結構なIT投資と時間がかかって、現場がついてこれずに、逆にクレームを増やしかねない・・・かつてのワン・トゥー・ワンマーケティングのような中途半端になりそうな感じもします。

 しかし、将来的なゴールは上記の4にあるにしても、顧客は既に、3のステージに来ている人が結構多いです。

 リアルもウェブストアもシームレスに上手に使い分け始めているわけですから・・・いかにリアル店舗がそれを促進して、3のステージの顧客を増やして、勝ち残るかという話で考えれば、取り組み易いと思います。

 例えば、ユナイテッドアローズが、リアル店舗の店頭で顧客にオンラインストアの利用を啓蒙している話。

 勧めによりオンラインストアを使い始めた顧客は、ますますUAのファンになり、オンラインストアのみならず、リアル店舗での年間購買額も増える、客単価もそうでない顧客の倍になると言います。

 また、顧客の靴のサイズが店頭になかった時、在庫が近隣店舗にあれば、わざわざ走って取りに行く「走り」でおなじみのABCマート。

 遠方店舗に在庫があった場合でも顧客の自宅に宅配する「直送」をしますし、最近では、店頭でiPadを使って同社ウェブストアの在庫まで探しに行き、顧客が求めるその「1点」を顧客の手に届けようとします。

 これぞ商売人の鏡!

 そんな店舗スタッフの情熱に触れて、一緒にウェブストアの体験をすれば、顧客自身も同じ商品、おなじサービスが受けられるウェブストアをいつもそばにいるそのブランドの一部として重宝するのではないでしょうか?

 要は、ウェブストアでも同じ商品、サービスが得られることを顧客に体験してもらうこと、このあたりから始めたらよいのではないでしょうか?

 最後に 今回の日経MJの記事の事例の中で、iPadを使って東京で北海道の小樽の魚屋さんの販売代行をされている方の言葉にいたく感銘を受けました。

 「ネットにリアルの商売人が圧迫されるのはおかしい。ネットが発達したんだから、創意工夫できる商売人ほど強い時代のはず。」

 そう、商売人自身が手軽になったモバイルデバイスを使いこなし顧客を増やす時代なのです。

 関連エントリー-ABCマートがネット在庫を店舗と共有して店頭での売り逃し削減を目指す

齊藤孝浩

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