Fumitoshi Goto

【動画】アマゾンの最新物流ロボット「キバ」公開

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■アマゾンはサイバーマンデーとなった1日、ロボット物流システムの最新バージョンを公開した。同社が公開したのは、2012年に7.75億ドルで買収したロボット物流システムのキバ・システム。キバ・システムのロボット「キバ・ロボット」を導入したフルフィルメントセンターを第8世代とアマゾンでは呼んでいる。キバ・ロボットは10ヵ所のフルフィルメントセンターに1.5万台以上が導入されているという。
キバ・ロボットは、スタッフが在庫を取りに行くのでなくキバ・ロボットが在庫を持ってくるというもの。物流センター内をお掃除ロボット「ルンバ」を大きくしたようなキバ・ロボットが細い通路を移動する。オレンジ色のロボットが下から在庫棚を持ち上げ、床にあるバーコードを読みながら、ピッカー・スタッフに運ぶ。在庫棚を元の場所に戻すのではなく、呼び出し頻度が高い順にピッカーに近い距離に戻し、生産性を上げる仕組みとなっている。このロボット物流システムを導入したザッポ・コムでは、注文から発送までこれまでの48分間から12分間に大幅に時間を短縮し、効率をあげている。また、従来型のコンベイヤーを物流センターに設置するには12~18ヶ月と時間がかかるのに対して、このシステムの導入は数週間で完了するという。物流センター内全体に照明や冷暖房をつける必要がなく、光熱費も節約できる。
調査会社の試算によると、キバロボットを1万台配備することで約9億ドルの人件費を削減できるとしている。スタッフ時給14ドルと福利厚生費で換算すると、2.5万人分を節約できると見ている。

アマゾンが映像を公開したキバ・ロボット。お掃除ロボット「ルンバ」のようなロボットが最大350キロの棚を持ち上げて、ピッカーの場所に持っていく。


09年2月8日 - 【IT物流】、ロボットが在庫を運ぶ?「100年に一度」!物流のIT革命やぁ~

12年3月26日 - 【アマゾン】、ロボット物流のキバを買収!買収を見送ったウォルマートは5年後悔やむ?

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤がキバ・システムズを取り上げたのは今から5年以上も前のことでした。当時、日本人でこのロボット物流を知っている人はいませんでしたね。で、私は「これは凄い!」と直感し「100年に一度」の物流革命としてエントリー記事にしました。で、3年後にはアマゾンに買収されました。あまり知られていませんが、アマゾンに買収される前にキバ・システムズは買収案をウォルマートにも持ちかけていたのです。ウォルマートは「投資効率に見合わない」と買収を見送ったのです。結局、アマゾンが買収しました。で、これで私は「(アマゾンによる買収から)5年後、『やっぱ、買収しとけばよかったかなぉ~』なんて、自宅で走り回るルンバを見ながらCEOのマイク・デューク氏がつぶやいたりして...」と想像しました。あれから2年しか経っていませんが、現CEOのダグ・マクミラン氏は「チッ!」と舌打ちしているはずです(笑)。

⇒キバ・システムズはアマゾンの10ヵ所のフルフィルメントセンターに導入され、1.5万台以上のキバ・ロボットが24時間働いているのです。一方で、ウォルマートはEコマースをここ数年で急成長させています。前CEOマイク・デューク氏の判断である「投資効率に見合わない」は間違っていたと思います。店舗投資を控え、Eコマースへの投資を加速させているマクミラン氏からすれば、前CEOの買収断念は苦々しく思えるはずです。ましてやマクミラン氏はウォルマートの物流でキャリアを積んできたかたです。エアコンも効いていない薄暗い倉庫で、文句も言わずにせっせと働き続けるキバ・ロボットを見れば、面白いはずがありません。ウォルマートにとってEコマース物流は大きな課題なのですね。ウォルマートのフルフィルメントセンターでは500万sku(stock keeping unitは品目の最小単位)を扱うとしています。Eコマースの成長から取扱い品目数はさらに増える可能性があります。
効率的なロボットを物流に採用しないことには、いずれ「Eコマースの壁」にぶつかってしまうのです。

後藤文俊

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