Fumitoshi Goto

米コストコが映画スターから批判され炎上

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■映画俳優がコストコを批判し炎上している。映画「ドライヴ」などで活躍する俳優のライアン・ゴズリング氏が22日、コストコCEOのクレイグ・ジェリネック氏に公開書簡を送った。内容は劣悪な環境下で飼育している鶏の卵を販売するコストコに向けての抗議だ。同社の卵パッケージは牧草地に放し飼いされた鶏が描かれ、消費者をミスリードしていると批判している。ライアン氏は「米国動物愛護協会に所属する友人が先日、コストコに卸している養鶏業者の潜入捜査を行いました。死骸や糞にまみれたケージの中で鶏がぎゅうぎゅう詰めにされている劣悪な環境が捜査動画で明らかにされました」と綴り、「一方、牧草地に放牧された鶏のパッケージで、消費者を欺くコストコにゾッとします。コストコは牛や豚の飼育ケージをすでにやめています。鶏も同じように飼育するべきだと思いませんか?」と問いかけているのだ。最後に「多くの企業が人道的な商品に対する社会的需要に応え、食品物流の透明性も高めています。コストコにはケージフリー卵のみを販売することを望んでいます」と結んでいる。コストコは2007年、ケージフリー卵のみを販売する意向を発表していた。が、実際のところ実行には移されていなかったようだ。

トップ画像:コストコの卵パッケージ。牧草地に放し飼いされた鶏が描かれている。潜入捜査から得た動画から、実際はケージにぎゅうぎゅう詰めにされた劣悪な環境であることを明らかにしている。俳優のライアン・ゴズリング氏は消費者をミスリードしているとコストコを批判しているのだ。あまり気持ちのいいものではないため、当ブログでは問題となっている動画を貼らない。それでも見たい方はコチラ

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。上記エントリーにあるコストコに卸している養鶏業者とはヒランデールファーム(Hillandale Farms)です。ヒランデールファームは、2010年に起こった鶏卵のサルモネラ菌汚染事故でも問題となった企業です。動物愛護団体も最近、情報戦に長けてきています。ヒランデールファームをたたいてもニュース価値はありません。ヒランデールファームは以前も問題があったとはいえ、メディアも注目しないでしょう。潜入捜査から隠しカメラで撮影した証拠動画も、以前ほどセンセーショナルではなくなっています。で、動物愛護団体はよりスマートに情報戦を繰り広げました。ヒランデールファームの最大の取引先であり、消費者に広く名前が知られているコストコに矛先を向けたのです。しかも映画俳優を使い、コストコCEOを名指しして公開書簡という手法で抗議させたのです。比較的、家計に余裕のある人が会員となっているコストコです。

15年5月24日 - 【ウォルマート】、ハッ?世界最大の小売企業が家畜のヘルス&ウエルネスを言い始めた!

⇒コストコ会員の平均年収は7.5万ドル(約900万円)です。アッパーミドル層は価値ある買い物はしますが、チープ(安っぽい)な買い物はしません。チープなことを行っている「社会的責任が欠如した」企業は避ける傾向があります。人(従業員や取引先)や環境、さらに動物(家畜)まで大切にする社会的責任能力の高い企業が求められているのです。ホールフーズは4年前、家畜飼育の仕方で牛肉や豚肉、鶏肉を格付けする「家畜飼育5段階評価システム(The 5-Step Animal Welfare Rating)」を発表しました。例えば養鶏業者に対して「檻やかごに長期間入れられておらず、密集された状態にも置かれていない」などのステップ1から、「一度も運送されることなく、生涯同じ家畜業者(場所)で飼育される」ステップ5まで423の項目条件で評価して格付けしているのです。ウォルマートでさえ、今年5月、畜産業者に対して動物や家畜等のサステナブルな福祉ガイドラインを発表しています。
情報戦に長けている相手に「取引相手のことだから、ウチは知らん!」では済まされないのです。

後藤文俊

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