Fumitoshi Goto

オーガニックスーパー「ホールフーズ」が大幅減益

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■ホールフーズが4日に発表した第4四半期(7月~9月期)決算は、既存店ベースが6年ぶりに前年を下回り大幅な減益となった。売上高は34.4億ドルと前年同期の32.6億ドルから5.6%の増加。純利益は5,600万ドルとなり前年同期の1.28億ドルから43.8%の減少となった。原価が上昇していることに加え販促を増やしていることで粗利益率が前年同期の35.3%から34.5%と0.8%下がった。粗利益率が34.5%となったのは2011年第4四半期以来となる4年ぶり。またリストラコストがかさみ一般販売管理費率は31.4%となった。一方、既存店・売上高前年同期比は0.2%の減少。既存店ベースが前年を下回ったのは6年ぶりとなる。通年では売上高が153.9億ドルとなり、前年から1.3%の増加にとどまった。純利益は5.36億ドルと前年から7.4%の減少だった。既存店ベースは2.5%の増加。
同社はまた、再建策として人件費削減による3億ドルの節約、プリペアドフードの強化、認識改善を目的とした販促、SNSなどのマーケティング向上、インスタカートなどオムニチャネル推進、インフォア社との提携による新型ポスシステムやクラウドベースの小売管理ソリューションの導入、新フォーマット「365バイ・ホールフーズ」の出店、出店ペースの減速、社風強化の9つを発表した。
ホールフーズは現在、イギリスとカナダ、アメリカ(42州)に431店を展開している。

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ホールフーズの既存店・売上高前年同期比と店舗数の推移グラフ。直近の四半期では0.2%の減少となり、6年ぶりに前年を下回った。ホールフーズは長期目標として1,200店舗展開を掲げ、2017年度中に500店舗を目指しているが、4日に発表された9つの再建策では出店ペースを減速することも挙げている。ホールフーズの店舗数がここ数年で急増することで一部にカニバリゼーション(cannibalization:過密出店による共食い)が起きている。また、クローガーやウォルマートなど競合が低価格のオーガニックを拡大していることも影響しホールフーズは伸び悩んでいるのだ。

15年7月2日 - 【ホールフーズ】、CEOが謝罪!生鮮等プリパッケージ品の嵩上げで組織的な過大請求?

15年9月29日 - 【ホールフーズ】、1,500人をリストラ!最も働き甲斐のあるベスト企業100の圏外になる?

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ホールフーズの既存店ベースがついに前年を下回る事態になりました。しかも直近となる10月の既存店ベースは2.1%の減少と発表しています。予想できたこととはいえ、同社にとっては非常事態といってもいいでしょう。なぜなら前回、既存店ベースが前年を下回ったのは、2009年度でリーマンショックのあおりを受けた景気減速のマクロ要因だったからです。今回の既存店減は成長を急ぎ過ぎたことにより社内で歪が起きていることや、オーガニックの扱いを増やしている競合店の影響が大きいです。ホールフーズにとって痛かったのは生鮮等プリパッケージ品の嵩上げ問題です。出店目標を1,000店から1,200店に上方修正したのは2013年でした。2010年度と2011年度は約10店の出店、2013年度は30店近く出店し、2014年度は40店近くも出店、2015年度は30店の出店となっています。出店を加速しだしてから、社風が社員に思うようにつたわっていなかったのではないでしょう。

⇒ホールフーズの共同CEOのジョン・マッキー氏は直近のコンファレンスコール(業績発表後の投資家に向けた電話会議)で9つの再建策を発表しました。再建策で中核に据えたのは「基本に戻れ」というものです。したがって出店ペースは減速します(ただ新フォーマットの「365バイ・ホールフーズ」は予定通りの出店になるようです)。嵩上げ問題の表面化で社内に歪が生じたため社員トレーニングなど、さらなる投資を行うのです。一方で低価格への投資も行います。これは「ホールフーズは割高」という消費者の認識を変えるためのディスカウントです。先月はコーヒーを25セントで販売していました。そのため直近の粗利益率が34.5%と4年ぶりの落ち込みとなっています。どこまで奏功するのかは未知数です。つまり既存店ベースがプラスになるにはもうちょっと時間がかかると思います。特に出店から11年以上経過した店(全体の46%を占める)の既存店ベースが前年比1.1%増と低迷しているため増床・改装などのテコ入れも必要です。
ホールフーズにとって正念場が続きます...

後藤文俊

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