Fumitoshi Goto

マック、タコベルなどアメリカでひろがる「◯◯フリー」の動き

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■アメリカのスーパーマーケットではPOPに「〇〇フリー」と書かれていることを目にする機会が多い。「グルテン・フリー(gluten-free)」「抗生物質フリー(antibiotic-free)」「ホルモン剤フリー(hormone-free)」などだ。「存在しない」という意味の「フリー・フロム(free-from)」は食品のトレンドとなっており、外食産業にも拡大している。メキシカン・ファストカジュアルのチポトレは4月、GMO(遺伝子組み換え作物)をメニューから一掃し「GMOフリー」にすることを発表。これに続きファストカジュアルのパネラブレッドやタコベル、ピザハット、サブウェイもメニューから人工添加物の使用を中止した。この「フリー・フロム」のトレンドに「ケージ・フリー(cage-free)」も加わっている。ケージ・フリーは鳥かご(ケージ:cage)に入れずに放し飼いにした、いわゆる「平飼い」の鶏に産ませた鶏卵のことだ。ファストフード大手のマクドナルドは9月、今後10年間で使用する鶏卵をすべて平飼いの「ケージ・フリー」卵に切り替えると発表した。また今年5月、原料から人工添加物など150種類の化学物質を大幅に減らすことを発表したファストカジュアル・チェーンのパネラブレッドは11月5日、2020年までに100%ケージフリー卵にすることを発表した。16日にはメキシカン・ファストフード・チェーンのタコベルが2016年末までにすべての卵をケージフリーに切り替えると発表したのだ。今後もフリーフロムのトレンドは続きそうだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。家畜の飼育法を基準化しそれを精肉コーナーで格付け表示したのはホールフーズです。ホールフーズは2011年、家畜飼育の仕方で牛肉や豚肉、鶏肉を格付けする「家畜飼育5段階評価システム(The 5-Step Animal Welfare Rating)」を発表しました。同社が非営利団体「グローバル・アニマル・パートナーシップ(Global Animal Partnership)」と共同で開発した格付け評価は、ステップ1から最上の飼育法となるステップ5+まで色分けされて表示しています。格付けの仕方は、第三者監査機関がホールフーズの取引先となる養鶏場や養豚場、牧場に訪れて各ステップに設けた基準を充たしているかどうかで認証しています。例えば、養鶏業者だけでも「檻やかごに長期間入れられておらず、密集された状態にも置かれていない」などのステップ1から、「一度も運送されることなく、生涯同じ家畜業者(場所)で飼育される」ステップ5まで、423の項目条件で評価されるのです。

⇒家畜飼育5段階評価システムは精肉コーナーだけでなく、お肉を使っているデリでも格付けを見ることができます。不思議なのですが、ステップ1のお肉よりもステップ3のお肉の方が美味しく、またヘルシーに見えるのです。これは単なる認知バイアス(認知の偏りやひずみ)です。第三者監査機関などの権威に数字とカラーによる格付けなど目立ちやすい特徴に引きずられて、味や栄養価などの特徴についての評価が無意識に歪められる現象です。格付けだけではありません。「オーガニック(Organic)」や「地産(Local)」「フェアトレード(Fair Trade)」から「准菜食者(Vegetarian)」や「純粋菜食者(Vegan)」 、さらに最近は「グルテンフリー(Gluten Free)」「シュガーフリー(Sugar Free)」「遺伝子組み換えフリー(Non-GMO)」「乳製品フリー(Dairy Free)」「グルタミン酸ナトリウム(味の素)フリー(NO MSG)」のフリーフロムなど表示が並んでいます。そして「ケージフリー(cage-free)」です。
これまでの既存フレームでは収まりきらない付加価値を提案しないとモノが売れない時代です。従来のチェーンストア理論の枠組み(フレーム)では収まらないオムニチャネル・リテーリングが進化していることもあり、既存チェーンストア「フレーム・フリー」戦略となりますね。

後藤文俊

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