Fumitoshi Goto

「最も働き甲斐のある100社」小売り4位ウェグマンズの実力は?

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■経済誌のフォーチュン誌は3日、今年で19回目となる「2016年 最も働き甲斐のあるベスト企業100(100 Best Companies To Work For 2016)」を発表した。

小売業界でトップになったのはスーパーマーケットのウェッグマンズ。昨年の7位から今年4位となった家族経営のウェッグマンズは、このランキングが開始された1998年から毎年選ばれている常連企業だ。昨年の26位から13位に躍進したのはスーパーマーケットのナゲットマーケット。1926年創業のナゲットマーケットは従業員数1,555人、年商2.80億ドルのローカルスーパーだ。昨年の27位から14位となったのは2月14日のバレンタインデーを「愛する社員の日(National We Love Our Employees Day )」と宣言しているコンテナストア。コンテナストアは現在、ビジネスモデルを刷新すべくコンサルテーション販売に力をいれており、社員の販売スキルがこれまでになく試されるようになっている。26位にはスポーツ用品のREIが前年の58位から躍進している。45位にはベルト・ア・ベアが昨年の59位からランクを上げている。

50位以下ではイケアが63位と圏外から入ってきており、昨年81位だったパブリクスも67位に上昇した。昨年9月に1,500人のリストラを発表したホールフーズ・マーケットは昨年の55位から75位に大きくランクを落としている。700店以上を展開するガソリンスタンド併設型コンビニエンスストアのクィックトリップも54位から76位とランクを落とした。他にはカーマックス(85位)とノードストローム(92位)が100位圏内に入っている。一方、最も順位を落としたのは靴のオンラインストアのザッポス。2011年に6位となったザッポスは2012年に11位、2013年は31位、2014年は38位と落ち続け、昨年は86位と大幅に後退し、今年はランク圏外となった。ザッポスは社員1500人の役職を廃止するなど階層をなくし、組織全体に権威と意思決定を公平に広げる「ホラクラシー(Holacracy)」という経営システムを移行しているが、社員の14%がなじめないことを理由に退社したこともあり働き甲斐が減少しているのだろう。

トップ画像:ホワイト企業?全米4位に輝いたウェグマンズ。ウェグマンズ・ウッドブリッジ店が扱っていない商品(ウェグマンズの新店では扱っている)を尋ねることでカスタマーサービスのレベル感が分かる?

<2016年トップ10企業>
1 グーグル(Google:Alphabet)
2 アキュイティ(ACUITY)
3 ボストン・コンサルティング・グループ(Boston Consulting Group)
4 ウェッグマンズ(Wegmans Food Market)
5 クイッケン・ローンズ(Quiken Loans)
6 ロバートW.ベアード&カンパニー(Robert W. Baird & Co)
7 キンリー・ホーン&アソシエイツ(Kimley-Horn and Associates)
8 SAS(SAS)
9 キャムデン・プロパティ・トラスト(Camden Property Trust)
10 エドワードジョーンズ(Edward Jones)

<小売企業のランキング>(カッコ内は昨年の順位)
4 ウェッグマンズ(7)
13 ナゲット・マーケット(26)
14 コンテナストア(27)
26 REI(58)
45 ビルト・ア・ベア・ワークショップ(59)
63 イケア
67 パブリクス(81)
75 ホールフーズ・マーケット(55)
76 クイックトリップ(54)
56 LLビーン(56)
85 カーマックス(69)
92 ノードストローム(93)

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤は流通コンサルタントやコンサルティング企業、流通視察を専門に扱うエージェント、流通記事を書く記者などに対してもコンサルティングを行っています。以前なら後藤を競合他社とみなしていたところが、後藤から教示を受けているのです。なぜかというと後藤には長年の実績と圧倒的な情報・知識量があるからだと自負しています。膨大な知識は単にネットを検索するだけでなく、私自身、遠方や他州に出向いてはレンタカーを借り自分でハンドルを握って自分で運転し調査視察を頻繁に行っているからです。あまりにも遠すぎて日本からの視察グループがいけない店にもよく行きます。で、お客に成りすましてスタッフに気軽に話しかけ店の状態を探ったりもします。店長インタビューでは聞けない、現場のナマの対応からもカスタマーサービスなどの調査を行うのですね。日本からやってきた視察グループ20人ぐらいを前にしたら、店長さんは体裁の良いことしか言いませんから...

⇒リテール・イズ・ディテールです。ほんの些細な印象がそのお店のイメージを大きく左右するのです。小さいことに気づけるかどうかは流通コンサルタントにとっては重要なスキルです。例えば...ウェグマンズの様々なショッピングカートだけでなく、持ちやすいように湾曲したハンドル部や、チャイルドシートから意図的に離したドリンクホルダー、ショッピングカートのチャイルドシートにあるリトラクターベルト(巻き取り装置)などに気づけるかどうかです。で、後藤がその店のカスタマーサービスのレベルを見るときに行っている調査は、スタッフに探している商品を尋ねることです。できればその店に置いていない、扱っていない商品を尋ねるのです。その時のスタッフ対応でカスタマーサービスのレベル感が分かります。もっと具体的に言えば、ウェグマンズなどスーパーマーケットでは、同じ系列のスーパーでは扱っている商品で、その店でたまたま扱っていない、もしくはまだ扱っていない商品を尋ねるのです。

16年1月21日 - 【ウェグマンズ】、100周年1!最新店のリテール・イズ・ディテールはこの画像を見よ?

16年1月22日 - 【ウェグマンズ】、100周年②!チーズショップにオープンエアのミスティングケース導入?

⇒スーパーマーケット関係者がニューヨークに行くと必ずといっていいほど視察するのが、ニュージャージー州にあるウェグマンズ・ウッドブリッジ店(15 Woodbridge Center Dr, Woodbridge, 07095)です。マンハッタンに近くアクセスもいいので、日本からの視察グループはよく寄りますね。で、他のウェグマンズ(特に新店)にはあって、ウェグマンズ・ウッドブリッジ店ではまだ扱っていない人気商品が実はあります。それは○○。生鮮コーナーにあるもので、いずれウッドブリッジ店でも扱うと思います(オープン・ケースのチーズではありません)。先日、ウッドブリッジ店に行ったところ(忙しい日曜の午後!)、この商品はありませんでした。後藤に尋ねられたスタッフがまず、その場で確認し、すぐに専任スタッフを呼んで「このお客様は〇〇を探しておられます!」と私の二度手間を省いてくれました。「他のウェグマンズにはあったのに!」と言い張る後藤に対しては、専任スタッフは丁寧に詫びてくれましたね。
ホワイト企業全米4位(しかもスーパーマーケット!)の実力は本当にすごいと思いました。

後藤文俊

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