Fumitoshi Goto

自撮り決済が可能に?アマゾンが特許申請中

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■通販最大手のアマゾンは顔認証技術を利用した決済システムのパテントを申請していることが10日、明らかになった。アマゾンが昨年10月、アメリカ合衆国特許商標庁に出願したパテント内容は、画像や動画でユーザー認証を済ませるもので、いわば「自撮り認証」決済となっている。自撮り認証により、パスワード認証より安全にオンラインで買い物をできるようにすることが狙いとなっている。パスワードの入力では難しくすると覚えにくく、入力に手間もかかり、端末が盗難にあう危険性もある。またパスワードを入力する時、パスワードを見られないようにするため多くの場面で友達や同僚から背を向けたりする必要があり不作法で失礼にもなるため、自撮り認証を検討しているという。一方で自撮り認証ではユーザー写真を使用した成りすまし不正をされないよう、笑顔やまばたき、頭を傾けるなどの動きを求める数秒間のスナップ録画もあるとしている。特許には、一部ユーザーにとってスマイルやウインクの動きによる自撮り認証が楽しめる可能性もあると示唆している。
クレジットカード大手のマスターカードはアプリを使った自撮り認証(もしくは指紋認証)による決済システムを提供しようとしており、中国Eコマース大手のアリババでも顔認証技術を利用した決済システムのテストを行っている。なお、アマゾンは2014年9月、店スタッフと非接触で買い物ができる店舗の特許申請を行っている。

トップ画像:ワシントン州シアトル地区のユニバーシティ・ビレッジ(University Village)にオープンしたアマゾンのリアル店舗「アマゾンブックス(Amazon Books)」のレジ。アマゾンブックスで売られている書籍やキンドルなどのハードウェアの決済はクレジットカードとデビットカードだけだ。現金での支払いはできない。以下にアマゾンブックスで見つけたデジタルなところとアナログな部分を画像で紹介する。

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アマゾンブックスのレジには端末だけ置かれている。商品のバーコードをスキャンしたのちにクレジットカードをスライドするだけだ。現金決済はないため、レジ係りは商品を袋に入れるだけの作業となる。アップルストアのジーニアスバーのような相談デスク「アマゾン・アンサーズ(Amazon Answers)」でも端末が置かれており支払いが可能となっている。プライム会員はレシートもメール送付だ。

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アマゾンブックスの書籍価格は、オンラインのアマゾンストアと同一となっている。アマゾンは需給状況に応じて瞬時に価格を変動させる「ダイナミック・プライシング」を採用しているため、プライスカードによる価格提示は行っていない。店内にはプライスチェッカーが数か所置かれており、バーコードをスキャンすると即座に価格が表示される。スマートフォン・アプリでも価格チェックが可能だ。

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アマゾンブックスの入り口のドアは自動ドアではない。街にある独立系(チェーンストアではない)の本屋のようなたたずまいだ。ドアに記されているようにアマゾンブックスの営業時間は平日が9:30am~9:00pm、日曜日は11:00am~6:00pm(感謝祭とクリスマスを除く)となっている。「お店の価格とアマゾン・コムの価格は同じです」と書かれた店内POPも良く見るとクリップボードを使っている。アマゾンブックスはLEDスクリーン等をあまり使わず、本屋のアナログな部分をあえて残している。

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アマゾンブックスで買い物したときの紙の買い物袋。オンラインのアマゾンで買い物をすると商品は段ボール箱に入ってくるが、アマゾンブックスは紙袋となる。アマゾンブックスの紙袋の側面には「人気キンドル電子書籍で最も頻繁に辞書で調べられた難解語彙(Most Frequently Looked-Up Words on Popular Kindle eBooks)」と「アマゾン・コムでプレゼントされた料理本ランキング(Most Gifted Cookbooks on Amazon.com)」が書かれている。デール・カーネギーの名著「人を動かす」からは「approbation(賛成、称賛、推奨)」が辞書で調べられたワードとなっていた。

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アマゾンブックスはペット同伴で入店可能なドッグフレンドリーとなっている。富裕層が集まる地域なのでオーナーも犬のしつけを徹底しているのだろう。本好きが本屋に行くとトイレに行きたくなる現象があるが(実は私がそうだ)、本好きの犬だとどうなるのだろう?壁にもたれて、わざわざ床に座って本を読んでいるお客もいた。アマゾンブックスにはベンチシートがあるが、固いウッドフロアのほうが落ち着くのだろうか?紙本好きはアナログな人が多いかもしれない。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。3日連続してアマゾンブックスについてアップしました。本好きの後藤としては、アマゾンの本屋が気になるのです。アマゾンブックスのエントリー記事を当ブログで書いたとき「ベゾス氏が創った理想の本屋」と仮説を立てていましたから。理想かどうかはわかりませんが、アマゾンブックスは本好きが喜ぶような仕様になっていたと思います。適度に落ち着いたアナログな雰囲気があったからです。アマゾンブックスを5ツ星数で評価すると4.0ぐらいでしょうか(厳しいかな?)。顔認証による決済システムが導入されれば4.2ぐらいは上がりそうです。10人のシークレットショッパーでは4.5でしたね。彼らが指摘したように「混みすぎる狭い通路や参考書が少ない品ぞろえ、コーヒー・エスプレッソを提供するカフェテリアの不備、現金払い非対応、プライスチェッカーでの確認を要する価格非表示」はアマゾンブックスの改善点だと同意します。
アマゾンブックスの調査視察でわかったのは、商品のピックアップ場所にはならないだろうということです。なぜならストックできるようなスペースがないですし、そもそも落ち着かなくなるからです。こういった指摘については画像を交えてスカイプコンサルティングで説明したいと思います。

後藤文俊

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