Fumitoshi Goto

アマゾンが食品・飲料業界でも急成長 3年で大手スーパーマーケットと肩を並べる?

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■アマゾンがメイシーズを抜いて全米トップのファッション小売企業になると予測した投資・調査会社のカウエン&カンパニーは、数年で食品販売でも大手スーパーマーケットと肩を並べるとの分析結果を発表した。同社のアナリストによると、アマゾンは2019年までに7,950億ドル(約90兆円)となる食品販売市場で、売上高トップ10社以内になる。食品を過去30日以内にネットショッピングした年齢階層別の調査(今年2月)では、ミレニアム世代と重なる25~34歳が最も多く、21.3%となった。この結果から、25~34歳はある時点においてインターネットを利用して食品を購入する割合が28%に上ると試算している。同社では35~54歳の層が食料品支出総額の43%を担っていることから、25~34歳が消費のピークに達する頃には、半数が食品をオンライン購入するとみている。カウエン社はオンライン食品市場が今年、330億ドルになり食品小売全体では4%の割合と予想している。食品は他のカテゴリーと比べてオンライン販売の割合が低いものの、急激な市場拡大を予測している。オンライン食品市場は2021年に700億ドル(食品全体で8%)、20年後となる2036年には2,300億ドル(同18%)となると予想している。オンライン食品市場の急拡大の理由として、消費者の世代交代とアプリや注文サイトの技術改善を挙げている。オンライン食品市場の急拡大で最も大きな恩恵を受けるのが、プライム会員をもつアマゾンということなのだ。プライム・ナウなど1、2時間で食品が宅配されるプライム会員の拡大により、アマゾンはオンライン食品市場でも急成長が期待されている。カウエン&カンパニーは、アマゾンが向こう5年間で年率22%の成長を予想しており、同時にオンライン食品販売でも同38%の成長を予測している。
アマゾンは現在、食品販売ではトップ20社にも入っていないが、この成長率で数年には大手スーパーマーケットと肩を並べると結論づけているのだ。

トップ画像:スプラウツ・ファーマーズ・マーケットから2時間で配達するアマゾンのプライムナウ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。経営者は将来を見据えて経営のかじ取りを行わなければなりません。将来とは短期から長期となる5年~10年先となります。アメリカ小売業は日本の5年~10年先をいっています。アメリカ流通視察が盛んなのはタイムマシンに乗って未来を見ることでもあるのです。最近では店舗を見ても未来が見えなくなっています。オムニチャネル化により売り場を見ても、以前とそれほど変わっておらず、そればかりかお客の動線が見えなくなっているのです。勘のいい経営者なら、アメリカ小売業ではパッと見、売り場では認識できない地殻変動が起こっていると感じることができます。なぜならば経営者自身がネットで買い物したり、オンライン上での商売のネタを探っていたりするからです。アメリカに来ると、アイパッドなどを使い大手チェーンでのネット展開を確認しています。大手チェーンのEコマースも以前と比べて使い勝手が向上していることで店の売場では見えない地殻変動を感じているのですね。

⇒今の経営者に求められるのはスピードです。経営のベテランであってもフットワークの軽さが必要になってきます。大手チェーンのある経営者は後藤と初めて会った後、目には見えないアメリカ小売業の進化事例に感動し、スカイプ・コンサルティング・セッションをすぐに申し込んできました。こういった俊敏さはなかなかできないことです。今まで現場一辺倒に頑張ってきた、いわば「たたき上げ」経営者が即座にオムニチャネル展開等、方針転換をできません。今までとはまったく違う方向へ進むのですから、すぐには動けないのです。動けない理由は、未知なものに対する不安や恐れがあるからです。頭の中にある不安や恐れを解消しなければなりません。アメリカ小売業の現実を直視するのが、最も早いやり方になります。日本にいて現実をみても将来は見えてきません。毎日の差し迫った問題に追われ、将来をなかなか考えられないからです。従業員的な視点をもつ経営者では、舟をこぐことに毎日一生懸命で、「かじ取り」が難しいのです。

⇒かじ取りが難しいのは、遠くを見据えていないからです。遠くを見据えるということは、日本の5年~10年先をいくアメリカ小売業の現実を知ることです。日本の小売の延長線上にはアメリカ小売業はありません。「アメリカでは3年後にアマゾンが食品販売で大手スーパーマーケットと肩を並べる」と言っても、日本のスーパーマーケット経営者は「日本も『いずれ』そうなるかも」というぐらいで、漠然とした考えしか持ち合わせないでしょう。日本の小売の現場から「アマゾンが生モノを扱い、しかもシェアが急拡大する」様子は見えないからです。これはアメリカ小売業でも、そういった考えがあると思います。現場にいる時間が長ければ長いほど現状維持バイアスが働くからです。で、確実に言えることは、日本でもアメリカでも顧客の世代交代が起こります。それほど遠くない将来に今の20代が消費の中核になるのです。「ゆとり世代」とか「若者の〇〇離れ」等と、呑気に構えていたのでは(そんな経営者はいませんが)将来の顧客から愛想を尽かされます。
アマゾンが3年で大手スーパーと肩を並べるかは分かりませ。んが、消費者の世代交代による買い物の地殻変動は想像以上でしょう。

後藤文俊

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