Fumitoshi Goto

米小売業者「ターゲット」が主婦に好かれる理由とは?

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■ターゲットは4日、自社のクーポンアプリ「カートウィール(Cartwheel)」にサンデーペーパー(日曜紙)にあるメーカークーポンを採用したことを発表した。カートウィールはクーポンのように値引きを行うアプリで、リアル店舗のみ使用可能。アプリをダウンロードしたユーザーはフェイスブックのアカウントもしくはターゲットのアカウントから登録し、ターゲットが提供する500~700アイテムのディスカウントを受ける。多くの商品が「アーチャーファーム(Archer Farms)」「アップ&アップ(Up & Up)」などターゲットのプライベートブランド(PB)商品で、多くが5%~10%の値引き。昨年の年末商戦では毎日1アイテムの玩具が50%オフとなる販促も行っていた。値引き期間も短いもの「当日1日のみ」から、最大1ヶ月以上にも及ぶ長期間のものもある。ユーザーは購入したい商品をタップしてリストに加え(初回は11アイテムまで)、購入時に、お店のレジでバーコード(スマートフォンもしくはプリントアウトで提示)をスキャンして、値引きを受ける。カートウィールの同一商品の値引きは期限まで何度も使える。カートウィールにサンデーペーパー(日曜紙)にあるメーカークーポンを採用したことで、これまでの5%オフ、10%オフなどパーセンテージの値引きから「50セント引き」や「1ドルオフ」など金額による値引きアイテムもアップされる。
ターゲットは2013年にカートウィールを始めており「クーポンママ(CouponMom)」「クレージークーポンレディー(TheKrazyCouponLady)」「クーポンカップル(TheCouponingCouples)」などクーポンを使った節約術指南サイトでも紹介されている人気アプリとなっている。ターゲットは現在までに、カートウィールにより顧客が4.75億ドル(約510億円)以上を節約したと発表している。

トップ画像:ターゲットのカートウィール。カートウィールにサンデーペーパー(日曜紙)にあるメーカークーポンを採用したことで、これまでの5%オフ、10%オフなどパーセンテージの値引きから「50セント引き($0.50 OFF)」や「1ドルオフ($1.00 OFF)」など金額による値引きアイテムも追加されている。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ターゲットのカートウィールは人気があります。節約術指南サイトでも紹介されている他に、YouTubeでも「ターゲット カートウィール アプリ(Target Cartwheel App)」で検索すると、カートウィールを使った節約動画が数多くアップされています。アメリカではこういったクーポンを使ってガンガン節約する主婦はスマートと見られるのです。したがってターゲットに視察に行くとスマートフォン片手に買い物する女性を何人か見かけます。後藤もプライベートや視察研修でもカートウィールを使って実際に何度も買い物をしています。実際にカートウィールを利用して感じたことですが、カートウィールが成功した理由は3つあると思います。一つは値引き率の高さ。カートウィールは5%~10%の値引きですが、ターゲットのレッドカードによる5%オフや、ペーパークーポンとの併用も可能で、何度も使用できるので値引き率がダブル(2倍)からトリプル(3倍)になったりするのです。

⇒様々な工夫で値引き率が上がっていくため、節約術指南サイトやYouTubeで紹介されやすくなるのですね。値引き率の高さが一攫千金を得たようにSNS等でクチコミされるのです。二つ目はカートウィールを使う楽しみがあるところです。様々な工夫をすることで値引き率が上がるところやユーザーの利用履歴によってカスタマイズしたクーポンオファーがあるところ、利用実績の高さにより段位バッジ(Badges)が送られるところも楽しみです。バッジはカートウィールを利用すればするほどバッジが増えていき、バッジが増える毎に11アイテムの制限から利用上限が増えていく仕組みです。バッジも「Newbie」「Whiz Kid」「Shopping Buddy」「Social Saver」「Star Collector」「Offerus Maxims」「Well Connected」「Super Scanner」「Weekly Warrior」「Sir Stack a Lot」「30 Day Challenger」「One Trip Pony」「Last-Minute Louise」「Instant Replay」「Smart Saver」「Big Saver」「Uber Saver」「Benjamin」「Blazing Saver」と様々。

⇒上級者には「高額ギャンブラー(High Roller)」「天才(Genius)」「忍者(Ninja)」「魔術師(Wizard)」とバッジ等、いわゆる買い物の勲章との意味になるものもあります。クーポンで節約しながらバッジをあつめて段位をとるという楽しみは今までありませんでしたから。そしてカートウィールが人気となった理由の3つ目は利便性です。必要なクーポンの探し方はカテゴリーから検索したり、リストにあるアイテムを値引き率や人気、期限順に並び替えすることができます。また、人気食品(Top Grocery)や春の装い(Spring Looks)、ベストセラー(Best Sellers)など項目で集めたコレクションからもクーポンを選択できるようになっています。商品のバーコードをスキャンしてクーポン検索も可能となっています。そして何よりも利便性が高いのは、カートウィールを使うと、クーポンのレジスキャンが一度で済むことです。新しくメーカークーポン(新聞の折り込みチラシにあったペーパークーポン)も取り入れられたことでさらに利便性が増します。
カートウィールの課題は以前にも指摘しましたが、ターゲットのアプリとは別になっているところです。ウォルマートのセービングキャッチャーのようにアプリ機能として一つにまとめられる方が使い勝手が増します。

後藤文俊

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