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非合理な商慣行やバーゲンの悪循環...アパレル業界の問題を経産省が指摘

 経済産業省が、アパレル・サプライチェーン研究会の報告書を公開した。同研究会は、アパレル業界が直面している課題について認識を共有するとともに、中長期的な産業の発展を目的に、2015年12月から「サプライチェーンの再構築と設備投資」「オムニチャネル化と製造・物流の合理化」「輸出拡大と海外拠点の活用」といったテーマで議論を重ねてきた。非合理的な商慣行をはじめ、商品開発力の低下、バーゲンの悪循環などを課題に挙げている。

 報告書では、過剰供給(オーバーサプライ)の問題に関して、シーズン商品でありながら正価で売り切ることができず価格を下げることが常態となり、品質の低下につながっていると指摘。こういった業界の慣行が消費者による正価への不信感を招き、消費意欲の減退に結びついていると分析した。また、多くのアパレル企業がコスト削減を理由に独自性のある商品ではなく無難な流行品に偏り、価格競争でしか消費者にアピールできない商品が増えているとし、結果として商品の陳腐化と更なるコスト競争を招く悪循環に陥っているという現状を明らかにした。

 アパレル企業と製造事業者の間では「歩引き」や「未引取り」といった古い慣行が残り、川上の負担が問題となっている。また、アパレル企業と百貨店の間で行われる委託販売では、小売側は売れ残りのリスクを追わない一方で在庫不足による機会損失のリスクがあるため、過剰注文と在庫が生じやすい。委託販売方式から国際的に一般的な買収方式への転換、あるいはアパレル企業による直販売などの多様化が望ましい。こういった商取引慣行の改善が、サプライチェーン内の関係を再構築していくために必要不可欠だとしている。

 課題に対して民間事業者がすべき取り組みとして、「商取引慣行の是正」「消費者ニーズの把握」「設備投資と生産性の向上」「人材の確保と育成」「デザインと企画、製造の融合、ブランディング」「海外市場への展開」「海外に向けたファッションの発信」などを挙げ、研究会員が所属する業界団体などを通じて改善を働きかける。政府が担う取り組みとしては、外国政府との交渉や規制の見直し、サプライチェーンの再構築支援といった方向性を示した。

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