Fumitoshi Goto

ウォルマート、アンドロイド版のスキャン&ゴー発表

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■ウォルマートは9日、アンドロイド・アプリの「ウォルマート・スキャン&ゴー(Walmart Scan & Go)」を発表した。アイフォン・アプリのウォルマート・スキャン&ゴーは既に提供されている。スキャン&ゴーはスマートフォンにダウンロードしたアプリでお客自身が商品バーコードをスキャンしながら買い物を行うシステム。ウォルマート傘下のメンバーシップ・ホールセール・クラブのサムズクラブは昨年10月、同システムの「サムズクラブ・スキャン&ゴー(Sam's Club Scan & Go)」を全店に導入した。使い方はサムズクラブのスキャン&ゴーのアプリをダウンロード。アプリを起動後に会員番号を撮影などで入力し、事前にクレジットカード情報も登録しておく。サムズクラブではアプリを開いて購入する商品のバーコードをスキャンしていく。買い物が終われば、アプリ上で「チェックアウト(決済)」を行う。外へ出る前のレシートチェックでは、出口にいるチェッカーにアプリ上にあるバーコードを見せスキャンするだけ。その後はチェッカーがカート内の商品を1品毎チェックして確認する。レシートはeレシートでアプリ上に保管されることになる。
 サムズクラブ・スキャン&ゴーはサムズクラブの全655店で利用可能だが、ウォルマート・スキャン&ゴーは現在、アーカンソー州ロジャースにあるスーパーセンター1店のみでの利用となる。ウォルマートは2011年9月、旧バージョンとなるスキャン&ゴーを開始、スーパーセンターやサムズクラブなど200店まで導入を拡大したが3年後にテストを終了した。ウォルマートは2015年からスキャン&ゴーのテストを再開し、サムズクラブでは徐々に拡大しながら昨年10月に全店での導入にいたっている。なお旧バージョンとなるスキャン&ゴーは、セルフチェックアウトレジで決済する必要があったが、新しいスキャン&ゴーではアプリにクレジットカード情報も登録しておくことでアプリ上での決済が可能となっている。そのため、セルフチェックアウトレジさえ素通りが可能となるのだ。
 ゲームチェンジャーと言われるスキャン&ゴーがウォルマートでも拡大されるのかを業界は注視している。

トップ画像:ウォルマート・スキャン&ゴーのアプリ。スキャン&ゴーはスマートフォンにダウンロードしたアプリでお客自身が商品バーコードをスキャンしながら買い物を行うシステム。事前にクレジットカード情報もアプリ登録しておくことで、決済はアプリ上でできる。スーパーセンターのレジを素通り可能となる。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。サムズクラブにスキャン&ゴーが導入されて以降、サムズクラブで頻繁に買物をするようになりました。喩えると、スキャン&ゴーを使った買い物は「近所の倉庫に品物を取りに行く」という感じです。商品バーコードをスキャンしてワンタップ決済です。レジを素通りするので、お店で買物をしたという印象が残らないのです。熱々のロテッサリーチキン(チキンの丸焼き)は売り場でスキャンした後に保温バックに入れそのまま持って帰ります。レジを素通りできるので保温バックから出すことはありません。スキャン&ゴーは後藤が経験した中でも、最大のショッピング革命といってもいいほどの衝撃です。で、スキャン&ゴーでもっと買い物をしたいと思うのですが、メンバーシップ・ホールセール・クラブ業態は商品アイテムが絞られ多くが大量パッケージで販売しているため、買いたくても買えないのです。それでもサムズクラブで買わなかったものまで買っています。

16年11月9日 - 【サムズクラブ】、地味にスゴイ!レジ素通りできるスキャン&ゴーがショッピング革命?

⇒サムズクラブ全店で行われているスキャン&ゴーをウォルマートでも拡大しようとしています。エントリー記事にあるのはアーカンソー州ロジャースのスーパーセンター1店のみでテストを行っているウォルマート・スキャン&ゴーに、アンドロイドでもアプリを発表したという極小さな話題です。一見、小さいのですが意味は大きい。iOSのアイフォン利用者に比べ、アンドロイドのスマートフォンの利用者は多くなります。一店舗のみのテストでも被験者が増えるので、テストとしてはかなり本格的になります。ウォルマートがスキャン&ゴーで何をテストしているのかというとロス率。スキャン&ゴーの拡大で万引きや盗難がどれだけ増えるかを実験しているのです。サムズクラブは年会費45ドルを払っている会員しか買い物ができません。コストコを含めメンバーシップ・ホールセール・クラブ業態のビジネスモデルは、低所得者層がおのずと排除されるのですね。したがってスキャン&ゴーを悪用してまで不正をする人は少ないだろうと予測できます。

⇒それでも数ドルぐらいはちょろまかすことぐらいは可能です。例えばステーキを購入する場合、最も軽いステーキのパッケージをスキャンする一方で、持って帰るのは最も重いステーキ(つまり高額)にすり替えるのです。チェッカーはレシートと実際の商品数は確認しても、価格までは確認しませんから。一方、不特定多数が買物できるウォルマートではスキャン&ゴーのアプリにクレジットカードを登録しさえすれば利用は可能です。アイテム数はサムズクラブの4,000品目程度に比べてスーパーセンターは最大15万品目近くもあります。スーパーセンターの買い物客はショッピングカートを満杯にして買い物します。スーパーセンターにも出口にチェッカーはいますが、ざっくりでしか確認しません。何十品目も購入していれば、10品目ぐらいスキャニングを誤魔化すことぐらいは可能です。安いステーキ肉をスキャンして、持って帰るのは高額なリブアイステーキという輩もでてくるでしょう。
 ウォルマート・ロジャース店のテストはそういった悪用やスキャンスルーの万引きがどれだけ増えるのかを確認・検証するのです。ロス率に比べて評判が良く売上に貢献していればテスト拡大です。4,000店以上で導入なら本当にゲームチェンジャーです。

後藤文俊

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