Fumitoshi Goto

アウトレットセンターはバイヤーのために?

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■アウトレットセンターを専門にするバリュー・リテール・ニュース(Value Retail News)誌は2年前、アウトレットセンターについてのレポートを発表した。レポートによると、アメリカ国内にアウトレットセンターは215ヵ所ある(2015年末時点)。2013年の201ヵ所から14ヵ所も増えていたのだ。アウトレットセンターの総賃貸面積も2013年の7,900万平方フィート(221万坪)から2015年は8,350万平方フィート(234万坪)と5.7%増加していた。アウトレットセンターの坪売上も成長しており、2013年の1平方フィート当たり532ドルだった坪売上が2015年は同546ドルになっていた。売上低迷に陥っていたデパートメントストアなどのチェーンストアをよそにアウトレットセンターは元気が良かったのだ。しかしアマゾン・プルーフと思われていたアウトレットセンターにも陰りが見え始めたようだ。北米(国内22州とカナダ)に43ヵ所のアウトレットセンターを運営するタンガー・ファクトリー・アウトレット・センターズは2018年中、アウトレットセンターを新規にオープンしない。新規に開設しない理由は明かされていないが、理由として以前ほど客が集まっていないとみられている。サテライトを使いショッピングセンターの駐車台数から集客数を分析する調査会社RSメトリクスによると、タンガーの集客数は微増にとどまっている。アウトレットセンターの集客数は以前ほど伸びていないというのだ。アウトレットセンターの取得や開発、運営、管理を行っているタンガーは今年初め、2017年度の決算で下方修正を行った。
アウトレットセンターの集客が落ちている原因としてTJマックスやノードストローム・ラックなどオフプライス業態の増加が挙げられる。またアウトレットセンターが郊外から都市近郊にオープンするようになり飽和状態からカニバリゼーション(共食い)も要因と考えられているのだ。一部にアウトレットセンターの商品がネットでも買えるようになったことで、わざわざ出かける人を減らしているのかもしれない。いずれにしてもアウトレットセンターは以前ほどの輝き失っているのは確かなようだ。

トップ画像:ニューヨーク州セントラル・バレー地区にあるアウトレット・ショッピングセンターのウッドベリー・コモン。ニューヨーク観光に来た外国人観光客からの人気も高いアウトレットだが、先日訪れたときは客数が落ちているように感じた。アウトレットの地殻変動の影響を受けだしたのか?
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。アウトレットセンターに行くと、大きなスーツケースなどを持ち歩いているお客を見かけます。中国などアジア人に多いのですが、多くはブランド品のバイヤーです。アメリカ国内のアウトレットセンターでブランド品のバッグなどを安く購入して本国に送り、お店やネットで売るのです。バイヤーといってもアルバイト(手軽な小遣い稼ぎ?)がほとんどです。アウトレットにある人気店には、レジに長い行列となっているところもあります。人気ブランドによっては購入制限がありますが、一人で目一杯購入しようとするバイヤーが多く、レジ待ちに時間がかかってしまうのです。観光や視察でアウトレットセンターに寄って買い物する場合、スタッフにバイヤーではないことを告げればレジを優先的に通してくれます。商品をおおくても数点持ってレジ待ちに並んでいるとスタッフが見つけて優先してくれます...それだけバイヤーが多いということです。

15年10月3日 - 【アウトレットセンター】、ライフスタイルなアウトレットも!そのうち飽和状態になる?

⇒先日、ニューヨーク州セントラル・バレー地区にあるアウトレット・ショッピングセンターのウッドベリーコモンに行ってきました。マンハッタンから1時間20分程度の距離で田舎です。6月なのに気温が30度を超える日でした。ウッドベリーコモンには何度も行っていますが、以前ほどお客がいないことに驚きました。後藤は当ブログでアウトレットセンターが飽和状態に陥るリスクを指摘しています。アウトレットセンターの飽和状態が予想よりも早くなっているようです。背景として考えられるのは「地殻変動」。アウトレットで購入できる商品もネットで購入できるようになれば、また日ごろからアマゾンで買い物するようになると、買い物に出かけるのも億劫になります。後藤は消費者の購入行動パターン(習慣)が変わることを地殻変動と喩えています。ネットで買えるのなら、遠方で田舎にあるアウトレットセンターへ時間をかけて行くのを止めて、旅行中の買い物時間を他の観光に充てることもあるでしょう。
地殻変動でアウトレットセンターも、気づけばバイヤーばかりだったりして...

後藤文俊

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