Fumitoshi Goto

スターバックス、モバイルオーダーが12%に

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■コーヒーチェーン最大手のスターバックスは第2四半期(1月~3月期)の決算発表で「モバイルオーダー&ペイ(Mobile Order & Pay)」が注文の12%に達したことを明らかにした。

モバイルオーダー&ペイは事前注文・事前決済。同社のアプリからコーヒー等を注文し、アプリ内にある金額をチャージしたギフトカード(プリペイドカード)から支払う仕組みとなっている。利用者はスターバックス・アプリで最寄りのスターバックス店を指定しメインメニューの「注文(Order)」からフラペチーノやサンドウィッチ等を選択する。ピックアップまでのおよその時間が表示され、注文ボタンをタップすれば注文が確定され決済完了となる。

店では注文を受信すると、スターバックスの厨房にあるプリンタが注文ステッカーを発行する。注文ステッカーには顧客名とメニューが書かれており、該当するサイズのカップに貼って、バリスタがコーヒー等を準備するのだ。

モバイルオーダー&ペイは、前期となる第1四半期(10月~12月期)では11%、前年同期は8%だった。また、アプリ決済等を行えるスターバックス・リワード会員(Starbucks Rewards)はアメリカ国内で売上の39%に達している。

スターバックスは前年同期の決算発表で、モバイル・オーダー&ペイの急速な普及により客離れのトラブルを起こしていたことを明かした。通勤前などの忙しい時間帯にモバイル注文が殺到するためバリスタがその対応に追われ、レジに並ぶお客の接客が遅れがちになってしまっていたのだ。

改善策として「ウェーブ1~3アクション(Wave 1 to 3 action)」オペレーションを行っている。ウェーブ1ではピーク時の対応の研修を行い、人員増やモバイルオーダー&ペイ専任スタッフ「デジタル・オーダー・マネージャー(DOM:Digital Order Manager)」の追加が盛り込まれている。

ウェーブ2はタブレット端末を使ったDOMのスケジューリングや具体的な実務の徹底となる。DOMはネットからの注文をリアルタイムでバリスタと確認しながら、利用者にはオーダー完了などのデジタル通知を行い、コーヒーでいっぱいとなった受け取りカウンターの整理を行う。

ウェーブ3ではモバイルオーダー&ペイ対応の機器の導入や、モバイルオーダーに最適化されたレイアウトなど店舗開発・改装となっている。スターバックスではすでに1,000店以上でDOMの配置を完了しており、ウェーブ3のモバイルオーダー&ペイ対応店への改装も昨年10月から始めている。

スターバックスの第2四半期の売上高は前年同期比で約14%増となる60.3億ドルだった。純利益は6.60億ドルで、前年同期の6.52億ドルから1%増加した。アメリカ国内の既存店ベースは2%の増加だった。会員サービスの「マイ・スターバックス・リワード(My Starbucks Rewards)」の会員数は国内で前年同期比12%増となる1,600万人となっている。

トップ画像:シアトル市内のラッセル・インベストメント・センター(1301 2nd Ave, Seattle, WA 98101)にあるスターバックス。ここではキャッシュレスの実験を行なっている。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤は昨年、「BLOGOS AWARD2017」で銀賞を受賞した際、編集部からインタビューを受けました。アメリカのキャッシュレス化のトレンドについて聞かれたので、日本でもキャッシュレス化が進んでいくと話しました。若い人たちが消費の中核に入ってくるとキャッシュレス化が加速するのです。その兆候が、調査サイトの「しらべぇ」が行った調査に現れています。「しらべぇ編集部が全国20代~60代の男女1,328名を対象に『支払い時に小銭を細かく出す行為』について調査したところ、『カッコ悪い』と感じている人は全体の14.4%――快く思っていないのは、およそ7人に1人だった。性年代別で見てみると、特に多いのが20代男女と30代男性、そして60代の男性」とあります。価値観は世代によって変わりますが、小銭を出す行為でさえ、若い人はカッコ悪いと感じているのです。若い層には、小銭を出さずにスマートに見えるように支払いをしたい人が多いのです。

⇒そういえば以前、情報・ワイドショー番組の「ワイドナショー」で、山崎アナが「会計680円に1,180円払って500円玉を貰おうとする魂胆が気持ち悪い」と述べて話題になっていました。この意見に対してどう思うかより、こういった人がいるという事実に目を向けなければなりません。若い人たちが消費の中核に成長し、電子決済や電子マネーが増えてくれば小銭を貰うことがマイノリティになる可能性があります。その頃には、スターバックスやマクドナルドでレジ行列に並ぶこともないでしょう。レジに並んでオーダー後におサイフケータイ等の電子マネーで決済するより、モバイルオーダー&ペイが便利でスピーディでスマートだからです。「清潔だから」という理由もあとで加わるかもしれません。さらに「レジ係と向き合って注文するのに抵抗があるから」という理由もでてくるかも。スターバックスのモバイル・オーダー&ペイが全体の12%を占め、普及の鈍化が見られないことから、どんな理由であれ日本でも急成長します。
で、我々が考えなければならないのは日本のスターバックスやマクドナルなどファストフードでモバイルオーダーが普及したあとの、スーパーなどへの影響です。

後藤文俊

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