Fumitoshi Goto

米小売ターゲット、客数が過去10年以上で最大の伸び

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■ターゲットが23日に発表した第1四半期(2月~4月期)では、客数が過去10年以上で最大の伸びになった。またキャッチアップしているEコマースも伸びたことで売上に寄与した。

売上高は前年同期比3.4%増となる167.8億ドルだった。純利益は減税効果で7.18億ドルと同5.9%の増加となった。

Eコマースの売上増に伴い粗利益率は前年同期の30.0%から29.8%と0.2ポイント減少。一般販売管理費率は20.7%から21.1%に0.4ポイント増加となり、営業利益は前年同期から10%近く減少した。営業利益率は前年の7.1%から6.2%になっている。

既存店・売上高前年同期比は3.0%の増加だった。前年同期は1.3%の減少だった。既存店ベースの内訳は客単価が0.6%の減少となったものの、客数が3.7%の増加となり、増加幅はここ10年以上では最大となった。天候不順により気温に左右される商品の売れ行きや悪かったが、食品や日用品などが牽引した。

Eコマースは前年同期比28%の増加となり、既存店の集客にも寄与したという。オンライン売上は第1四半期で売上全体の5.2%を占めるにいたっている。前年同期は同4.2%だった。

ターゲットは国内に1,829店を展開しており、その内訳はスーパーセンター業態など4,760坪以上の大型店が274店(前期から横ばい、前年同期から2店減少)、1,400坪~4,760坪未満の通常のディスカウントストア・フォーマットは1,502店(前期から2店増、前年同期から3店減少)となっている。「フレキシブル・フォーマット(flexible format)」と呼ばれている1,400坪以下の小型店は前期から5店舗増やし53店舗となった。都市に展開するフレキシブル・フォーマットは前年同期(26店)から2倍のペースでの増加となっている。

ターゲットは洗剤やシリアルなど日用品や非生鮮食品などを翌日に宅配する「ターゲット・リストック(Target Restock)」で手数料を減額し全店で展開することを発表した。ターゲット・リストックの対象商品は毎日の生活で欠かせない日用品や雑貨、生鮮品以外の食品、健康、ベビー、ビューティ関連、パーソナルケア、ペット用品など3.5万品で、45ポンド(約20キログラム)まで注文が可能。注文は月曜日~金曜日の午後7時までに行うと翌日には宅配される。日曜日の宅配サービスはない。

ターゲット・リストックの手数料はこれまでの一律4.99ドルから、ターゲットの自社カード「レッドカード(REDCard)」保有者には無料となり、その他は2.99ドルとなる。ターゲットは昨年夏、リストックを対象商品1万品目でミネアポリス/セントポール地区にあるターゲットから開始していた。なおレッドカード保有者には、アプリを使った独自のモバイル決済システム「ウォレット(Wallet)」の利用や合計金額から5%の値引き、ターゲット・コムでの送料無料のサービス特典がある。

ターゲットは今年中にカーブサイド・ピックアップ・サービスの「ドライブ・アップ(Drive Up)」を1,000店に拡大する。カーブサイド・ピックアップは利用者がネットで注文した商品を指定されている店舗駐車場にて店のスタッフから受け取るサービス。通常、利用者は車から降りる必要はなく、注文品はスタッフがトランクに積んでくれる。

カーブサイド・ピックアップは、大手チェーンストアでは競合ウォルマートが生鮮品などを対象に「ウォルマート・グローサリー(Walmart Grocery)」で行っており、スーパーマーケットチェーン最大手のクローガーも「クリックリスト(Clicklist)」というサービス名で傘下のスーパー等1,000店以上に拡大している。

ターゲットはまた買収したオンデマンド買物代行・宅配サービスのシプツ(shipt)による当日宅配サービスの拡大も行っている。ミネアポリス郊外などのターゲットで3月初めから開始した当日宅配は440店舗に広がっており、今後はニューヨーク市やボストン、シカゴ、サンフランシスコなど大都市圏のターゲットにも展開。ターゲットはシプツを5.5億ドル(約620億円)で買収後、今年中に約半数で当日宅配サービスを開始すると発表。2018年の年末商戦までにほぼすべての店舗で当日配送を可能にすると宣言していた。

18年1月28日 - 【ターゲット】、画期的モバイル決済なウォレット!レジ時間が大幅に短縮する理由とは?

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。コンサルティング依頼の問い合わせでは(当社が担当するかどうかにかかわらず)必ずアプリ等を使ったワークショップをおこなうよう強調しています。アメリカ小売業を視察する際、アプリを使ったワークは必須です。ターゲットではアプリ機能の「カートウィール」とモバイル決済の「ウォレット」を使った買い物を行います。ウォレットはいわゆるフィンテックですが、クーポン機能のカートウィールと併用することで大変便利な機能になっています。いつもここで繰り返すことに恐縮しますが、次世代ショッピングは体験してみないことには利便性が分かりません。したがって「アメリカの小売業視察では必ずアプリを使ってみてください」と繰り返しているのです。ターゲットはカートウィールにナビゲーション機能も付加させるようでさらに楽しく便利な買い物になります。オムニチャネル化を進めIT投資を行えば、その分、利益が減少します。決算にもアマゾンエフェクトです。
ターゲットは遅れていたオムニチャネル化でキャッチアップし、そろそろ結果が出てきています。

後藤文俊

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