Fumitoshi Goto

部門マネージャーの仕事を学べる、シュミレーションアプリ「スパークシティ」が話題

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■ウォルマートが先月、一般公開したシュミレーションアプリ「スパークシティ(Spark City)」が話題だ。スパークシティはウォルマート・スーパーセンター内でのバックルームや売り場で在庫管理や商品補充、価格カードの変更等をしながら、同時に接客を行い売り場で起こる緊急事態に対処し、ポイントを得るというもの。スパークシティはウォルマートの部門マネージャーが毎日行っている業務をシュミレーターにしたのだ。

アイチューンズでは10月20日時点で89件のレビューがついており、5ツ星評価では4.3と高評価だ。カスタマーレビューには「このゲームは自分の仕事を最も正確に且つ驚くほど楽しくしたガチのシュミレーターだ」「日々の業務や作業中に上司から別の指示を受けたりと間違いなくドンピシャだ」とウォルマート・アソシエイツ(従業員)と思われる人からコメントがついており、「わたくしはウォルマートでなくターゲットで働いていますが、このゲームは小売店での働き方をいかに的確に行っているかを証言できます」など絶賛するレビューもあるほど。

スパークシティはウォルマートがもつ200ヶ所の研修センターでも使用されているリアルなシュミレーターなのだ。ウォルマートは「店舗スタッフにベータ版を試してもらいフィードバックを得てスパークシティを開発しました」と胸を張る。一般公開しているものの、スパークシティは新人に向けたトレーニングで使用する。シュミレーター訓練による技能向上ではインストラクターからフィードバックを行い、グループディスカッションなどで問題解決も図るようにデザインされているのだ。

スパークシティはプレイヤーがアソシエイツになって在庫指標の「OSCA(on shelf customer availability)」にカスタマーサービス指標の「CFF(clean fast friendly)」そして売上の「セールス(Sales)」の3つのKPIを向上させ、維持することが目標となる。なおOSCAは91%、CFFは95%、セールスは-10%からスタートする。10月20日時点で各KPIの最高ポイントはOSCAが98%、CFFが102%、セールスは+10%となっている。

ポイントを得られると「+OSCA」「+CFF」「+セールス」と表示され、ガッツポーズを決めるキャラクターの頭上に紙吹雪が舞い、ごく短いファンファーレが鳴る。逆にポイントが減ると各KPIにマイナスがついての表示だ。さらに大きなマイナスKPIの場合、左側に赤いマークで「スピル対応を見逃す」「万引き犯が(商品を盗んで)店を出る」、10フットルールを怠った「客を無視」などの理由が現れる。

1日の就業時間は午前7時~午後4時まで。午前11時から1時間のランチタイムをはさんだ8時間となる。

頭の上にウォルマートの黄色いコーポレートロゴが回っているのがキャラクターだ。キャラクターの動かし方はフロアをタップするとウォルマート・ロゴ(オレンジ色)が表示され、その方向に向かうことになる。

タスクのアイコンをタップするとキャラクターがその業務に従事する。また画面をピンチイン・ピンチアウトでバックルームや売り場を拡大・縮小し、2本の指を動かすことで3Dとなる売り場のアングルの変更も可能となる。

ゲームはキャラクターの「性別」や「ヘアスタイル」「スキンカラーや顔」「シャツ」「ズボン」の選択から始める。次に担当部門を選ぶのだが、10月20日時点では加工食品など「グローサリー・ドライ・グッズ(Grocery Dry Goods)」だけとなっている。

スパークシティは実際に研修でも使用しているため、今後は「園芸部門(Lawn & Garden)」など他の部門も選択できるようになるという。ドライグローサリーを選択すると、部門マネージャーでは先輩キャラクターとなるシンシアがゲーム内容を説明するのだ(続く)。

トップ画像:スパークシティのスクリーンショット。スパークシティはプレイヤーがウォルマート・アソシエイツになって在庫指標の「OSCA(on shelf customer availability)」にカスタマーサービス指標の「CFF(clean fast friendly)」そして売上の「セールス(Sales)」の3つのKPIを向上させ、維持することが目標だ。毎日のタスクをこなしながら、想定外に起こるスピル(spill:飲み物等がこぼれてフロアが濡れている状態:お客が転倒し訴訟になりやすい)等に対応する。

タスク・アイコンに「1d」「2d」とあるのは1日遅れ、2日遅れという意味だ。アシスタント・マネージャーからの様々な指示に対処しエンド陳列やプライスカードの変更、商品棚の整理を行う業務がどんどんたまっていく一方で、売り場に入ってきた怪しい万引き犯(赤いアイコン)にも対処しなければならない。研修で使われるほどリアルな現場の再現だ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。先日のコンサルティングセミナーで「本当に休んでいないのですか?」と聞かれました。10年以上にわたって後藤は24時間以上、仕事以外の事をしたことがありません。後藤は毎日、ブログを書いています。ブログを書きためて予約でアップロードしながら休日を作ったということもありません。平成生まれの女性から休んでいないことを確認されると言葉につまりました。昭和時代と異なり、ワークライフバランスを重視される現在はあまり褒められることではないからです。休んでいないのに平気なのは今の仕事が楽しいからです。アメリカ小売業の変化は知的好奇心をくすぐるので楽しいのです。でもまさか自分がシュミレーターの解説までやるとまでは思ってもみませんでした。ウォルマートのスパークシティは小売りの現場の仕事を紹介するシュミレーター・アプリです。シュミレーターといってもとてもよくできていてゲーム感覚で部門マネージャーの仕事を学べます。
シュミレーターは日本で入手困難!当社のIT&オムニチャネル・ワークショップではクライアントにウォルマートのシュミレーターを使って部門マネージャーを体験します。

後藤文俊

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