Fumitoshi Goto

ウォルマート、世界最大のポスター・絵画オンラインショップ「アート・コム」を買収

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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【ウォルマート】、ポスター・絵画ECを買収!日本のチェーンストア理論はすでに崩壊?

■ウォルマートがネット通販分野での投資を再加速している。ウォルマートは6日、世界最大のポスター・絵画オンラインショップ「アート・コム(Art.com)」を買収したことを発表した。買収額は明らかにされていない。

CNBCによると、1998年創業のアート・コムの年間売上高は3億ドル(約340億円)以上。

アート・コムの取扱商品にはアートプリントやインクジェットプリンターで印刷されたジクレープリント、限定版などの印刷商品があり、200種類以上のカスタムフレーミングサービスにキャンバス・プリント、パネル加工、ラミネート加工などの付帯サービスも提供している。傘下のオールポスターズ・コム(Allposters.com)ではポスターの他、ウォールステッカーやTシャツ、ブリキ看板、タペストリーなども充実している。

またアート・コムのアプリでは、ARシュミレーター「アートビュー(ArtView)」を使うことで選択したポスターや絵画をスクリーン上に映る部屋の壁に重ねて確認することも可能だ。なおアート・コムでは100%保証もあり、絵画が気に入らなければ返品も可能だ。

ウォルマートでは買収後もアート・コムをウォルマート・コムに統合せず、独立したオンラインショップとして運営していく。一方でウォルマート・コムやジェット、オンライン家具販売のヘイニードル(ジェットが2016年2月に買収)で順次取り扱うことになるという。

ウォルマートは2016年8月、ジェットを3.3億ドルで買収した。その直後、ウォルマート・グローバルEコマースのトップにジェット創業者でCEOのマーク・ローリィ氏が就任。

ウォルマートの傘下となったジェットは靴のオンラインショップの「シューバイ(ShoeBuy)」、アウトドア用品販売の「ムースジョー(Moosejaw)」、ビンテージ&レトロ風レディース・ファッションブランドの「モドクロス(Modcloth)」、オンライン・メンズアパレル・ブランドの「ボノボス(Bonobos)」を買収した。

ボノボスの共同創業者であるアンディ・ダン氏は現在、ローリィ氏の直属の部下で買収したブランドを監督する立場となっている。

今年10月にはプラスサイズブランドの「エロクイ(Eloquii)」とランジェリーのオンライン販売を手掛ける「ベア・ネセシティーズ(Bare Necessities)」をそれぞれ買収した。同じ時期にカー用品販売大手の「アドバンス・オート・パーツ(Advance Auto Parts)」との提携も発表している。

ウォルマートはオンラインストアの買収等で商品点数を拡大しながらディストネーションストアとしてアマゾンに対抗しているのだ。

トップ動画:ウォルマートが買収したポスター・絵画のEC企業、アート・コムのアプリ機能「アートビュー(ArtView)」ARシュミレーター。選択したポスターや絵画をスクリーン上に映る部屋の壁に重ねて確認する。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤は数年前から「日本のチェーンストアの原則は、アメリカですでにメルトダウン(崩壊)している」と強調しています。チェーンストアの原則として掲げられている「豊かさの大衆化」はもう時代にそぐわないのです。モノあまりの時代では実店舗で、3億以上の品揃えを誇るアマゾンに勝てません。大衆化ではなく、今は個人化、つまりパーソナライゼーションです。いかに個々のライフスタイルや嗜好・価値観にあったものを提供できるかです。さらに提供の仕方(買い物の仕方)も、オムニチャネルで個々に最適化できているようにデザインされていなければなりません。ウォルマートがポスターや絵画のオンラインショップ、アート・コムを買収したのが何よりも証左でしょう。ポスター・絵画のイメージだけで200万種類以上もあります。価格でもピンキリとなる絵を同社アプリのARシュミレーター「アートビュー(ArtView)」を使って、自分の部屋にあったものを精査して選べるのです。
最大公約数的にモノを提供するだけでは豊かさになりません。個人のライフスタイル、嗜好、価値観を満足させることが豊かさになるのです。

後藤文俊

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