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H&Mが苦戦、ファーストリテイリングに抜かれる日も近い?

ファッション流通ブログde業界関心事

ファッション流通コンサルタント ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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1月31日に発表されたH&Mの2018年11月期決算は

売上高 2兆5,311億円(5%増)
営業利益 1,863億円(25%減)

の増収大幅減益でした。SEK=12.03円で換算

これは3年連続の増収大幅減益で

営業利益率は3年前の14.9%と比べ
7.4%と大幅に収益率が下がっています。

四半期ごとに振り返ると・・・

2017年の第4四半期の失策により過剰在庫を抱えた
2018年の第1四半期=冬シーズンに大幅値下げを強いられ、

第2四半期=春は長引いた寒波のあおりを受け苦戦、

第3四半期=夏と秋 以降は粗利回復も
出店と物流および出遅れたデジタルシフトへの投資が先行し、営業利益率は下がります。

同社はこの1年も引き続き出店を続けて

アメリカ、中国、イギリス、ドイツの大国に集中出店して

229店舗を増やし4,968店舗としましたが、

42店を純増させて578店舗としたアメリカで

店舗が増えたにもかかわらず、まさかの6%の減収と苦杯を喫しました。

一方、ロシアや東欧は大きく伸ばしているようです。

日本は6店舗を増やし91店舗となり1%増の550億円

1店舗あたりの販売効率はまだ世界平均の1.2倍ありますが・・・

一時期よりもだいぶ落ち着きましたね。

これにより

先に決算発表をした

世界第3位のユニクロのファーストリテイリング(FR)の2018年8月期

売上高   2兆1,300億円
営業利益額 2,362億円

と比べると

H&MとFRの売上高の差は18%程度に縮まり・・・

営業利益は・・・

なんとFRがH&Mを上回った、

いやH&MがFRを下回る結果になったことがわかります。

今の勢いですと、

2-3年もすればFRはH&Mの売上を抜き、

世界第2位の売上高のアパレルチェーンに浮上する可能性も出てきましたね。

気になる世界一のZARAのインディテックスは

第3四半期までで

売上高    7.4%増収、
営業利益額 3%増 (各国の現地通貨ベースでは14%増)

粗利率は58.0%と0.6%増、
営業利益率16.7%は変わらず。(いずれも前年同時期比)

という、伸び率は少し下がっていますが、収益率をキープした中間実績。

ちなみに同社の店舗数は
7,442店舗と前年比62店舗を減らし

スクラップ&ビルド中で売場面積を拡大しながらデジタルシフト投資の真っ最中。

利益率を下げ、苦戦するライバルたちを尻目に

出店を抑え、中期的な成長調整期間に入った感があります。

ここ最近のH&Mの苦戦は

1.リアルでは価格で下をくぐるプライマーク
オンラインではASOS、Boohooなどの
ウルトラファストファッション勢の台頭

2.H&MのCEOが自ら指摘するように
デジタルシフト対応の遅れ
EC売上は22%のびてEC売上比率は14.5%も
ZARAらに比べ、オンラインと店舗を融合する
オムニチャネル対応が遅れていること

3.低賃金を追った生産地のシフトとリードタイムの長期化と
自らが扱うファストファッションのあるべき店頭商品回転とのギャップの拡大

の3つにあると見ています。

この

・価格で下をくぐってくる企業の台頭と競合

・ショッピングのデジタルシフトの出遅れ

・安い人件費、低い原価を追うがための生産リードタイムの長期化

の問題は決してH&Mら大手グローバルSPAだけでなく・・・

日本のファッションチェーンにとっても
他人事では済まされない教訓ではないでしょうか?

H&Mは今後、

Find in store 近隣店舗在庫照会
Click&Collect オンライン注文の店舗受け取り
Scan&Buy  店舗からのオンライン注文
In-store mode スマホを店内モードにしての店舗体験の充実
Online return in store オンライン注文商品の店舗返品

など、デジタルシフト先行企業が顧客のスマホとオンライン情報をつなげて
店舗を中心に行う各種オムニチャネル施策に力を入れると宣言しています。

世界のファッションマーケットを変えた
ファストファッションチェーンの雄、
グローバル企業H&Mが
今後、どのようにリカバリー、キャッチアップするか?

その動向には世界のファッションチェーンが注目しています。

齊藤孝浩

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