Fumitoshi Goto

「売り場からお客が消える」リアル店舗の苦戦は今年も継続か

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■昨年の年末商戦では買い物がネットにさらに移行しており、多くのチェーンストアが集客で苦戦している。

全米に1,862店舗を展開するディスカウンターのターゲットは15日、11月~12月期の既存店・売上高前年同期比が1.4%の増加と発表した。同社が予測した3~4%の増加には程遠い売上となったのだ。

プライベートブランドを強化している衣料品や美容関係が好調だった一方で、おもちゃが横ばいとなり、家電は6%の減少となった。

年末商戦でもネット経由の販売は19%増加となったが、リアル店舗の売上高がマイナスとなったのだ。

ネット注文品を店で受け取るボピスやカーブサイド・ピックアップの「ドライブアップ(Drive-up)」をほぼ全店に拡大しているターゲットはまだマシな方かもしれない。

モールを中心に展開するチェーンストアは軒並み前年割れとなっているのだ。

デパートメントストア680店などを展開する老舗チェーンのメイシーズが先週発表した11月~12月期の既存店ベースは0.6%の減少だった。

かつては米国を代表するデパートメントストアだったメイシーズは売り場にお客が流れないため疲弊した29店舗(メイシーズ28店、ブルーミングデールズ1店舗)の閉鎖を行うのだ。

1,100店以上のデパートメントストアを展開するコールズも既存店が同0.2%の減少となった。

減少幅が1%以下はまだいいほうかもしれない。モールベースで国内に約850店を展開するJCペニーでは同7.5%の減少だ。

核テナント以外のモールベース・チェーンはさらに苦しい。女性用下着ブランドのヴィクトリアズ・シークレット(国内1,081店)などを展開するエル・ブランズも既存店が同3%の減少と厳しい。

ビデオゲーム小売りチェーンで国内に3,732店を展開するゲームストップは、既存店ベースが24.7%減とかなりの惨状を呈している。

チェーンストアの代名詞だったベッドバス&ビヨンドも第3四半期(9月~11月)決算で既存店が8.3%の前年割れで、過去最悪の既存店・前年同期比を記録した。

ネット通販最大手のアマゾンは年末商戦の売上など詳細は明らかにしていないが、グローバルの受注件数は過去最高となった。

マスターカードの小売調査部門スペンディングパルスでは、11月~12月のオンライン販売の売上高が前年比で約20%増加したことを発表した。

店舗の売り場からネットへの消費に移行している地殻変動が改めて浮き彫りになっているのだ。

昨年は9,300店のリアル店舗が消え、直近のモールの空室率は9.7%となる100年に1度と言われたリーマン・ショック後の記録を塗り替えている。

リアル店の売り場で成長してきたチェーンストアは、消費行動の変化となる「地殻変動」を真摯に受け止めない限り、生き残れないのだ。

トップ画像:ターゲットのドライブアップで商品を受取る利用者。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。大手音響機器メーカーのボーズ(BOSE)が、今後数ヶ月で米国や欧州、日本、オーストラリアの直営店119店舗を閉鎖すると発表しました。スイスの金融グループUBSの見込みではアマゾンなどのEコマースサイトが売り上げ全体の16%から2026年には25%になるとしています。これにより最大で7.5万店がスクラップとなるのです。消費がリアル店舗からネットにさらに移行することで店の売り場が今後、足かせとなります。だったら先に潰しましょうというのがボーズの考え。日本の流通トレンドはアメリカより5年~10年遅れていますが、そのうち日本でも同じような地殻変動を経験します。いつまでもガラケーを扱っていたり、今でもCDを売ろうとする音楽業界と同じように、一部に悪あがきが残ります。で、アメリカより遅れることになるのですが、消費者は利便性を選びます。利便性とは時間の節約。お客は売り場まで来てくれるというのは幻想とは言わないまでも期待薄にする必要があります。
柔軟な思考をもっていないと動くべきときに動けなくなります。というかもう変化をする必要があるのですけどね。リアル店舗の閉鎖は今年も続きます。

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