ILLUSTRAZIONE DI MATTEO DANG MINH.
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オンライン飲み会のしんどさについて専門家に訊いてみた

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「自粛期間中も友人が恋しくならない僕って、性根が腐っているのでしょうか?」
By Vincenzo Ligresti; translated by Ai Nakayama

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質問: ロックダウンが始まったばかりのころは、誰もがグループでのビデオ通話に熱狂していました。それが、家族や友人たちと集ったり飲んだりして、ひととの距離を近くに感じられる唯一の手段だったから。でも僕は、割と早い時期からオンライン飲み会にしんどさを覚えるようになりました。最近では通話を終えるごとに、自分は何も大したことを言わなかったし得られなかったと感じてしまいます。なんなら頭痛さえします。大丈夫なのは一対一のビデオ通話のときだけです。

それだけじゃありません。僕はこの状況に順応してしまっています。自分の頭の中でいろんな声が響いているし(それは常にいいこととは言えませんが)、それさえあればいいような気がしています。完全に他人とのやりとりを断っているわけでもありません。メッセージには自分のペースで返信しています。だけど、こう考えずにはいられないんです。思ったよりも友人が恋しくならない僕って、性根が腐っているんじゃないか、と。それともこれは単純に、僕が自立した大人であるということなのでしょうか。

心理学者/心理療法士 ジャンルカ・フランチオーシからの回答:

確かにロックダウンが始まった頃は、グループビデオ通話の新奇性に誰もがワクワクしていましたね。多くのひとが、グループビデオ通話を他人と繋がるための手段として、〈新しい日常〉に向き合っていくために役立つものとして、強迫観念的ともいえるかたちで捉えていました。しかしビデオによるグループでの会話は、日々のタスクと同じような、時間を埋めるだけのものとなってしまい、結局ストレスの源になる可能性すらあります。

オンライン飲み会は、リアルな友人との飲み会の代わりにはなりません。友人の顔や表情を見ることができるとはいえ、実際に近くにいるわけではないですし、触ることもできません。さらに、ビデオ通話の最中は、自分が、自分を含む全員に見られているという感覚になる。実際の飲み会では、最初にふたりと話して、そのあとまた別の2〜3人と話し、そしてまた次のひと、というふうになるので、みんなが常に自分、あるいは自分の背景に映っているプライベートな空間に注目しているという意識は抱きませんよね。

親密で近しいひとと一対一で話しても、しばらくすれば疲れることがあります。今は毎日変わり映えしないですし、ニュースだってそう。そのため議論するテーマも、お互いに報告し合うこともそんなにありません。それに、ビデオ通話をしているさいに起きる技術的な問題も気にする必要がある。接続が悪いとか、音声が途切れてしまったとかで、場の雰囲気が壊れてしまうこともありますよね。最初はそういった問題も気にしないかもしれませんが、時間が経つにつれて、会話に集中するのが難しくなります。

概して、質問者さんがおっしゃる内容は当然のことだと思います。ただ、あまり気にしすぎないほうがいいですね。誰かを恋しく思わないからといって、成熟しているというわけではないですし、自分ひとりでいたいと思うことは、必ずしも自立とイコールではありません。社会的な接触は人間にとって重要です。でも、こんな時期には、自分のニーズをもとに他人との接触を改めて調整してもいいでしょう。ひととのつながりを減らしたいと思うのは、ロックダウンが始まって以来の〈質より量〉的なコミュニケーションからのデトックスなのかもしれません。

あなたは今、自分の愛するひとを恋しく思わないからではなく、人間関係が環境によって制限されているからこそ、ひととのやりとりを煩わしく思っているのだと私は考えます。もし人間関係を枯渇させたくないと思うのであれば、例えば同じ映画をみたり、いっしょにリモートで運動してみたり、同じ記事を読んでみる、というようなことを試すのがいいでしょう。でも、無理にする必要はありません。今は断ることが難しい時期だとは思いますが、ノーと言うことがメンタルヘルスに必要な場合もあるので。

This article originally appeared on VICE Italy.

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