Fumitoshi Goto

新型コロナウイルスの影響でホームセンターアプリのダウンロードが急増

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■調査会社のアップトピア(Apptopia)によると、ホームセンターのアプリのダウンロードが4月飛躍的に伸びた。

外出禁止令発動により3億人以上が自宅待機になったことで普段は忙しくてできない整理整頓や片付け、掃除、ガーデニングに精を出したことが要因だ。

内装のホームインプルーブメントやDIYなどの情報を得るためホームセンターのストアアプリをダウンロードしたのだ。

ダウンロード数はホーム・デポで70.6万件、ロウズで52.7万件にも上っている。

ホームデポによると2月~4月期のアプリのダウンロード数は通常より2倍にも上ったのだ。

ホームデポやロウズはエッセンシャルビジネスと分類されたことで休業をする必要はなかった。

ホームデポのストアアプリはアルタイム在庫を確認できることで来店客の約半数がアプリでネットにアクセスしてお店に来ている。

アプリにある商品ページにはストアピックアップやネットで購入した商品を店からデリバリーするBODFS(Buy Online Delivery From Store)の有無など、いくつかの受け取りオプションも用意されている。

ストアアプリ機能にはDIYの便利ツールの「ツールボックス」も用意している。

ツールボックスにはインチとセンチ単位の「キャリパー(測径器)」に面積や長さ、質量、温度、体積の「単位変換」、ナットをスクリーンの上におきナットの大きさを測ったり、ボルトの溝(ギザギザ部分)を計測する「ナット&ボルトファインダー」、カーペットの張り替え用には靴のサイズを登録しておき歩数で部屋の広さを計測する「タップメジャー」が入っている。

また、ホームデポにはストアアプリとは別に「プロジェクト・カラー(Project Color)」アプリがある。プロジェクトカラーはペンキで古い壁の色とマッチさせたり、好みの色を見つけ出すカラー検索アプリだ。

ホームデポ・アプリの便利な機能が自宅待機で広がったDIYに利用されているのだ。

 ホームデポが19日に発表した第1四半期(2月~4月期)決算では売上高は前年同期比7.1%増となる282.6億ドルとなった。

純利益は臨時ボーナス等の人件費が響き前年同期比10.7%減となる22.5億ドル。既存店・売上高前年同期比は6.4%の増加。国内の既存店ベースは7.5%の増加となった。

外出を控えたことで客数は3.9%減となったが、客単価は74.70ドルと11%の増加となったのだ。

Eコマースはボピスが支えていることで79%の増加となり、売上全体の15%を占めている。ホームデポは米国、カナダ、メキシコに2,293店を展開している。

一方、競合のロウズは20日に第1四半期(2月~4月期)決算を発表し、売上高が前年同期比10.9%増となる196.8億ドルとなった。純利益は27.8%増となる13.4億ドルだった。

既存店ベースは11.2%の増加となり国内は同12.3%の増加となっている。ロウズのオンライン売上高は80%の成長率を記録し、売上全体の8%を占めている。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ホームセンター最大手のホームデポの既存店が直近の四半期で7.5%の増加。競合ロウズは12.3%の増加となりました。売上もホームデポは前年同期比7.1%の増加でロウズは10.9%の増加です。成長率に違いがでた理由は3つあり、一つは店舗立地、そして客層、さらに伸びしろの多さです。ロウズの立地は比較的、田舎が多いことで知られており全体の4分の1がルーラル地区に展開しています。つまり新型コロナウイルスの感染拡大の影響が小さかったところに出店しているから売上が伸びたのです。ダントツに感染者を出しているニューヨーク州ではロウズの70店に対してホームデポは100店もありますから。方やホームデポはNYマンハッタンに2件出店するほど都心部への出店が多いことでコロナ禍の影響をモロに受けたのですね。皮肉なことにロウズは2年前、マンハッタンにあった2店舗を閉鎖しました。で、立地が違えば客層も異なります。

⇒ホームデポは比較的規模の大きなプロフェッショナルを客層を持つのに対して、田舎に出店数が多いロウズの顧客には零細企業が多いとされています。コロナショックで建設等の遅延・キャンセル多寡も両者の売上の違いに反映されたのです。雇用統計によると4月の建設業は97.5万人が減少していました。規模の大きな建設業で失業者を多く出したことでホームデポの売上がロウズほど伸びなかった理由です。伸びしろはロウズが大きい。興味深いことにロウズCEOのマービン・エリソン氏は2002年~2014年までホームデポの役員をしていました(その前はターゲットで15年間)。問題の多かったホームデポCEOのロバート・ナルデリ氏(2000年~2007年)と、ホームデポを再び成長軌道にのせたフランク・ブレイク氏(2007年~2014年)に仕えていた経験があります。エリソン氏はJCペニーのCEO(2014年入社でCEOは2015年~2018年)に就任し失敗していますが、ECやアプリ展開などロウズに欠けている伸びしろの部分をよくわかっています。そこに注力しているのですね。
彼自身がマイノリティ(黒人)であり1月にはチーフ・マーチャンダイズ&ブランド・オフィサーに女性(その前はタコベル役員を4年間)を起用しています。ロウズはこれまで出来なかった「勝ち易きに勝つ」で徐々にホームデポをキャッチアップします。

後藤文俊

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