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デザイン思考のファーストステップである共感力を高める3つの方法

デザイン思考のファーストステップである共感力を高める3つの方法

サンフランシスコ発デザイン会社の公式ブログ
btrax

“共感力”とは何だろうか。デザイン思考のファーストステップであり、IQの対比として使われるEQ(Emotional Intelligence Quotient = 自分と相手の感情を把握し、状況に応じて自分の感情をコントロールできる能力)の1つでもある共感力とは、相手の感情を知ることではなく、相手と同じ感情を疑似体験することである。

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デザイン思考の最初のステップは「共感」

デザイン思考おける「共感」フェーズでは、リサーチャー自らがユーザーの代弁者となることで、実際にサービス・プロダクトを受け取るユーザーの潜在的なニーズを掘り起こすことを目的としている。

そもそも全てのプロダクトもサービスもユーザーの存在を前提で作られているため、使い手側が何を見て、感じて、どのような行動を起こすかを理解しなければ、ユーザーが抱える課題の解決にはならない。どんなサービスやプロダクトをつくる上でも、共感力が重要なスキルと言えるだろう。

一般的なデザイン思考のプロセス

では、共感力を高めるにはどうしたらよいのだろうか?幸いなことに、共感力は生まれ持った才能や素質ではなく、誰もが習得できるスキルである。今回は今すぐ実践できる共感力を高める3つの方法をご紹介したい。

共感力を高める3つの方法

1. Journal(感情を書き残す)
2. Pause(会話に沈黙を取り入れる)
3. Increase your contact with “outsiders” (自分と異なる環境に身を置く)

1. Journal

まず1つ目は、その日考えたことや感じたことを書き残し、自分の喜怒哀楽を生み出す出来事を感情ごとに可視化するという方法だ。

自分の感情が良い方にも悪い方にも動かされた出来事を思い返し、その時の感情・思考を言語化して自分の感情を客観視することがポイントとなる。具体的には、毎日メモを残す、週末だけ日記を書くなど簡単な方法がいいだろう。

筆者が実施しているのは毎晩3Fメモを書くことだ。3FとはFact(出来事)、Feeling(感じたこと)、Finding(気づき)の頭文字をとったもので、弊社のデザインリサーチャーお手製のネーミングであるが、書き残すことが明確で実施しやすいのでお勧めしたい。

筆者のとある日の3Fメモ

この日々の活動を通じて、実体験に基づいた感情のボキャブラリーが増え、相手の感情をより的確に理解し表現できるようになる。また、自分の感情の変化とそれを引きをこす出来事に意識を向けることで、相手の感情を引き出す根源をも理解しやすくなる。

>>感覚に訴えるコミュニケーション – ビジュアルファシリテーションのすすめ –

2. Pause

2つ目の方法は、会話に沈黙を取り入れることだ。会話に間を持たせることで、自分の感情だけでなく、相手の感情にも気が付きやすくなる。

自分の感情の場合、相手との対話の中で生まれた感情をそのまま言葉にするのではなく、数秒おいてから発言するように心がける。

特に怒りの感情の場合、一時的な感情が先行してしまい、自分が本当に感じていることと発言したことが一致していない、といった経験がある方も多いのではないだろうか。発言する前に一呼吸おくことで、自分の本当の感情に意識を向けられる。

また、数秒の間をつくることで、表情やジェスチャーからより相手の感情を理解するヒントを得られることが多い。特に表情については、言葉にしていない本音が通常0.5~4秒ほど表情に現れると言われており、眉の動きや口角にも注目してみてほしい。

3. Increase your contact with “outsiders”

ここまで紹介したJournal、Pauseは日常に個人で実施しやすい方法と言えるが、継続には相応の努力が必要となる。次にお伝えする3つ目の方法は、自分が属する環境を変える、つまりシンプルに自分と異なる生活様式や文化を持った社会環境で過ごすというものである。

アメリカの工業デザイナーであるPatricia Mooreは、見た目が美しいデザインの数々が年を重ねた人たちの使い勝手を考えているかどうかに疑問を持ち、26歳から3年間老婦人に変身して老人社会に“潜入”した

この経験から、彼女は自分がなに不自由なく暮らしていた生活が、高齢者にとってはいかに危険で恐怖が潜んでいるかを実感したそうだ。

老婦人に変身したPatricia Moore

これは実際のデザインリサーチの例であるが、簡単に実施出来ることとしては、親や兄弟のコミュニティに入れてもらう、関わったことのない業界のオンライン交流会に出てみる、などがいいだろう。

ここで注意すべきなのは、相手を判断する(Define)という姿勢ではなく、新しい社会環境の人々と同じ視点で物事を見る姿勢を獲得することだ

せっかく異なる社会環境に身を置いても、元の環境と同じ視点や姿勢のままで過ごし振る舞うだけでは、相手の感情を知るだけの感情共鳴(Sympathy) に留まってしまう。視点ごと相手に揃え、感情移入してこそ共感が生まれる

自分のバックグラウンドと離れた環境で過ごす時間が長い人ほど、偏見や決めつけが少ないというリサーチもあるように、正しい姿勢を意識することで共感に重要な「答えは分かりきっていると思わない」「勝手に判断しない」といったマインドセットを身につけることができる。

btraxデザイン思考研修資料より抜粋

まとめ

今回ご紹介した3つの方法を通して、感情の動きに敏感になり、その細かな感情を表現することが鍛えられるだろう。数日で効果を実感できるものではないが、やり続ければ必ず成果は出る。今日から習慣化すれば、数カ月後のデザインリサーチでは、今までよりも一歩先の共感ができるようになっているはずだ。

>>デザイン思考入門 Part 2 – Empathize 理解と共感

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