■新型コロナウイルス感染拡大により多くの小売りチェーンが低迷を余儀なくされている。一方で悪いことだけではなく良いことも起きている。
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人との接触を避けるためイノベーションがどんどん促進されるのだ。これまでテスト出来なかったこともパンデミックの影響で実証実験が比較的可能となっており、イノベーションが身近なものになっている。
その一つが出前ロボットだ。食品などを届けている無人配送ロボットが「普通のサービス」として認識され始めている。
宅配ロボットを開発するスタートアップのスターシップ・テクノロジー(Starship Technologies)は先月27日、自動走行ロボットを使ってピザやコーヒーを届ける注文件数が累計で100万回を突破したことを発表した。
スターシップはスカイプの共同創業者アーティ・ヘインラ氏とヤヌス・フリス氏が2014年に創業した企業。
大学キャンパスなどで宅配ロボットを徐々に拡大しながら2017年9月に注文件数5,000件の実績をあげ、2019年5月には5万件以上となった。
3ヶ月後となる同年8月には10万件を突破したのだ。コロナ禍では宅配サービスをキャンパス以外となる地域のコミュニティにも広げたことで2020年6月には累計の注文件数が50万件を達成した。
同年10月にはカリフォルニア州中部や北部に食品スーパーなど206店舗を展開するセーブマートがフレズノ地区にある旗艦店でスターシップのロボットを使った食品宅配を開始。
50万件を突破後、わずか半年ほどで注文件数100万件の実績を作ったことになる。
スターシップによるとロボット宅配で最も人気の注文品はダントツでミルク(10.5万件)だった。2位はピザで6.32万件、3位はコーヒーで4.3万件、バナナも4万件で人気宅配品となっているのだ。
アメリカ国内では20ヶ所のキャンパス等で展開していることから朝食の宅配数も累計で16万回以上となっているという。
スターシップのデリバリーロボットは高さが約40センチメートル、横幅が30センチメートルとなる、大きめのクーラーボックスのような形状だ。
この出前ロボットにはカメラやセンサー、制御システム、通信機器、LED、バッテリーを搭載。時速4マイル(6キロメートル)で走行し6つの車輪で風・雨の強い日でも稼働できるようになっている。
上部にあるカバーを開けると注文品を入れるスペースが用意されており最大20ポンド(9キログラム)を運ぶことができる。
配達場所は対象地域内で指定した場所がピックアップポイントとなり、注文から15分内に地域のレストランやスーパー、学食から食品などを配達する。
なおオンデマンド配送を利用するには専用のアプリを使用することになる。アプリでピザなどを注文し、注文品を受け取るピックアップポイントをアプリ上のマップでピンをドロップして指定する。
ロボットの動きはアプリからモニターできるようになっており、ピックアップポイントに到着するとアプリに通知が届くようにもなっている。
受け取りはアプリを操作しカバーを開錠して注文品をピックアップする。自動走行だが専門スタッフがモニターも行っているという。
オンデマンド・ロボット配達サービスの手数料は1.99~2.99ドルだが、一部に手数料等を自治体や大学側が負担することで手数料が減額もしくはゼロとなっているようだ。
スターシップは昨年、今年の夏までに100ヶ所の大学キャンパスに宅配ロボットを拡大する計画を発表した。
直近ではマサチューセッツ州にあるブリッジウォーター州立大学に事業を拡大しており、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)内での稼働も始まっている。なお同社は現在、キャンパス等で稼働している自動走行ロボットを1,000台以上所有している。
コロナ終息もまだ見えないことから、コーヒー等を注文して宅配ロボットで受け取る光景が普通に定着していく。
トップ画像:カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のキャンパスでも宅配ロボットの展開が始まった。毎日のようにピザを注文する学生にとってロボット宅配はありふれた光景になっている。
スターシップは大学キャンパスなどで宅配ロボットを徐々に拡大しながら2017年9月に注文件数5,000件の実績をあげ、2019年5月には5万件以上となった。3ヶ月後となる同年8月には10万件を突破。コロナ禍で注文件数が50万件を達成し、それからわずか半年ほどで注文件数100万件の実績を作ったのだ。スターシップによるとロボット宅配で最も人気の注文品はダントツでミルク(10.5万件)。2位はピザで6.32万件、3位はコーヒーで4.3万件、バナナも4万件で人気宅配品となっているのだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。エントリー記事からロサンゼルス流通視察では、スターシップの宅配ロボットが稼働しているUCLAに行く機会がでてきました。当社のIT&オムニチャネルワークショップではキャンパス内で実際に専用アプリを使ってロボット宅配を体験してみるカリキュラムもできそうです。アプリ注文してクライアントに考えてもらうのは、ロボット宅配を普通に利用する学生が社会人になる頃のことです。いつまでもリアル店舗や売り場にこだわり、イノベーションへの準備を怠っていれば次に来る大きな波に乗れないということです。当ブログでは変化することの喩えを「巨人ファンが阪神ファンになる(もしくはその逆)」としています。そこにあるのは変わることへの恐怖や不安です。見えない恐怖心や不安感を払拭するために世界最先端のITを経験してもらうのです。回りが止めようとしてもイノベーションの大波が必ずきます。ビジネスとは今のサービスをより簡単で利便性の高い形で届けるための果てしない追求だからです。
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