■ニュースサイトのブルームバーグは11日、ネット通販最大手のアマゾンの食品スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」が全米に展開する計画があることを報じた。
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ブルームバーグによると現在11店舗を展開するアマゾン・フレッシュは28店舗をさらに新規出店し、シカゴではレジなし技術もテストするのだ。
アマゾン・フレッシュはアマゾン傘下のホールフーズ・マーケットとは別事業のコンベンショナル食品スーパー。
ホールフーズが扱わない一般的な食品を扱い、ハイテクショッピングカートで利便性を向上しながらボピスなどのオムニチャネルに対応する。
ブルームバーグは当局へのリカーライセンス申請などからアマゾン・フレッシュがサクラメントからフィラデルフィアまで少なくとも28ヶ所に出店すると分析しているのだ。
アマゾンは昨年、ミシガン州バイロンセンターに本社のあるスパルタンナッシュ(SpartanNash)とパートナーシップを結んでおり、同社の株式まで取得できる権利まで得ているという。
中西部を中心に9州に160店舗近くの食品スーパーを展開するスパルタンナッシュは食品卸業を主軸にしていることで、アマゾン・フレッシュは戦略的な提携先をも傘下に収めることができるのだ。
シカゴで2月に実施した、購入頻度の高い30品目のプライスコンパリゾン(価格比較)によると、アルバートソンズ傘下のジュエル・オスコと比較して最大20%も価格差があった。
プライスコンパリゾンにはセール品も含まれていたことで、アマゾン・フレッシュはウォルマートやディスカウントスーパーのアルディにも張り合うことが可能と見ている。
多店舗展開に価格競争力からアマゾン・フレッシュが近いうちに全米チェーンに成長するとブルームバーグは予想しているのだ。
ブルームバーグはまた、アマゾン報道官がレジなし技術である「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」の精度が向上したことで、アマゾン・フレッシュへのテスト導入を言及したことも報じた。
匿名で元役員の「アマゾン・フレッシュはアマゾンにとって(全ての戦略を試す)オール・イン戦略店になっている」との話から近い将来、アマゾンゴー・ライクなアマゾン・フレッシュ展開もあるということだ。
実際、アマゾンは4日、イギリスのロンドン・イーリング区にレジなし店のアマゾン・フレッシュをオープンしている。
2,500平方フィート(約70坪)の売り場にはアマゾンゴーの品揃えに加え、野菜・果物に精肉等の生鮮品にスープ等のホットデリ、ベーカリー、花、雑誌など小型の食品スーパーの取り扱いとなっている。
シアトル市内に展開する約300坪のアマゾンゴー・グローサリー1号店やシアトル郊外レドモンドにある210坪の2号店を考えれば、1,000坪前後のアマゾン・フレッシュにもテスト導入が可能だ。
なおアマゾンは11日、シカゴ郊外ブルーミングデール地区に11店舗目となるアマゾン・フレッシュをオープンした。
トイザらスの跡地(404 Army Trail Rd., Bloomingdale, IL 60108)にオープンしたアマゾン・フレッシュはシカゴから西へ30マイル(約50キロメートル)の距離にある。
アマゾン・フレッシュ・ブルーミングデール店は、車で数分程度の近隣に競合ウォルマート・スーパーセンターがあり、2マイル(約3キロメートル)圏内にはクローガー傘下のマリアノスにジュエル・オスコ、アルディ、マイヤーなど大手チェーンが競い合っている。
アマゾン・フレッシュは地域の競合状態に関係なく出店を繰り返している。1,000坪前後の空き家があれば周囲のスーパーを気にせずオープンしているのだ。
プライム会員を対象にネットスーパーを武器にしながら、オムニチャネル展開できるからこそのスピード出店だ。
アマゾン・フレッシュが全米チェーンになる頃、スーパーマーケット業界によるIT武装が進みそうだ。
2021年2月26日 - 【ドン・キホーテ】、高級スーパー買収!格安店がワインバーを持つ店を運営できるのか?
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。当ブログで先日、「ドン・キホーテ」を展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)グループがゲルソンズを取得したことについて書きました。後藤はこれまでに、アメリカに進出してきた日本の小売業による失敗事例を見続けてきました。アマゾンのプレゼンスが拡大する業界ですから後藤は一言「ウェルカム・ツー・ジャングル(Welcome to jungle)」。小売業世界一にIT超大手も仕掛けてきているスーパーマーケット業界は樹海と表現してもいいでしょう。人も歩けないような地形に見たことのない野獣等、いきなり何が出てくるのか予想がつきません。PPIHの株主ならトップを体育館裏に呼んで、小一時間は「なぜに?」と静かに詰問します。ウォルマートなど他のチェーンがそうであるようにGAFAと競うあうようになると莫大なコストがかかります。生鮮品を扱うスーパーは古くから薄利な商売なのにゲルソンズはバーを店内に持ち、しかも新たな競争相手はハイテクを無慈悲に導入するアマゾンです。
凄惨な失敗事例を見てきて言えるのは、いつも情報不足。で情報不足の原因は成功体験で培ってしまった自分の見たいところだけ見ようとするバイアスです。いつものことながら、相田さんちのみつを君に「そんなこと言ったってしょうがないじゃないか」byえなり。
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