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食品スーパー最大手がドローンの宅配テストを実施、ベビー用品などにも対応

食品スーパー最大手がドローンの宅配テストを実施、ベビー用品などにも対応

在米28年のアメリカン流通コンサルタント
激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

■スーパーマーケットチェーン最大手のクローガーは3日、ドローン宅配の「ドローン・エクスプレス(Drone Express)」と提携しドローンを使った宅配テストを行うことを発表した。

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ドローン利用の空輸宅配ではドロッグストア・チェーンのウォルグリーンが2019年10月にすでに成功しており、遅れながらも食品スーパー最大手もラスト・ワン・マイルにドローンのテストを始める。

テレグリッド・テクノロジー(TELEGRID Technologies)傘下のドローン・エクスプレスと協力しておこなう実証実験はオハイオ州センタービル地区にあるクローガー・マーケットプレイス(1095 S Main St, Centerville, OH 45458)で今週から開始する。

クローガー・マーケットプレイス・センタービル店はクローガーの本部があるシンシナティの郊外にあり、モンロー地区にあるネットスーパー専用倉庫のカスタマー・フルフィルメントセンター(Customer Fulfillment Center:CFC)からも車で30分の距離と近い。

なおドローン・エクスプレスの本社もモンロー地区にある。

ドローン宅配であるため注文から最短で約15分で届けられるものの、注文には重量などの制限がある。

最大5ポンド(2.2キログラム)となっていることから、緊急を要するベビー用品や市販薬、ピクニック用品などが対象となる。

また即座に出荷できるように例えばベビー用品ならおしりふきや粉ミルクなどのセット注文で対応する。

バージニア州クリスチャンバーグ地区で行われている、ウォルグリーンがウィング・アビエーションと提携したドローン宅配でも対象商品を100アイテムに絞り、元気な子供向けに「スナックパック(Snack Pack)」や赤ちゃん向け「ベビーパック(Baby Pack)」とセット注文にも対応している。

クリスチャンバーグでのドローン宅配ではウォルグリーン以外でもコーヒーショップやベーカリーショップ、図書館とも提携している。

 クローガーの競合ではウォルマートがドローン宅配でテストを積極的にすすめている。

ベンチャーのフライトレックス(Flytrex)と提携したドローン宅配のサービスのテストは、ノースカロライナ州ファイエットビルにあるウォルマートの店舗から食品や日用品をドローンで運んでいるのだ。

6.6ポンド(約3キログラム)の注文品を3.5マイル(約5.6キロメートル)先まで配送する実証実験だ。このドローン宅配では230フィート(約70メートル)の上空を時速32マイル(約50キロメートル)で飛行し、利用者宅まで届ける。

利用者宅ではバックヤード(裏庭)もしくはフロントパスウェイ(玄関前の通路脇)の上空8フィート(2.4メートル)にまで下降しホバリング中に注文品がついたケーブルを地面まで降ろして利用者に届ける。

ウォルマートはまた、新型コロナウイルス検査のための自主検体採取キットをドローンで届けるテストも行っている。

診断情報サービスのクエスト・ダイアグノスティクス(Quest Diagnostics)とドローン開発のドローンアップ(DroneUp)と提携したテストはラスベガス北部とニューヨーク州のチークトワガ地区で昨年から始まっている。この宅配サービスは、ウォルマートから1マイル圏内に住む顧客が対象。

ドローンが利用者宅の敷地にキットを落とし、受け取った利用者が鼻腔用綿棒を使って自分で検体を採取してクエスト・ダイアグノスティクス社に送付する仕組み。

他にもヘリコプター型とは異なる小型飛行機によるドローン宅配のテストも行っている。

2014年創業のスタートアップのジップライン(Zipline)と提携したテストは主に医薬品のオンデマンド宅配を目的とし従来型の回転翼のドローンより悪天候に強く宅配時間も短くなるモーターグライダーを用いている。

 クローガーは今年夏にも南カリフォルニアで展開する傘下スーパーのラルフスでもドローン宅配を開始する計画だ。

宅配に多く制限があるもののキャンプ場などへの空輸を視野に入れてラストワンマイルが拡大しそうだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。日本ではひとりでキャンプを楽しむ「ソロキャンプ」が空前の大ブームだとか。芸人のヒロシさんのYouTube動画が人気となり、ブームに乗って各テレビ局もさまざまなキャンプ番組を作るようになり、女性にもソロキャンパーも増えているようです。アウトドア先進国のアメリカではキャンピングは長い歴史があり、すでにビッグビジネスになっています。アメリカは日本の25倍の面積があるため、様々なキャンプ場も無数にあります。例えばアウトドア専門店のバスプロ・ショップスではキャンピングの他、フィッシングや猟銃などのハンティング、大型ボートやアウトドアのアパレル品まで圧倒的な品揃えです。キャンパーにとっては何でも揃う垂涎の大型店。それでも商品・サービスが充実しているキャンピングに足りないものがあるとすれば緊急対応でしょう。クローガーのドローン宅配テストで気になったのはカリフォルニアで開始することと、スモア(s'more)と呼ばれるキャンプファイヤー時のデザートセットがあることです。

 「もう少し欲しい(some more)」を意味するスモア(焼いたマシュマロとチョコレートを2枚のグラハムクラッカーで挟んだ菓子)さえドローン宅配です。緊急時の薬以外にキャンプファイヤーのお供さえ空輸するというキャンピング先進国をまざまざと見せつけられた感です。

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